モデルルームやモデルハウスを見学し一目ぼれする人は少なくありません。しかし実際に購入するとなれば、考えなければいけないことがたくさんあります。特に気になるのが住宅ローンのことです。ここでは無理のない返済額の算出方法について説明します。
無理のない返済額は家賃を基に算出する
一般的には年間の返済額を年収の25%以内に収めれば無理のない返済ができると言われています。例えば年収が700万円なら175万円、1,000万円なら250万円が年収の25%です。
しかし家計の収支や家族構成は各家庭によって異なるため、無理のない返済額も家庭によって違ってきます。
そこで提案したいのが現在支払っている家賃を基準に毎月の支払額を算出する方法です。現在の家賃を無理なく払っているのであれば、返済額を家賃と同じ額にしても、問題なく払えるわけです。
ただし住宅を取得すると毎月の返済以外にも支払いが発生します。例えばマンションを購入した場合は管理費や修繕積立金、駐車場代などです。
また戸建て、マンションにかかわらず、土地や家屋を所有すると固定資産税を始め、いろいろな税金がかかります。
住宅購入前に固定資産税額を知りたい場合は、住宅会社や不動産会社に問い合わせをして概算の金額を教えてもらいましょう。ちなみに固定資産税の納税通知書は毎年4~6月ごろに届きます(市町村によって異なる)。
無理のない返済額を考えるときは住宅ローンの返済以外にもさまざまな支払いがあるということを含めて計算しましょう。
頭金を用意すると金利が優遇されるローンもある
住宅ローンを組む際にはローン総額の2割の頭金が必要と考える人も多いのではないでしょうか。
以前はフラット35などを中心に、2割の頭金を用意できなければ住宅ローンを組めない金融機関が多くありました。融資額を物件価格の8割までと定める金融機関が多かったためです。
現在では頭金を用意しなくても契約できる金融機関もあり、さらに融資率(物件価格に対する融資の割合)によって金利が異なる金融機関も多数あります。
例えば住宅金融支援機構、イオン銀行、みずほ銀行などは、融資率を9割以下に抑えることで金利を優遇してもらえます。
わずかでも金利が下がれば毎月の返済額や総支払額が変わります。少しでもお得に住宅ローンを組みたい人は、頭金として借入総額の1割以上を用意するといいでしょう。
貯蓄をすべて頭金に回すのは得策ではない
マイホームの頭金用の貯蓄だとしても、その貯蓄のすべてを頭金に回してしまうのは得策ではありません。住宅購入には引っ越し費用も必要なため、その分は自己資金として残しておきましょう。
また事故や病気による通院・入院、自然災害による住宅の被害など、万一の際の備えも必要です。この蓄えを生活予備費といって一般的に生活費の3~6ヵ月分を用意しておくと安心とされています。
住宅ローンの契約の際には諸費用がかかります。必要となるのは、融資手数料、印紙税、保証料、登記費用、火災保険や地震保険の保険料、家具や家電の購入費などです。
一般的に住宅ローンの諸費用には物件価格の3~10%ほどかかると言われています。仮に4,500万円の物件を購入すると、135~450万円ほど必要です。
こういった諸費用は現金で支払うケースが多くなっています。「頭金のために」と貯蓄をした人も、そのすべてを頭金に回さないように注意しましょう。
返済額を算出してから物件価格を決めよう
無理のない返済額と用意できる頭金を計算すれば、自然と購入できる物件価格も決まってきます。住宅関連のウェブサイトには、毎月の返済額から借り入れ可能額を逆算できる住宅ローンのシミュレーションも用意されているので利用してみてはいかがでしょうか。
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