注文住宅のよさといえば、自分の理想を反映した家にできることです。一方で、100%契約通りに完成する保証はないというリスクもはらみます。そこで利用したいのが「住宅エスクローシステム」です。その概要を紹介します。
注文住宅のデメリットは完成形を見ることができないこと
一戸建てを購入するとき、建売住宅と注文住宅のどちらにするか迷うところでしょう。建売住宅は完成しているので、実際に見学して細部を確認することができます。しかし、当然ながら自分の意向は反映されないので、不要な設備があったり、逆に必要な設備が不足していたりします。
一方、自分の理想を反映するため注文住宅にした場合、契約通りに工事が進み、実際に家が完成するのかについては、心配の種でもあります。手付金を支払って、途中で工務店が倒産することが皆無ともいえません。この問題を解決するのがエスクローシステムです。
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エスクローシステムは実は身近に存在している
エスクローシステムは実は生活に馴染み深い仕組みです。例えば、メルカリやヤフオク!などのフリマサイトやオークションサイトで商品を購入したとき、支払った代金をいったん運営会社が預かります。そして商品が届いて購入者が承認すると、出品者に代金が支払われます。この仕組みがエスクローシステムです。
商品が届かない場合は代金の返還を求めることができるため、購入者は安心して商品を購入できるのです。
住宅エスクローシステムの概要
高額な買い物である住宅にも、エスクローシステムは用意されています。一例として、株式会社ナルミアドバンスの「Vintage house」における住宅完成保証制度(住宅エスクローシステム)の仕組みを紹介します。
▽住宅エスクローシステムの仕組み例
- 施主(オーナー)と工務店と完成保証機関の3者でエスクロー契約を結ぶ
- 施主が完成保証機関の管理口座に代金を支払う
- 工事の出来高に応じて完成保証機関が、施主の同意を得て工務店に代金を支払う
- 完成保証機関が、口座の管理や工事の進捗を把握して、施主に完成を保証する
ポイントは工事の進捗ごとに建築代金が支払われることです。したがって、工事の途中で万一施工していた会社が倒産した場合には、残りの代金で別の会社が住宅を完成させることができます。また、建築代金以外で支払われることはないため、資金を流用される心配がありません。さらに、支払いには施主の同意が必要なため、進捗状況をチェックできるという点でも安心感があります。
住宅は多くの人にとって、人生で一番高い買い物です。住宅エスクローシステムを活用し、安心して理想の家が完成するのを待ちたいものです。
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