住宅・不動産
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2020.8.8

約50年ぶりの新駅誕生。品川シーサイドエリア開発の今後を占う

(写真=yu_photo/stock.adobe.com)
(写真=yu_photo/stock.adobe.com)
2020年3月14日、山手線30番目の「高輪ゲートウェイ駅」が誕生しました。前回の西日暮里駅開業が1971年ですので、実に半世紀ぶりの山手線の新駅です。この駅名には、JR東日本をはじめとする開発者の想いが込められています。近隣エリアの大規模開発により、不動産市場は今後どのように推移するのでしょうか。

都心最後の大規模一等地開発

新駅は、京急泉岳寺駅とちょうど国道を挟んだ反対に位置します。新駅の東側一帯はかつて広大な田町車両基地が拡がり、臨海部の港南エリアと高級住宅地が拡がる高輪エリアを分断してきました。この13ヘクタールもの車両基地跡を開発しようという計画が「グローバルゲートウェイ品川」であり、並行して新駅設置が持ち上がったという流れです。

グローバルゲートウェイ品川の再開発計画は6街区からなり、1-4街区は2024年の完成をめざします。同街区には、オフィスだけでなく外国人にも対応した住宅施設も整備されます。なお、品川駅北口に近い5・6街区はリニア中央新幹線を見据えて品川駅改造と並行し整備予定です。

しかし、グローバルゲートウェイ品川のねらいは臨海部再開発だけではありません。再開発をバネに高輪・港南エリアを一体化し、国際都市東京と世界を結ぶ「ゲートウェイ」(玄関口)に育てるのが最終目標です。
 

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周辺不動産相場の好調は続くか

2015年から2020年にかけての地価推移をみると東京圏の公示地価上昇率が約3割なのに対し、ゲートウェイ周辺では5割増前後で取引されています。さらに隣接する浜松町駅の竹芝付近も5割の伸びを見せています。

これはグローバルゲートウェイ品川を含めた港南エリアの再開発計画が、不動産市場で高く評価されていることを示しています。裏を返せば、再開発の果実は地価にすでに織り込まれているわけで、さらなる地価の上昇には別のファクターが求められそうです。

その1つが、高輪・港南エリアの一体化の具体的な内容となりそうです。現在のところ両エリアを結んでいるのは、品川駅北1kmにある高輪橋架道橋。車の屋根をこすりそうなほど天井が低い、長さ230mの暗く狭いガード下です。今後は3本の連絡道路整備が進むようですが、完成は最も早い道路で4年後ですので、一体化開発にはまだまだ時間がかかりそうです。

これを含め、高輪・港南エリア一体化のための実際の開発とそのスピード感、そして周囲にもたらす経済的な波及効果によっては、新たな地価上昇要因となることでしょう。

都心最後の大開発ともいわれる高輪・港南エリア開発と、その象徴ともいうべき高輪ゲートウェイ駅の誕生。不動産市場の動向とあわせ注目していきましょう。

文・野口 孝雄
上場企業(大手日用品メーカー)にて、事業戦略・財務に携わる。とくに財務部門所属時には、株主総会運営・決算開示を経験、経営分析の力をつける。個人としての投資経験に合わせ、「投資される」企業側からの視点を加味した、独自の切り口によるコラムを真骨頂としている

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