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2020.7.24

ワンルームマンション不動産投資のメリット・デメリット【リスク回避の5箇条付】

(写真=naka/stock.adobe.com)
(写真=naka/stock.adobe.com)
ビジネスパーソンの資産運用といえば、株式投資や投資信託を選択する人が多いと思われますが、ここに安全資産の不動産投資を加えることでポートフォリオのデフェンス力が強化されやすくなります。さらに不動産投資の中でもビジネスパーソンと好相性なのが「ワンルームマンション投資」。その全貌をデメリットやリスクも含めて解説します。

不動産投資とそれ以外の資産運用との比較で見えてくるもの

はじめに「ビジネスパーソンの投資の実態」や「不動産投資とそれ以外の資産運用との比較」を確認しましょう。これにより、不動産投資をポートフォリオに組み込む意味がクリアになります。

ビジネスパーソン投資家が急増 とくに高所得者の投資家比率が著しい伸び

最近は、投資をするビジネスパーソンの比率が急速に高まっています。フィデリティ退職・投資教育研究所が2019年に行った「サラリーマン1万人アンケート」によると、2016年に36.6%だったビジネスパーソンの投資家比率は、3年後の2019年に42.8%と6.2%もアップしています(男性平均)。

とくに投資家比率の伸びが高いのは高所得層。例えば、年収2,000万円以上のビジネスパーソンの投資家比率は2016年の61.4%から2019年の74.3%と12.9%も伸びています。高所得のビジネスパーソンにとって、投資がより身近なものになっている実態がわかります。
 
 

どの投資方法を選択しても必ずメリット・デメリットがある

ただ一口に投資といっても様々な選択肢があります。ビジネスパーソンに人気の主な資産運用のメリット・デメリットを比べると次のようになります。
 
  メリット デメリット
つみたて NISA ・運用益が非課税になる
・少額から運用できる
・投資商品が限定的
・所得控除の対象にならない
iDeCo ・運用益が所得控除になる ・原則60歳まで引き出せない
積立定期預金 ・元本割れリスクがない ・金利が低い
不動産投資 ・賃料収入が景気に左右されない
・損益通算ができる
・一定の年収がないとローン審査が通らない
・即換金しにくい

ここでご理解いただきたいのは、どの選択をしてもそれぞれメリット・デメリットがあるということです。だからこそ、複数の種類の資産運用を組み合わせて分散投資を行い、将来のリターンを安定化させる努力をすべきといえます。

不動産投資は高所得のビジネスパーソンと相性がいい

その意味では、今回フォーカスする不動産投資は、すでに「つみたてNISA」や「iDeCo」などをしているビジネスパーソンに合った選択といえます。なぜなら、他の投資と全く違う性格のため、ポートフォリオのデフェンス力を強化しやすいからです。
 

不動産投資のメリットとしてはまず「賃料収入が景気にほとんど左右されないこと」が挙げられます。例えば、株価が数十%下落するような暴落局面でも賃料収入はほとんど変わりません。そのため、上場株式や投資信託の利回り低下を不動産投資でカバーすることができるのです。

もう1つのメリットである「損益通算ができる」は、賃料収入から諸経費を差し引いた手残りが赤字になった場合に給与所得と相殺できるというものです。これは、高所得のビジネスパーソンの所得税軽減に貢献してくれます。

一方、不動産投資のデメリットは、一定の収入や貯蓄がないとローンを組みにくいということです。資産運用目的の不動産投資はローンを組んで物件を購入するケースが多いですが、大手企業に勤めている人や高所得者でないと融資審査に通りづらいといわれます。もう一つのデメリットの「即換金しにくい」ことですが、ある程度の貯蓄があれば、それほど問題にならないでしょう。

このように、不動産投資のメリット・デメリットを見ていくと、高所得のビジネスパーソンと相性のよい資産運用であることがよく分かります(メリットの詳細は後述)。

 ビジネスパーソンと好相性なのは区分マンション

一口に不動産投資といっても様々な種類があります 。主なものとしては次のようなカテゴリがあり、こちらもそれぞれメリット・デメリットがあります。ちなみに、一棟マンションというのは物件を丸ごと経営するスタイル、区分マンションは○号室などの1戸室単位を所有するスタイルです。
 
  メリット デメリット
戸建住宅 ・ファミリーが多いエリアでは安定経営しやすい ・リフォームに費用がかかりやすい
・建物寿命が短い
アパート ・一棟マンションよりも建築費を抑えやすい ・駅から遠い立地が多い
・建物寿命が短い
一棟マンション ・高利回りの傾向
・キャッシュフローが出やすい
・金融機関の資産評価が高い
・初期費用がかかる
・売却しづらい
・運用に手間がかかる
区分マンション ・初期費用を抑えやすい
・売却しやすい
・運用が楽
・低利回りの傾向
・キャッシュフローが出にくい

この中から、はじめて不動産投資をするビジネスパーソンにうってつけなのは区分マンション投資でしょう。なぜ低利回りの区分マンションをおすすめするのかと言うと、次の8つのメリットがあるからです。
 

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ワンルームマンション投資の8つのメリット

区分マンションには、面積が広めなファミリー向け、一人暮らし向けのワンルームなどがありますが、ここでは、より手軽に投資をはじめられるワンルームマンションにフォーカスしてメリットを紹介していきます。代表的なメリットとしては次の8つが挙げられます。
  1. マーケットが拡大し続ける
  2. 初期費用の負担が少ない
  3. 頭金が少なくて済む
  4. ローンの交渉が比較的スムーズ
  5. 好立地の物件を手に入れやすい
  6. 入居者管理の手間がかからない
  7. 現金化しやすい
  8. リフォーム費用を抑えやすい
それぞれのメリットをくわしく見ていきましょう。

マーケットが拡大し続ける

ワンルームマンションが投資家に支持されている理由のひとつに、単独(一人暮らし)世帯が急増していることが挙げられます。ワンルームマンションに住むのは一人暮らしの人が大半です。単独世帯が増えているということは、ワンルームマンションの見込客が増えているということでありプラス材料になります。実際に単独世帯がどれくらい増えているかデータで確認してみましょう。
 


例えば東京都の場合、上記の表のように全世帯に占める単独世帯の割合はずっと右肩上がりです。2000年代前半には単独世帯の割合が40%台前半でしたが、2015年~2020年頃には40%台後半となり、さらに2035年以降は50%超となっていきます。40年間で10%以上も単独世帯の割合が増える中、ワンルームマンションは安定経営がしやすいといえます。

初期費用の負担が少ない

「不動産投資は初期費用がかかる」というイメージがある方も多いでしょう。たしかに、一棟マンションなどでは億単位の初期費用がかかることも少なくありません。これに対して、居室面積がコンパクトなワンルームマンションは投資金額が抑えやすく、中古なら百万円単位から、新築でも2,000万円台からはじめられます。このため、「まずは手頃な予算で不動産投資をしてみたい」という人にうってつけといえます。

ちなみに不動産経済研究所の調査によると、2019年の首都圏投資用マンション(新築)の平方メートル当たりの単価は 115.4 万円。仮に20平方メートルのワンルームマンションであれば、約2,300万円(※)になります。

※あくまでも参考値です。エリアやグレードなどによって価格は変わってきます。

頭金が少なくて済む

一般的に、不動産投資は初期費用の大半をローンでまかなうケースが多いです。ワンルームマンション投資の場合は、物件価格そのものが安いため、用意する頭金もおのずと抑えやすくなります。そのため、例えば「物件価格は2,000万円だけど、実際に出した初期費用は数百万円だけ」といった具合に効率的な資産運用ができます。「最低限の自己資金で不動産投資をしたい」という人とワンルームマンションは好相性なのです。

ローンの交渉が比較的スムーズ

通常、不動産投資の物件を購入する場合は、その物件の積算評価や収益評価などの情報をもとに経営計画書を作成し、それを基に金融機関と融資の交渉を行う流れになります。この経営計画書の作成はビギナーには難易度が高く、不動産投資をはじめる時の大きなハードルになることもしばしばです。

一方、ワンルームマンションは購入者の属性(勤務先、年収、勤務年数など)を重視し、その人の信用力をもとに融資するケースが大半です。たとえば、大手企業に勤めていたり、年収が高かったりすれば比較的スムーズに融資がおりやすいため、初めて不動産投資をするビジネスパーソン向けといえます。

好立地の物件を手に入れやすい

不動産投資を成功させるポイントとしては、「好立地の物件であること」も重要です。賃貸ニーズの高い好立地物件であれば、空室リスクが少なく安定経営がしやすくなります。この点、1人暮らし向けのワンルームマンションは通勤・通学に便利な好立地物件が豊富。しかも好立地にもかかわらず、物件価格を抑えやすいのも魅力です。

入居者管理の手間がかからない

不動産投資をはじめる時のハードルとしては、購入後の入居者管理もあります。具体的な業務としては、入居・退去する際の手続き・トラブル対応・家賃督促などがあります。こういった業務を経験のないビギナーや多忙なビジネスパーソンが行うのは大変ですが、ワンルームマンションの場合は専門の管理会社にアウトソースしやすいです。

現金化しやすい

不動産投資全般の弱点としては、流動性がない(現金化しにくい)ということが挙げられます。例えば、上場株式や投資信託であれば売り手と買い手をシステムが瞬時にマッチングするため流動性が高いです。
これに対し、不動産は相対(1対1の)取引のため売却に時間がかかることもあります。しかし、ワンルームマンションであれば価格が安い分、物件を探している投資家の人数も多いため、適正価格であれば比較的短期間で処分しやすいといえます。

リフォーム費用を抑えやすい

これは特に中古物件の場合に要注意ですが、投資物件を購入直後に住宅設備の交換やリフォームのコストが発生することもあります。このとき、面積の広い一棟物件・戸建て・ファミリータイプマンションは面積が広い分リフォーム費用がかさみやすいですが、コンパクトなワンルームならリフォーム費用を抑えやすいというメリットもあります。

ワンルームマンション投資の4つのデメリット

このように数多くのメリットがあるワンルームマンションですが、デメリットもあります。主なものとしては次の4つが挙げられます。
  1. 手残りを出しにくい
  2. 一棟マンションと比べて低利回りである
  3. 部屋数が少ない分、空室のダメージが大きい
  4. 孤独死による原状回復・家賃の値下がり
それぞれのデメリットをくわしく見ていきましょう。

手残りを出しにくい

新築ワンルームマンションの場合は、物件価格が割高な分、家賃収入から諸費用を差し引いた手残り(利益)を出しにくいデメリットがあります。とくに地価の高い好立地の物件は「家賃収入−諸費用」が赤字になることもよくあります。

となると、割安な中古ワンルームマンションの方が良さそうに感じられますが、こちらは購入直後にリフォームや住宅設備交換などのコストが発生するリスクもあります。ワンルームマンションに投資する場合は、このデメリットを比べて、新築・築古を選択することが大切です。

また、頭金の比率を高めることで(あるいは全額キャッシュで買うことで)金利負担をカットして手残りを多くする方法もあります。
 

一棟マンションと比べて低利回りである

ワンルームマンションは、一棟マンションやアパートと比べて低利回りの傾向があります。理由は所有する戸室の多い一棟ものと比べると、投資効率が悪いからです。ある大手不動産会社の調査によると、一棟マンションと区分マンションの利回りの差はその時々で変化するものの、おおむね1%前後で推移しています。

物件価格は相場が決まっているため、掘り出しものを探すのは容易ではありません。少しでも低金利で借り入れをすることで、投資利回りと金利の差であるイールドギャップを広げることが大切です。

部屋数が少ない分、空室のダメージが大きい

これは所有する戸室数が少ない場合ですが、ワンルームは戸室数の多い一棟マンションに比べて空室のダメージが大きいというデメリットもあります。たとえば、ワンルームマンションを1戸室所有していて、空室が発生すれば空室率は100%です。これに対して20戸室ある1棟マンションの1戸室が空室になっても空室率は5%にすぎません。こういった空室リスクを回避するには、所有する戸室数を増やすのも一案です。例えば、ワンルームマンションでも4戸室所有していてれば1戸室が空室になっても空室率は25%です。

あるいは、一定期間の満室保証をしてくれるサブリース契約を利用するといった対策も有効です。ただし、満室保証をしてくれる分、相場よりも割安な賃料で契約するケースが多いため、低利回りになる点に注意が必要です。

孤独死による原状回復リスク、家賃の値下がり

ワンルームマンションのメリットの解説で、単独世帯が増えることはマーケット拡大のプラス材料であるとお話ししました。一方、一人暮らしの人は、孤独死のリスクもあります。ちなみに年間の孤独死の人数は3,342人となっています(日本少額短期保険協会調べ)。

ファミリーで暮らしていれば、家族に何かがあれば他の人が気付いて対応してくれますが、1人暮らしの人が亡くなった場合、発見が遅れて原状回復・清掃に多額の費用がかかるケースもあります。合わせて、孤独死が起きた物件は賃料を減額しないと次の借り手が見つからないこともよくあります。

この孤独死リスクを回避したい場合は、孤独死専門の保険に加入するという手もあります。たとえば、1戸室あたり月300円などの保険料で、原状回復の費用や事故後の空室発生・家賃の値下がりなどのダメージをカバーしてくれます(アイアル保険商品『無縁社会のお守り』の場合)。

ワンルームマンション投資のリスクを下げるための5箇条

ここまでワンルームマンション投資のメリット、デメリットを解説してきました。合わせて、リスクを回避するためのポイントを事前に把握しておくと失敗する確率が減ります。ここでは次の5箇条を記載します。
  1. 自分自身で相場のリサーチをする
  2. 経営シミュレーションをチェックする
  3. 長期保有が基本ということを意識する
  4. 好立地物件にこだわる
  5. 優秀な管理会社をパートナーにする

【リスク回避】自分自身で相場のリサーチをする

これはワンルームマンションだけでなく、他の不動産投資にも共通しますが、賃貸物件には資産運用に貢献してくれるものもあれば、逆に、手元資金を減らしてしまうものもあります。資産運用にプラスになる物件を選ぶためには「高値掴みしないこと(適切な価格で購入すること)」が大切です。

具体的に高値掴みしないためには、競合物件の価格を徹底的に調べるのが有効です。競合物件とは、対象物件に近いエリア・広さ・築年数の物件のことです。この競合物件をネットの物件検索でリサーチすればだいたいの適正価格がわかるはずです。

不動産投資で失敗するパターンで多いのは、自分自身でリサーチをまったくしていない場合です。適正価格が分からないまま、悪徳業者の口車にのって割高な物件を購入してしまうこともあります。リサーチをして相場感があれば、その営業マンの話の内容が正しいかどうか判断しやすいはずです。

経営シミュレーションをチェックする

投資物件を購入するときは、将来の収支がどうなっていくのかシミュレーションすることが必須です。多くの場合、不動産会社がシミュレーションシートを作成してくれますが、その内容に漏れがないかを自分自身でチェックすることも大切です。

例えば、一般的に投資物件の賃料は年間1%程度、下落していくといわれます。この設定が甘ければ将来の収支に大きなズレが出てきます。また、本来シミュレーションに入れておくべき経費項目(たとえば、大規模修繕費や広告費など)が漏れていれば計画とまったく違う結果になります。

こういったチェックを綿密にするには、不動産投資の基礎知識が必須です。本・セミナー・ネットなどを通して不動産投資の十分な知識を得てからスタートしましょう。

長期保有が基本ということを意識する

不動産投資には「インカムゲイン(賃料収入)」と「キャピタルゲイン(売買差益)」の2種類のリターンがあります。このうち、家賃収入を軸に考えていくのが不動産投資の基本です。なぜなら、不動産市場は経済状況や金利動向をはじめ様々な要素で動くため、将来の物件価格を予測することは難しいからです。そのため、売買差益に期待して短期間でリターンを出そうと考えるとリスクが出てきます。あくまでも不動産投資は、長期保有による賃料収入の積み上げが基本です。

好立地物件にこだわる

不動産投資に失敗する大きな原因には「空室が発生して賃料が入ってこない」こともあります。これを回避する方法は「好立地物件にこだわる」しかありません。好立地とは具体的に、大都市の人気駅や主要駅の駅近などです。

これらの物件は賃貸ニーズが高いため、適正な賃料設定であれば「住みたい」と思う人が後を絶ちません。逆に、大学キャンパスや工場などに頼った物件はこれらの施設が移転・閉鎖すると空室リスクが一気に高まるため、なるべく避けるべきでしょう。

優秀な管理会社をパートナーにする

ワンルームマンション購入後のトラブル対応や家賃督促などの業務は、専門の管理会社が行うのが一般的です。この管理の質は、管理会社や担当者によって大きく変わり、それによって入居者満足度(=空室率)に影響が出てきます。そのため、物件を選びと同時に、管理会社選びにもこだわることが大切です。

ただ管理の質は数値化するのが難しいため、事前ヒアリングを行い、信頼度を確認しましょう。ヒアリング項目の例としては、管理戸数・平均空室率・管理で大切にしているスタンスなどが挙げられます。管理会社は後から変更することもできるため、契約後に対応が悪いと感じた場合は変更も視野に入れましょう。

自身の勉強や努力でリスク軽減の可能性がある不動産投資

冒頭で申し上げた通り、それぞれの資産運用にはそれぞれメリット・デメリットがあります。複数の種類の資産運用を組み合わせることで、お互いのデメリットをカバーし、ポートフォリオのデフェンス力を高めることが大切です。その1つの選択肢が不動産投資なのです。

必ず安全という投資案件はありませんが、自身の勉強や努力でリスクを軽減できる可能性がある不動産は、資産を形成する投資の1つとして検討に値するのではないでしょうか。
 

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