住宅・不動産
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2020.7.20

【連載#2】多様化する「シニア向け住宅」

(写真=ANA Financial Journal 編集部)
(写真=ANA Financial Journal 編集部)
とても多岐にわたる、日本における高齢者の住まい。「介護を受けながら生活したい」「簡単なサポートがあると安心」など、さまざまなニーズがありますが、それに応える民間・公的施設が用意されています。なかでも近年増えているのが、シニア向けの建設された「住宅型」の施設です。

高齢者の住みやすさに配慮した「サ高住」

住宅型の施設とは、高齢者向けに建設された住宅のこと。基本的にはバリアフリーであったり、浴室やトイレに手すりがあるなど、転倒などに配慮されたつくりになっています。加えて、入居後は必要に応じて生活支援や介護サービスを個別に外部契約するのが決まりです。住宅によっては生活支援がパックであることも。自立した方から要介護状態の認定を受けている方まで、幅広いシニアの住まいとして使われています。

なかでも近年供給が増えているのが、高齢者の住みやすさを重視した「サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)」です。原則として部屋の広さは25㎡以上で、廊下の幅、バリアフリー構造など、いくつかの規定をクリアしています。

60歳以上の方または60歳未満で要介護や要支援認定を受けている方が対象で、介護福祉士や看護師など有資格者の相談員が常駐し、安否確認や生活相談に対応してくれます。食事介助や通院の付き添いなど介護サービスが付く物件もありますが、介護サービスを利用する際は外部との契約が必須。「特定施設入居者生活介護」の指定がある場合は、介護保険のサービスを受けることができます。

契約は賃貸借で、入居一時金は原則不要。一般的な賃貸住宅と変わりません。安価であれば月額費用は5万~30万円と、立地や建物、設備、提供サービスで異なります。

なお、高齢者向けの賃貸住宅には、シニアのみが賃借人で、住宅の構造や設備などの基準をクリアした「高齢者専用賃貸住宅(高専賃)」もあります。見守りや家事援助サービスがあるところなどさまざまで、初期費用は数十万円程度。月額利用料も高くて15万円ほどと、比較的リーズナブルです。ただし、現在は「高齢者住まい法」の改正により、サ高住への登録切り替えが進められています。

60歳以上が入居対象で、民間事業者や公団により設置・運営され、都道府県単位で認定する「高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)」も同様です。バリアフリーで緊急時対応・安否確認サービスがあり、月額費用も高専賃と変わらない水準。世帯収入が一定以下の場合は国や自治体などから家賃補助を受けられます。ところが高専賃と同様、サ高住への登録切り替えが行われています。今後、シニア向け賃貸住宅はサ高住に一本化されるというわけです。
 

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所有権のある「シニア向け分譲マンション」

サ高住が賃貸物件であるのに対して、シニア向け分譲マンションは高齢者が対象の分譲マンションで、住宅を購入し所有権を持つことになります。よって、売却や譲渡、相続、他の人への賃貸が可能です。基本的に民間事業者により販売・運営されるバリアフリーの住宅で、購入費用は数千万円~数億円。施設スタッフによる見守り、食事や清掃、洗濯、緊急時対応のサービスが提供されますが、これらに応じて月々数万~数十万円の費用がかかります。区分所有と同じですから、修繕積立金や管理費も負担しないといけません。

シニア向け分譲マンションは自立~軽度の要介護者が対象で、認知症には対応しないケースがほとんどです。自己所有なので身体状況によって退去を迫られることはありませんが、重度になると他の施設への転居を余儀なくされることもあります。独自の入居基準を設けている物件もあるので、事前にチェックしておくことが大切です。設備やサービスは充実していますが、購入~ランニングコストは多額で、どちらかというと、富裕層向けの住宅といえるでしょう。
 

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