住宅・不動産
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2020.7.16

【連載#1】多様化する「シニア向け施設」

(写真=ANA Financial Journal 編集部)
(写真=ANA Financial Journal 編集部)
日本は世界に類を見ない超高齢化社会です。社会保障費も増え続けていて、医療や介護の現場は病棟から自宅という流れも顕著。そこで注目されているのが、高齢者を対象とした住まいです。とはいえ、さまざまな種類があり名称も似たようなものばかり……。なかなか区別がつきません。ここでは、そんなシニア向け住宅の種類や違いを整理します。

日本人の4人に1人は65歳以上のシニア!

シニア向け住宅を紹介する前に、我が国における高齢化の実情を振り返ってみましょう。内閣府の「令和元年版高齢社会白書」によると、日本の総人口は2018年10月1日時点で、1億2,644万人。そのうち65歳以上人口は3,558万人となり、総人口に占める割合(高齢化率)は過去最高の28.1%を記録しました。50年には総人口の5%に満たなかったのが、70年に7%を超え、94年には14%を突破、その後も上昇を続け、現在の水準に達しています。いまや、国民の4人に1人はシニアです。

65歳以上人口のうち、65~74歳人口は団塊の世代が高齢期に入った後に16年の1,768万人でピークを迎え、その後は28年まで減少しますが再び増加し、41年の1,715万人で再ピークとなり、その後は減少に転じると推計。一方、75歳以上人口は54年まで増加傾向が続くと見込まれています。こうした状況に伴い高齢化率も上昇の一途をたどり、45年には36.8%に達するとされています。なんと、国民の3人に1人が高齢者になる社会が到来するというのです。

もちろん、いまは65歳以上を高齢者としていますが、実際を見ると元気で働き盛りの方たちもたくさんいます。政府による「1億総活躍社会」の推進により、就労を含めた生活環境は劇的に変わるでしょう。60代だとシニアと呼ばない時代が訪れるかもしれません。医療や介護予防の施策で健康寿命が延びれば、年齢を重ねてもアクティブに過ごせる環境は整っていくでしょう。

一方で注意すべきは、世の中に健康で元気なシニアばかりがあふれているわけではないということです。なかには要介護状態であったり、持病があり周囲のケアがないと生活に不安がある人もいます。あるいは、いまは元気でも将来は不安で、それに備えた暮らしを準備したいというニーズも。現状で40~50代の方であれば自分自身の先行きだけではなく、親のことも考えると、何か手を打っておきたいと考えるのではないでしょうか。
 

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とてもややこしい、日本の高齢者向け住宅の分類

そこで知っておきたいのが、高齢者の多様な暮らし方です。前出の「令和元年版高齢社会白書」の調べでは、60歳以上の男女に現在の住まいの形態を聞いたところ、「持ち家(戸建と分譲マンションなど集合住宅)」が88.2%を占めました。ただし、大都市になるとその割合は79.4%になり、住宅コストの高いエリアでは賃貸住宅に住む高齢者が増えるようです。また、既婚者(配偶者あり)が持ち家に住む割合は91.7%と高い水準である一方、配偶者と離別した既婚者は54.4%、未婚は78.3%と持ち家率は低くなりました。

このように、シニアの住まいは未既婚で大きく変わり、さらに歳を重ねると収入や配偶者の有無で変わることも予想されます。パートナーがいる時は老々介護で暮らすことができても、片方がいなくなるとままならないでしょうし、夫婦が健在でも子どもが遠方に暮らすため日常的なサポートを受けたいなど、家庭ごとのニーズがあるはずです。そして、こうした多様な暮らしを支えるのが、高齢者の暮らしに特化した施設や住宅になります。

皆さんも、「有料老人ホーム」や「サ高住」「特別養護老人ホーム」といった言葉を、一度は耳にしたことがあるのでは?とはいえ、それぞれ何が違うのか。どういったシニア向けなのか……。種類がたくさんあり名称も似ているため、違いや特徴がわからないのではないでしょうか。

たとえば、有料老人ホーム。自立した方、それとも要介護の方、どちらに適しているのか。あるいは、特別養護老人ホームはどういった高齢者のためにあり、認知症高齢者にはどのような住まいが向いているのか。実のところ、目的や状態に応じて変わります。そこで次回からは、親や自分のために今から知っておきたいシニア向け住宅の種類を挙げ、内容を解説していきましょう。
 

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