住宅・不動産
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2020.6.15

いまからはじめる不動産投資。初心者はどんな知識から身につけるべき?

不動産投資をしたいと思っているけれど「何からはじめていいかわからない」という人も多いでしょう。ここでは初心者がまず抑えたい知識である、不動産投資と他の投資との違い、メリット・デメリット、種類ごとの特徴などを解説します。理想的なはじめの一歩を踏み出すためにお役立てください。

そもそも不動産投資における失敗とは?

不動産投資のリターンには、インカムゲイン(家賃収入)とキャピタルゲイン(売却差益)があります。これらを最終的に合算して、トータルで赤字になってしまうことが不動産投資の失敗です。運用中の一時的な収支ではなく、あくまでも売却を含めた最終的な損益で見ることが大切です。

不動産投資の初心者がやりがちな失敗例

不動産投資をはじめようと考えたとき、まずやるべきことは幅広く情報を収集し、基本を知ることです。不動産投資で失敗する人は、この情報収集を怠ったために、悪徳業者の言いなりになってしまったというパターンです。一例では、次のような失敗があります。
  • 周辺相場よりも割高な投資物件を購入してしまった
  • 空室リスクの高い投資物件を購入してしまった
  • 想定していなかった費用が発生し運用できなくなった

不動産投資の情報収集法

不動産投資の情報収集にはいくつかの方法があります。下記の表のようにそれぞれメリット・デメリットがあるため、いくつかを組み合わせて情報収集するのが望ましいでしょう。
 
方法 メリット デメリット
セミナー 現場のリアル情報がわかる 業者のポジショントークも
書籍 情報の信頼性が高い 情報が古いことも
WEB 種類ごとの比較がしやすい 信頼性のない情報も
SNS 投資経験者の生の声が聞ける ウソの情報も混在する

上記のうち、セミナーや書籍は収益物件の種類が絞り込まれていることが多いため(例:一棟物件セミナー、区分物件の本など)、まずはWEBメディアなどを使って幅広く情報収集を行うと効率的かもしれません。その上で気になるテーマを深掘りしていくようなイメージです。

ではこれらの方法を使って、具体的にどんな情報を収集していけばよいのでしょうか。初期段階ではまず、次の3つを知るとよいでしょう。

1. 不動産投資と他の投資との比較
2. 不動産投資のメリット・デメリット
3. 不動産投資の種類ごとの特徴

これらを把握することで、自身のライフプランと不動産投資が合っているのかを確認でき、適切な投資物件を選びやすくなります。ここから先は、さきほど挙げた情報収集すべき3項目について具体的に解説していきます。
 

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不動産投資と他の投資との比較

まず、不動産投資と他の投資との比較ですが、一覧表にすると次のような違いがあります。
 
  リターンの大きさ 金融機関の融資 レバレッジ 運用の手間
株式投資 できない 最大3.3倍 かかる
投資信託 できない かからない
FX できない 最大25倍 かかる
不動産投資 できる 10倍~ かからない

※上記はあくまでも傾向です。選択する商品で変わってきます。

この表をもとに、それぞれの投資のリターンとリスクをさらに詳しく見ていきましょう。

投資商品1:株式投資→ハイリスク・ハイリターン

上場株式への投資はハイリターンです。安定性が高いと言われる大手企業を中心とした日経平均株価でも景気や世界情勢の影響で大きく動くこともあります。さらにマザーズやジャスダックなどのベンチャー企業銘柄は、不祥事や開発頓挫などによって、短期間のうちに大きく目減りすることも珍しくありません。その反面、テンバガーと言われる一定期間のうちに10倍以上の株価に跳ね上がる銘柄もあります。

投資商品2:投資信託→ローリスク・ローリターン

国内・海外の株式や債券などに幅広く投資する投資信託は、一般的にローリスク・ローリターンと言われます。ただし、銘柄によってはハイリターンになることもあります。一例としては、株式市場の値動きよりも大きく変動するブル・ベアファンドなどの高リスク商品では短期で大きなリターンが期待できる一方、高い損失リスクもあります。

投資商品3:FX→ハイリスク・ハイリターン

FXとは、ドル、ユーロ、ポンドなど様々な国の通貨に投資し、売買差益や2国間の金利差によってリターンを得る金融商品です。FXが投資商品の中でも特にハイリターンといわれる理由は、元手の25倍という極めて高いレバレッジ率にあります。少ない元手で大金を動かせる一方、元手を失う、あるいはそれ以上の損失を抱えるリスクもあります。

投資商品4:不動産投資→ローリスク・ローリターン

不動産投資のリターンは、賃料収入と売却差益から生まれます。運用の軸になるのは安定感のある賃料収入で、これは空室にならない限り毎月決まった額が入ってくるためローリスクとされます。ただし、条件によって空室リスクが変わり、都心の好立地物件はローリスク・ローリターン、過疎化が著しい地方物件やテナントビルなどはハイリスク・ハイリターンの傾向があります。

不動産投資は安定的な長期運用をしたい人向き

選択する投資商品によってリスクやリターンは大きく変わってきます。株式投資やFXはハイリスク・ハイリターン、投資信託は選ぶ銘柄によってローリスクまたはハイリスク、そして不動産投資はローリスク・ローリターンです。不動産投資は長期運用を前提に、資産形成をコツコツしていきたい人に向いています。

不動産投資の7大メリット

不動産投資を始める前に抑えたい情報の2つ目は「メリット・デメリット」でした。どちらか一方だけでなく、両方をしっかり把握した上で「不動産投資を本当にやるべきか否か」を考えることが大切です。まずはメリットから見てみましょう。以下のようにまとめられます。
  1. 金融機関から融資を受けられる
  2. レバレッジを効かせやすい
  3. 運用に手間がかからない
  4. 生命保険代わりになる
  5. インフレ対策になる
  6. 景気に左右されにくい
  7. 所得税・相続税を節税できる

不動産投資のメリット1:金融機関から融資を受けられる

数ある投資商品の中で、不動産投資だけが金融機関から融資を受けられます。理由は、土地や建物などには安定した資産価値があるため、貸し倒れとなった場合も回収が可能だからです。金融庁の調査によると、銀行の「投資用不動産向けの融資残高」は累計で30兆円を超えています。金融機関から融資を受けて不動産投資を行うビジネスが大規模な市場であることが分かります。

不動産投資のメリット2:レバレッジを効かせやすい

一般的に、不動産投資の初期投資は「物件価格の1割程度の頭金+諸費用」が相場と言われます。仮に、2,000万円の投資物件を200万円の初期費用で購入すれば、元手の10倍のレバレッジを効かせたということになります。レバレッジといってもFXや株式とは違い、賃料も物件価格も短期間で激しく変動することはありません。比較的リスクの低いかたちでレバレッジを効かせられます。

不動産投資のメリット3:運用に手間がかからない

例えば、株式やFX、あるいは投資信託の高リスク商品は、日々、ボラティリティ(資産価格の変動の激しさを表すパラメーター)が激しく変動しているため、こまめな値動きチェックが欠かせません。これに対して不動産投資は、入居者募集やトラブル対応などの業務を管理会社にアウトソースすれば時間も手間もかかりません。ほったらかしに近いかたちでリターンを得られるため、多忙なビジネスマンでもムリなく運用できます。

不動産投資のメリット4:生命保険代わりになる

投資用の不動産をローンで購入する場合、金融機関から団体信用生命保険への加入が求められます。この保険は、契約者が亡くなったとき、あるいは、病気などで働けなくなったときにローン残債が0円になるというものです。ローン残債がなくなれば、賃料の大半が手元に残るため、個人年金代わりになります。また残債のなくなった収益物件を売却すれば、まとまったお金が入ってくるため生命保険の代わりにもなります。

不動産投資のメリット5:インフレ対策になる

不動産はインフレに強い資産の代表です。インフレ局面では物価が上昇し、所有するお金の価値が下がります。これに対して、不動産は物価が上昇すると、物件価格も賃料も上昇するのが一般的です。

不動産投資のメリット6:景気に左右されにくい

不動産投資の賃料収入は、景気に左右されにくいと言われます。特に都心の好立地物件の賃料は安定感があります。これを示す過去の事例としては、リーマンショック後、オフィス賃料やJ−REIT(日本版不動産投資信託)などが大きく下落したのに対し、都心のワンルームマンションの賃料はほぼ変わらず推移したことが挙げられます。

不動産投資のメリット7:所得税・相続税を節税できる

不動産投資で赤字が発生した場合、その分を給与や他事業の所得と相殺することで、所得税の節税が可能です。特に投資物件の購入直後は諸費用を計上しやすく、実質黒字でも帳簿上では赤字ということもあります。また、資産を現金で持っているより、不動産で所有していたほうが評価額は下がるため、相続税の節税対策にもなります。

不動産投資の魅力は融資を受けられること

不動産投資のメリットは、融資が受けられる、運用に手間がかからない、レバレッジを効かせやすいなどです。中でも大きいのは、融資を受けられることでしょう。株式や投資信託をするためにお金を貸してくれる金融機関はありません。不動産投資だけが唯一お金を貸してもらえます。「融資が受けられるから少ない元手でレバレッジを効かせられる」ことが不動産投資の魅力なのです。

不動産投資の5大デメリット

前章では不動産投資のメリットにフォーカスしましたが、デメリットにも必ず目を向けましょう。主なデメリットは次の5つです。
  1. 初期投資が必要
  2. 空室リスクがある
  3. 天災リスクがある
  4. 賃料下落リスクがある
  5. 固定費がかかる

不動産投資のデメリット1:初期投資が必要

一般的に、投資物件を融資で購入するには、物件価格の1割程度の頭金、初期費用が必要といわれます。もちろん、融資を使わない場合は全額キャッシュが必要です。そのため、「貯金があまりない」あるいは「自由に使える資金がほとんどない」という人に不動産投資はあまり向いていません。

不動産投資のデメリット2:空室リスクがある

不動産投資は、入居者がいれば毎月安定的に賃料が入ってくる一方、空室が発生すれば収入がなくなる空室リスクもあります。特にローンで賃貸物件を購入している場合、毎月の返済額をオーナーが負担することになるので重荷です。空室リスクを回避するには、賃貸ニーズの高い好立地物件を選ぶことがポイントになります。

不動産投資のデメリット3:天災リスクがある

具体的な天災リスクは、火災・地震・水害などです。いずれの天災もあらかじめ保険に入っておけば損害をカバーできます。投資物件の購入時、火災保険の加入は必須です。地震や風水害の保険は、地盤の強さや過去の災害事例などを参考に加入するのがよいでしょう。ただし、地震や水害は単独の保険がないため、火災保険のオプションとして入るのが一般的です。

不動産投資のデメリット4:賃料下落のリスクがある

仮に、インフレがほとんどない経営環境であれば、賃料は築年数と共に下落していくのが普通です。総務省の調査によると、賃貸住宅の経年劣化による家賃の下落率は1%程度とのことです。ただし、この賃料下落を織り込んで経営計画をあらかじめ立てておけば 、賃料下落はリスクにならないでしょう。

不動産投資のデメリット5:固定費がかかる

投資物件を運用するための固定費としては、入居者募集やトラブル対応を管理会社にアウトソースする「管理委託費」がかかります。管理委託費は管理会社によって設定が違いますが、一般的に賃料の5%程度といわれます。合わせて、将来の大規模修繕に備えてプールしておく修繕積立金(賃料の5%など)や固定資産税(減免などがあるため実質上、購入価格の0.5~1%程度)などの固定費もあります。

空室リスクを抑えるには好立地が鍵

不動産投資のデメリットとしては、初期費用が必要、空室リスクや天災リスクがあるなどが挙げられます。中でも警戒すべきは「空室リスク」です。賃料が入ってこなければ経営は成り立ちません。空室リスクを抑えるには、立地がカギになります。たくさんの人が「そこに住みたい」と考える好立地物件を購入すれば、たとえ空室が発生しても次の入居者が決まりやすいので安定経営が可能です。

不動産投資の種類ごとの特徴

同じ不動産投資でも特徴はこんなに違う

不動産投資をはじめる前におさえたい情報の3つめは「投資物件の種類ごとの特徴」です。主な投資物件には、アパート、一棟マンション、区分マンション、戸建て、クラウドファンディングなどがあります。これらの中から、自身が重視することに合う種類を選ぶことが大切です。
 
不動産投資の種類 初期投資 空室リスク 利回り
アパート 多い 高い 高い
一棟マンション 多い ケースバイケース 高い
区分マンション 少ない 低い 低い
戸建て 少ない ケースバイケース 高い
クラウドファンディング 少ない 低い 低い

※上記はあくまでも傾向です。選択する商品で変わってきます。

不動産投資物件の種類1:アパートの特徴

アパート投資は建物を丸ごと建築または購入するため、まとまった初期投資が必要です。とくに土地から仕入れる場合は、初期投資がかさみやすくなります。立地では、最寄り駅から徒歩分数がかかる場所や郊外が目立ちます(もちろん、駅近のアパートも多数あります)。駅から遠い場合、周辺に人が集まる施設がなければ空室リスクが高いのが一般的です。そのため、経験と専門知識が豊富なプロ大家向けの分野といえるでしょう。

不動産投資物件の種類2:一棟マンションの特徴

一棟マンション経営とは、マンションを丸ごと建築または購入することです。郊外型のファミリータイプや単身者向けのワンルームタイプ、DINKS向けのコンパクトタイプなど、タイプによって立地・初期投資・空室リスクなどが変わってきます。いずれにせよ、初期投資額がかさむため、こちらもプロ大家向けの分野でしょう。

不動産投資物件の種類3:戸建ての特徴

これは一軒家を経営するスタイルです。主なターゲットはファミリー層で、一旦入居者が決まると長期入居に発展することが多いといわれます。利用されなくなった中古住宅を利用するケースも多く、特に築古物件は高利回りを狙いやすいとされます。一方、木造物件は修繕やリフォームが発生しやすく、運用コストもかさみます。経験値のある投資家向きといえるでしょう。

不動産投資物件の種類4:区分マンションの特徴

区分マンションとは、マンションの一戸室を経営するスタイルです。一棟マンションと同様にファミリータイプ、ワンルームタイプ、コンパクトタイプなどがあります。 初期投資がアパートや一棟マンションよりも少ないため、はじめて不動産投資をする人や老後資金目的のサラリーマン大家などに人気があります。アパートや一棟マンションと比べると経営効率が悪いため低利回りの傾向ですが、好立地物件が多いため空室リスクが抑えやすいでしょう。

不動産投資物件の種類5:クラウドファンディングの特徴

クラウドファンディング型の不動産投資は、スマホの普及やネットワークの高機能化によって最近になって注目度が高まっている分野です。不特定多数の投資家から調達した資金を元手に不動産を運用し、そのリターンを分配する仕組みで、パソコンやスマホを通して手軽に投資ができるという、他の不動産投資にない魅力があります。

同じように、不特定多数の投資家から資金を集め、不動産の運用を行う仕組みとしてはREIT(不動産投資信託)もあります。ただ換金化のしやすさで、REITは証券市場で売買できる、クラウドファンディングは第三者との相対(1対1)取引になるという違いがあります。また、REITは複数の不動産への投資を証券化した商品、クラウドファンディングは一般的に1物件へ投資する商品という違いもあります。

初心者向きなのは「区分」または「クラウド型」

ここまで見てきたように、一口に不動産投資といっても様々な種類があり、初期投資やリスクが大きく変わってきます。初めて不動産投資をする初心者に向いているのは、初期投資が抑えられ、空室リスクの少ない「区分マンション」または「クラウドファンディング」といえそうです。区分マンションは中古なら数百万円から、新築なら1,000万円台から投資が可能です。クラウドファンディングは1万円など少額から投資できます。

情報収集を充実させ万全のスタートを

大前提として、不動産投資をはじめる時には幅広く情報収集をすることが大切であり、情報収集の第一段階でおさえたい次の3つのことを解説しました。
  1. 不動産投資と他の商品との比較
  2. 不動産投資のメリット・デメリット
  3. 不動産投資の種類ごとの特徴

上記の「不動産投資と他の商品との比較」の部分で注意したいのは、安定的な資産運用を実現するには、分散投資の意識も重要ということです。不動産投資を選択する場合も、他の金融商品を組み合わせて分散投資をするのが賢明です。

そして、初心者向けの不動産投資(初期投資を抑えやすく、空室リスクが少ない)としては、「区分マンション」と「クラウドファンディング」が挙げられます。

とはいえ、区分マンションであれば中古と新築で経営のスキームは変わってきます。またクラウドファンディングといっても運用ジャンル(マンション・ホテル・学校など)でリターンやリスクが変わってきます。さらなる情報収集を行い、万全のスタートが切れる環境を整えましょう。
 

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