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2020.5.19

外貨MMFとは?できる証券会社を比較!

(写真=kan_chana/Shutterstock.com)
(写真=kan_chana/Shutterstock.com)

証券会社の窓口や広告で「外貨建てMMF」という文字を目にする機会が増え、資産運用として広く活用されるようになってきており、様々な金融機関が取り扱いを実施しています。一方で、外貨建てMMFがどのような金融商品で、資産運用に活用するにあたってのメリットやデメリットについては、必ずしも広く情報が共有されているとは言い難いかもしれません。この外貨建てMMFが一体どのような仕組みで、どういった利点があり、どこにリスクが潜在するのかを把握した上で、取り扱う金融機関ごとのサービスを比較できれば、資産運用の新たな手段ともなりえるでしょう。

外貨建てMMFとは?

それでは外貨建てMMFとはいったいどのような金融商品なのでしょうか。MMFとは「Money Market Fund」とそれぞれの単語の頭文字を取った通称です。MMFは、国債や地方自治体などの地方債、各企業が発行する社債などを投資対象としています。投資家から集めた資金を資産運用会社がこれらの国債や地方債、社債に投資し、そこから得られた収益を投資家に還元する投資信託の一種です。投資対象は債券のみで、株式や不動産はその対象に含まれません。
外貨建てという名称通り、運用は米ドルをはじめ、カナダドル、オーストラリアドル、ニュージーランドドル、イギリスポンドといった外貨で発行された債券をそれぞれの通貨で購入し、運用することになります。米ドル建てのMMFであれば、米国の国債や米国各州政府が発行する地方債を購入します。さらに、ここで列挙した先進国通貨に加え、南アフリカランドやトルコリラといった新興国通貨建てのMMFも登場し、外貨のバリエーションが広がっています。
 

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外貨建てMMFのメリット

外貨建てMMFの仕組みについて理解したところで、次にそのメリットについてもみていきましょう。

1.投資対象は高格付けの債券

外貨建てMMFの投資対象は、ムーディーズ、スタンダード&プアーズ、フィッチレーティングリミテッドといった大手格付け会社によって最高位の格付けを与えられた債券が中心となっています。高格付けを得た発行元の政府や地方自治体、企業が破産するリスクは低いため、安定した運用が期待できるというわけです。また、債券の特徴として、株式や不動産よりも相対的にリスクが低いのも特徴として挙げられるでしょう。

2.高利回り

日本ではマイナス金利が導入され、普通預金に資産を預けておいても、付与される金利は0.001%に過ぎません。一方、外貨建てMMFは円預金と比較すると高利回りといえ、例えば米ドル建てのMMFでは、利回りが1%を超えているMMFもあります。また、相対的に金利の高い新興国通貨建てで運用されるMMFの利回りはさらに高く、南アフリカランド建てでは約5%、トルコリラ建てMMFは約8%と高利回りとなっています。外貨での運用は、外貨預金も広く活用されていますが、外貨預金と比べると、外貨建てMMFのほうが幾分利回りは高めに設定されています。

3.為替差益

外貨建てで運用する以上、為替相場の変動の影響を受けます。例えば、1米ドル=100円の際に、米ドル建てMMFに投資し、1米ドル=110円と為替相場が円安になった際に売却すると、10円の利益が生まれます。上述の利回りに加え、為替相場の変動からも利益を得ることが可能です。

4.外貨預金より安い為替手数料

外貨建てMMFの投資を開始するには、外貨に両替する必要があります。同じく両替が必要な外貨預金と比較すると、証券会社などでは外貨建てMMFをスタートする際の両替手数料が外貨預金よりも低く設定されています。例えば、証券会社の1つでは、米ドルの外貨預金の場合、円からドル、さらにドルから円に再両替すると1円80銭の手数料がかかりますが、米ドル建てMMFでは、同様のケースで手数料が50銭で済みます。

5.少額投資

国債や社債を購入する場合には、10万円単位での取り引きが必要な場合があります。一方、外貨建てMMFでは1,000円ほどから取り引きが可能で、少額から気軽にスタートすることができるというわけです。

6.資産保護

外貨建てMMFの投資対象が高格付けでリスクの低い債券であることを知ったうえでも、取り扱う証券会社などの金融機関が破綻した際のリスクが気にかかるところです。同じ外貨でも、外貨預金は預金保険の対象外となり、金融機関が破綻した際には資産は保護されません。一方、外貨建てMMFは金融機関と管理が別となっているため、資産は保全されることになっており、この点もリスク管理上、重要なメリットといえるでしょう。

外貨建てMMFのデメリット(リスク)

外貨建てMMFのメリットについて確認したところで、投資する以上はリスク、あるいはデメリットも存在することを認識しなければなりません。外貨建てMMFの注意点として押さえたいポイントは次の通りです。

1.為替損益

外貨建てMMFのメリット3として挙げた為替相場の動向ですが、円安に振れれば為替差益が期待できるものの、逆に円高に振れてしまうと状況は一転します。例えば、1ドル=100円の際に外貨建てMMFへ投資し、解約する際に1ドル=90円まで円高が進行していれば、10円の損失を被ることになります。為替相場の状況次第で、外貨建てMMFはメリットにもデメリットにもなりうるという点に注意が必要です。

2.元本割れリスク

これまで外貨建てMMFは相対的に安全な投資信託である旨、説明をしてきましたが、投資商品である以上、元本割れという事態に陥ることもあります。歴史を遡ると、リーマンショックが世界を震撼させた2008年、外貨建てMMFの一部で元本割れが発生しました。それは、リーマンンショックを引き起こした投資会社リーマン・ブラザーズの債券がMMFに組み込まれていたためでした。さらに遡ること2001年には、米国のエネルギー卸売会社大手だったエンロン社が破綻した影響から、同じようにMMFにエンロン社の社債を組み入れていたため元本割れの事態となりました。

元本割れリスクを回避するためには、投資する外貨建てMMFがどのような債券を組み入れているかをチェックする必要があります。上記の通り、足元では米ドル建てのMMFは利回りが1%前後となっていますが、この水準よりさらに高いMMFがあれば、利回りの高い債券が組み込まれていることになります。利回りが高いということは必然的にリスクも高まるということを念頭に置かなければなりません。

3.金利変動リスク

外貨建てMMFは円預金などと比較すると、相対的に高い利回りとなっていますが、この利回りが永続的に保障されているというわけではありません。各国中央銀行によって政策金利が引き下げられると、政府や地方自治体、企業による借り入れ利率にも影響を及ぼします。例えば、米国の中央銀行にあたる連邦準備制度理事会(FRB)は2019年に2度にわたり政策金利を引き下げ、現在は1.75-~2.00%の水準となっています。今後、FRBが更なる利下げに踏み切れば、米ドル建てのMMFの利回りも低下することになります。従って、外貨建てMMFに投資する際に、申込時の利回りをあてにしていると、金利が下がった局面で、当初あてにしていたほど収益が得られない可能性があります。一方、政策金利が上がる局面では、当然ながら外貨建てMMFの金利も連動して引きあがる傾向にあるため、メリットにもなりえます。つまり、金利変動のリスクを最小限に抑えるためには、それぞれの中央銀行がどのような金融政策を実施し、金利が上下するのかを注目しておくことも重要となります。

4.管理報酬などのコスト

これまで述べてきたように外貨建てMMFは投資信託の一種です。従って、他の投資信託と同様に運用のプロが投資対象となる国債や地方債、社債を選択して運用を実施していくことになります。当然ながら、こうした運用に対する手数料が発生するので、投資信託の運用及び管理にかかる費用を、管理報酬などとして支払う必要があります。ただし、この費用は投資家が直接支払うのではなく、それぞれの投資家から集められた資金より、支払われることになります。

外貨MMFができる証券会社を比較!

外貨建てMMFの概要を理解したところで、実際にどの証券会社でどのようなサービスを取り扱っているのかが気になるところです。ネット系証券会社と大手証券会社とそれぞれのサービスを比較してみていきましょう。

ネット証券

 
証券会社 SBI証券 楽天証券 auカブコム証券 松井証券
取り扱い通貨
  • 米ドル
  • カナダドル
  • オーストラリアドル
  • ニュージーランドドル
  • 南アフリカランド
  • トルコリラ
  • 米ドル
  • カナダドル
  • オーストラリアドル
  • ニュージーランドドル
  • 南アフリカランド
  • トルコリラ
  • 米ドル
  • カナダドル
  • オーストラリアドル
  • ニュージーランドドル
  • 南アフリカランド
  • トルコリラ
  • 米ドル
平均利回り
(米ドル建)
1.224%
1.224% 1.224% 0.98% 1.224%
為替スプレッド(円から米ドルへの両替) 25銭 25銭 20銭 20銭

ネット証券大手の外貨建て取り扱いを比較してみると、取扱通貨、利回り、為替手数料にそれぞれ差がみられることが図からも読み取れます。外貨建てMMFの種類では、米ドル、カナダドル、オーストラリアドル、ニュージーランドドル、南アフリカランド、トルコリラの6種類を扱っているのがSBI証券、楽天証券、auカブコム証券です。同じ米ドル建てのMMFでも、運用する会社が異なれば利回りも異なり、auカブコム証券の米ドル建てMMFの利回りが他の3社とは異なります。ネット証券各社がしのぎを削る中、取扱通貨に加えて、他社との差別化を図ろうと、為替スプレッドを引き下げて顧客の取り込みを図ろうとしています。ここで取り上げたauカブコム証券と松井証券は、SBI証券、楽天証券よりも割安な手数料を提供しています。

対面大手証券

証券会社 野村証券 大和証券 みずほ証券 SMBC日興証券
取り扱い通貨
  • 米ドル
  • カナダドル
  • オーストラリアドル
  • 英ポンド
  • ニュージーランドドル
  • 米ドル
  • カナダドル
  • オーストラリアドル
  • ニュージーランドドル
  • 米ドル
  • カナダドル
  • オーストラリアドル
  • カナダドル
  • ニュージーランドドル
  • 米ドル
  • カナダドル
  • オーストラリアドル
  • ニュージーランドドル
平均利回り
(米ドル建)
1.109% 0.986% 1.058% 0.975%
為替スプレッド(円から米ドルへの両替) 50銭(10万米ドル未満)
25銭(10万米ドル以上)
50銭 50銭(10万ドル未満)
25銭(10万米ドル以上50万米ドル未満)
50銭
30銭(優遇レート)

対面大手証券会社における外貨建てMMFの取り扱いは上の図の通りです。大手4社で比較すると、野村証券のみがイギリスポンド建てMMFを扱っており、残りは米ドル、カナダドル、オーストラリアドル、ニュージーランドドル建てMMFの4種類で展開しています。同じ米ドル建てMMFであっても、投資信託の種類が異なるため、平均利回りも各社で差があります。さらに、為替スプレッドに関しては、野村証券とみずほ証券SMBC日興証券は、優遇レートを設置しており、取引額が大きくなれば、手数料も割安になるように設定されています。
 
また、ネット証券と対面大手証券と比較すると、取扱通貨が異なっており、南アフリカランドやトルコリラといった新興国通貨建てのMMFはネット証券でのみの取り扱いです。例えば、SBI証券のランド建てMMFの平均利回りは5.694%と米ドル建てMMFより相対的に高くなっています。また、為替スプレッドに関しては、ネット証券と対面大手証券会社では2倍の開きがあります。対面大手証券では、大口の顧客に対しては優遇レートを設置しており、1,000万円以上の取り引きをする場合は、ネット証券と遜色ない手数料を適用してくれます。ネット証券か対面大手証券会社か選択になれば、希望する通貨、小口投資か大口投資か、手数料を抑えたいのかという点を考慮することになるでしょう。

外貨建てMMFと外貨預金との違い

外貨での運用方法の1つとして外貨建てMMFの仕組みについて理解したところで、より馴染みのある外貨預金とはどのように違うのかという疑問を抱くかもしれません。外貨建てということで両者は類似しているような印象を与えるかもしれませんが、実際には全く異なる投資方法で、両者を比較すると、それぞれのメリット・デメリットがあり、それらを踏まえておくことが大切です。それでは、外貨建てMMFと外貨預金を図で比較してみましょう。
 
  外貨預金 外貨建てMMF
為替スプレッド/為替手数料 円からドル、ドルから円への往復両替手数料2円 為替スプレッド円からドル、ドルから円の往復50銭
保有時のコスト 管理報酬、投資顧問報酬など
利回り 変動(外貨預金)
一定(外貨定期預金)
変動
元本リスク 外貨での元本保証 元本保証なし
資産保護 預金保険の対象外 分別管理により取引証券会社が倒産しても外貨建てMMF資産は保全

外貨預金と外貨建てMMFを比較すると、いくつかの違いを確認することができます。まず、円からそれぞれの外貨に両替する際の手数料についてですが、一般的に、外貨預金をする際の両替手数料の方が、外貨建てMMFの為替スプレッドを上回る傾向にあります。また、外貨預金の場合、ネット銀行と店舗型の銀行で手数料に差が存在します。一般的には前者のネット銀行の方が外貨預金にかかる手数料は割安に設定されています。

次に、保有している際のコストについてですが、外貨預金は円から両替した米ドルなどを通貨として保有するため、特別なコストはかかりません。一方、外貨建てMMFは、投資家から集めた資金をプロが運用する投資信託であるため、管理報酬や投資顧問報酬といったコストがかかります。この内容については、次の項目で詳細に説明します。

気になるパフォーマンスの差についてですが、利回りに関しては、外貨普通預金も外貨建てMMFも金利の変動に連動します。しかし、金利が下がる局面では状況が異なります。例えば、外貨定期預金で1年、2%で申し込みをし、預入期間の1年間に金利が下がれば、外貨建てMMFの利回りも下がるため、この場合は、外貨定期預金で預けたほうがより高いパフォーマンスが期待できるということになります。一方、金利が上がる局面では、外貨普通預金と外貨建てMMFは金利が連動して引き上がる一方、外貨定期預金は預け入れた際の金利が満期まで適用されるため、金利上昇局面においては、パフォーマンスが抑えられてしまいます。

気がかりなリスクについてですが、元本保証は外貨建てMMFが上述の通り債券に投資するため、発行元が破産したり、債務の返済を実施しなかったりすると元本割れするリスクがあります。一方、外貨預金は例えば100ドルを預けると、その100ドルの元本を下回ることはありません。しかし、注意が必要なのが、円に再両替した際です。外貨預金を申し込んだときのレートが1ドル=100円で、外貨預金を解約しドルから円に戻すときのレートが1ドル=90円になっていたとすると、10円の損失が発生し、事実上の元本割れという事態になります。また、預けた資産の保護については、外貨預金は預金保護の対象外となっているため、預け入れた金融機関が破産すれば、外貨預金の資産は投資家に戻ってこないということになります。一方の外貨建てMMFは、取扱をする証券会社とは分別管理のため、その証券会社が倒産したとしても、投資家の外貨建てMMFは保全されます。このように外貨預金、外貨建てMMFそれぞれに特性があるため、それを理解した上でどちらの投資方法が最適かを選択することが重要となります。

外貨建てMMFの取引に掛かるコスト

外貨預金と外貨建てMMFとの比較の項目で取り上げられた保有時のコストについて、外貨建てMMFは投資信託の一種であるため、管理報酬、投資運用報酬、保管報酬などといった手数料がかかります。しかしこれらの手数料は、投資家が直接支払うのではなく、投資家から集められた資金から支払われるため、間接的に負担することになります。米ドル建てのMMFにおける手数料の具体的な負担割合を紹介すると、管理報酬は平均純資産総額に対し年率0.03%、投資運用報酬は、平均純資産総額の残高に応じて0.15~0.09%、保管報酬は平均純資産総額の0.04%となっています。

このほか、外貨建てMMFへの投資によって利益が得られた場合、税負担もすることになります。外貨建てMMFを申込時より、解約時に利益が出ていると、為替差益もふくめ20%の税金が課税されます。また、外貨建てMMFの仕組みで説明した通り、債券投資から利息収入が分配金としてもたらされます。通常、この分配金は再投資されることになりますが、再投資される前に20.315%の税金が差し引かれます。税引き後、再投資が実施されることになります。

資産分散の選択肢として外貨MMFも!

外貨建てMMFと聞いて複雑な金融商品をイメージされる方もまだまだ多いかもしれません。しかし、実際には債券や社債に投資するシンプルな構造となっており、比較的リスクの低い投資方法とされています。ネット証券、大手証券でもさまざまな外貨建てのMMFが取り扱いされているように、投資方法の1つとしても広がりをみせています。

※本記事は2020年3月末現在の情報をもとに制作しております。各金利、手数料、利回り率などは記載内容と異なる場合がありますので、各社公式サイトの最新の情報をご確認ください。
 

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