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2019.5.22

相続は二次相続を見据えた対応を。具体的な注意点は?

(写真=Monkey Business Images/Shutterstock.com)
(写真=Monkey Business Images/Shutterstock.com)
将来起こる相続に対して対策を検討している方も多いと思います。また、既に相続対策が終わっている方もいらっしゃるかもしれません。生前にさまざまな対策を立てておくことは財産を遺す側、受け取る側双方にとってメリットがあります。今回は相続が起きた後の相続、二次相続の注意点や対策などについてお伝えします。

相続対策を終えてひと安心という方へ

ご自身の相続や親御さんの相続について、既に対策が終わっているという場合もあると思います。遺された家族が揉めないような遺産分割対策、受け取る財産が少なくなってしまう相続人がいる場合の遺留分対策、相続税をどのように支払うのかを考える納税資金対策、またその税負担をできるだけ少なくする対策など、生前に行える対策はさまざまです。また事業を行っている場合には、後継者にスムーズな事業の継承をするための対策も必要となってきます。

ここで、あらためて相続対策についての考え方をお伝えします。相続対策というとどうしても「相続税」対策と捉えてしまいますが、まずは相続人同士が財産を巡って争わないよう、財産を円満かつ円滑に「分ける」対策を考える必要があります。たとえ現在は良好な関係だったとしても財産を巡って骨肉の争いが起きてしまう場合もあります。せっかく次世代に財産を遺すことができても、その財産がもとで親族同士が争うことになっては本末転倒なので、財産を遺す側が中心となって遺産分割対策を考えていくことが大切です。

その後に、税負担が大きくなってしまう場合には税軽減対策を考えます。例えば生前贈与や生命保険の活用、不動産の購入、「小規模宅地等の特例」や配偶者の税額軽減の活用などを検討していきます。また、相続財産から相続税を払うのか、相続人の財産で税を負担するのかなどの納税資金対策も併せて考えていきます。

このような対策を生前に立てておけば相続発生後に問題が起こりにくくなりますが、相続対策が終わってひと安心という方も、「二次相続」の対策を講じなければならない場合があります。

二次相続対策は十分だろうか?

二次相続対策が必要なのは、主にご自身や親御さんに配偶者がいるケースです。例えば、ご両親のうち父親の相続対策(一時相続)を考えた場合、極端な例ですが母親に全ての財産を相続させれば、財産の額によっては相続税がかかりません。また法定相続分相当額の範囲内であれば、こちらも母親が相続した財産に相続税はかかりません。これが「配偶者の税額の軽減」です。

また、自宅を母親が相続した場合には、要件を満たせば「小規模宅地等の特例」が活用でき、自宅の土地の評価額を80%も減額することができます。

このような制度を活用することによって、父親の相続だけを見れば全体としての税負担は抑えられ、多くの財産を遺すことができます。ただし、次に母親から子どもなどへの相続が発生した場合には、「配偶者の税額の軽減」は活用できませんし、「小規模宅地等の特例」についても、相続人が生前に母親と同居していたなどの要件を満たさないと活用することができません。

結果、父親の相続時には税負担を少なくできたとしても、母親の相続まで考えると税負担が大きくなってしまい、場合によっては財産を手放さなくてはならない、といったケースも考えられます。

二次相続の具体的な注意点やその対策

では、どのように二次相続について考えていけばよいのでしょうか。あくまでも遺産分割の対策が最優先ですが、上記の例でいうと、父親・母親の相続を一緒に考えていく必要があります。

父親の相続時の遺産分割案と税負担額とを合わせて、母親の相続の際の遺産分割案と税負担額もシミュレーションしていきます。いくつかの案を想定・試算して、どの案が遺産分割対策としてより有効か、一時相続・二次相続を合わせた税負担が少なくできるかなどを検討していきます。

その際に配偶者の税額の軽減をどれくらい活用するのか、「小規模宅地等の特例」は活用すべきなのかということや、先にお伝えした生前贈与や生命保険の活用なども検討し、より円滑にかつ多くの財産を遺せるような案を考えていきます。

このような対策を考える場合には、遺産分割や相続税などさまざまな知識が必要となりますので、専門家の意見や助言を仰ぎながら進めていくとスムーズです。また、上記の例で母親が先に亡くなった場合には試算などの前提が変わってきますので注意が必要です。

このように、二次相続を考える場合には二つの相続を合わせて考慮し、必要に応じて現在考えている相続対策に、次の相続対策を組み合わせて考えてみてはいかがでしょうか。
 

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