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2019.5.14

増税前にキャッシュレスの準備を!「使う人だけ」がトクする時代に

(写真=ivan_kislitsin/Shutterstock.com)
(写真=ivan_kislitsin/Shutterstock.com)
先進国の中でも、いまだに現金主義大国で、キャッシュレス化が進んでいない国として知られる日本。経済産業省の2016年のデータによると、世界の中でキャッシュレス決済比率が最も高いのは韓国で約9割。ついで中国の6割、アメリカとイギリスも約5割となっているのに対し、日本は18.4%に留まります。

最近は日本でも、コンビニや飲食店で「電子マネーが使えます」という表示をよく目にするようになり、キャッシュレス決済も少しずつ浸透してきています。

消費増税も予定され、消費者の負担がさらに増えるのではないかとの懸念も高まっていますが、今からキャッシュレスの波に乗ることで、増税の負担を軽減できるかもしれません。

キャッシュレスの波が到来……その理由は?

クレジットカードやデビッドカードのほか、Suicaや楽天ペイといった電子マネーによるキャッシュレス決済は以前から存在していました。しかし現金決済に比べると、使用頻度はそれほど高くないと言えます。

この現金主義の背景には、4つの理由があると経済産業省は指摘しています。

1つめは、盗難が少なく、現金を落としても返ってくると言われる「治安の良さ」。2つめは、きれいな紙幣が多く、偽札の流通が少ない「現金に対する高い信頼」。3つめは店舗などでの「POS(レジ)の処理が高速かつ正確」であること、4つめは、ATM の利便性が高く「現金の入手が容易」なことです。

これに、キャッシュレス化によるお金の使いすぎやデータを悪用されるリスク、ムダな手数料を嫌う日本人の慎重な「性格」を加えてもよいかもしれません。

ただ、今後を考えると、国としてはキャッシュレス化を進めざるを得ません。その理由の1つはビジネスチャンスです。2020年の東京オリンピック、2025年の大阪万博の際には、キャッシュレスに慣れた外国人客が大勢来日することが予想されます。それまでにキャッシュレス化を進めておくことで、外国人が買い物しやすくなり、経済産業省が試算している、キャッシュレス化が進まないことによる約1.2兆円の損失も回避できるかもしれません。

もう1つの理由は、コスト削減の必要性です。現金の輸送や保管、ATMの運営は人件費を含めコストが年間2兆円かかるとされています。今後少子高齢化や人手不足が進んでいくことを考えると、現金主義は経済の足かせになる可能性が高いのです。

また、国や企業における政策や戦略の合理化を図ることもできます。キャッシュレスで消費者に決済をしてもらうことで、効率よく決済を通じた消費行動や購入内容に関するデータを集めることができるからです。これらをビッグデータとして活用し、今後の政策や企業の商品開発などにも生かせます。

こういったことから、現在政府では、2025年を目処にキャッシュレス決済の比率を4割までに高めるという目標を掲げています。

増税後はキャッシュレス決済で5%オトクに

政府の目標実現に向けた具体的な政策の一つが「消費税増税後のポイント還元」です。

2019年10月から消費税率が8%から10%に引き上げられることになっていますが、これは増税による景気の落ち込みを防ぐために打ち出されました。具体的には、税率引き上げ後、中小小売店などでクレジットカードや電子マネー、QRコードなどのキャッシュレス決済をすると、買い物分の5%がポイントとして還元されます。

この付与にかかる費用は全額国が負担。決済額には上限を設ける方針とのことですが、増税後の9か月間、つまり、2020年7月の東京オリンピック前までの期限付きで実施される予定です。

仮に2万円の買い物をキャッシュレス決済すれば、その5%である1,000円分のポイントが手元に戻ってくることになります。これを毎月繰り返せば、期限内で9,000円分のポイントが貯まる仕組みです。現金をキャッシュレスにしただけで、ちょっとしたフレンチのコースを楽しめることになるのです。

各社が白熱する今こそ活用するチャンス

また、キャッシュレス決済の拡大に向け、企業の競争も激しくなってきました。

2018年12月、スマートフォンを使った電子決済サービス「PayPay(ペイペイ)」は合計100億円を還元するキャンペーンを行ったことでサービス開始から10日間でユーザーが190万人を超えたと推計されています。また、LINE Pay(ラインペイ)を展開するLINEも先月、ユーザーに対し、コンビニエンスストアのファミリーマートで決済した金額の20%を還元するサービスを実施しました。

楽天ペイも頻繁に一定額以上を決済したユーザー向けにポイント付与キャンペーンを行っています。

キャッシュレス化推進の動きに乗って得しよう

いまや、キャッシュレス化は政府の方針であり、消費増税時のポイント還元策をはじめ、今後もさまざまな推進策が打ち出される可能性があります。もちろん、こうした動きに合わせて、各企業も新しいサービスを開発し、顧客拡大のためのキャンペーンを展開するでしょう。

私たち消費者もこうしたキャッシュレス化の動きにうまく乗り、増税後もおトクな生活を実現し、少しでも増税のストレスを緩和していきましょう。
 

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