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2019.5.11

目指すなら夫婦で年収1,000万円、コスパが高い理由とは?

(写真=baranq/Shutterstock.com)
(写真=baranq/Shutterstock.com)
「年収1,000万円」は、世間的には「高収入」といえる金額でしょう。事実、2016年に「年収1,000万円」となった会社員の方は、全会社員のたった3.1%しかいません(国税庁「平成28年分民間給与実態統計調査結果について」より)。

反面、総務省統計局「家計調査(家計収支編) 調査結果」よれば、全共働き世帯の約半数が世帯年収として「年収1,000万円」を実現していることがわかります。
  • ご主人のみが働いて「世帯年収1,000万円」となったAさんご夫婦
  • 共働きで「世帯年収1,000万円」となったBさんご夫婦

どちらも世帯年収は同じですが、税制の面でも、収入源のリスクヘッジという面でも、コストパフォーマンスが高いのは『共働きでの世帯年収1,000万円』になります。

では、実際にどの程度の差が出るのでしょうか。先に挙げたAさんご夫婦、Bさんご夫婦それぞれの場合のシミュレーションを交えながら説明しましょう。

単身で1,000万円稼ぐAさんご夫婦の場合

・所得税
年収 10,000,000 -①
基礎控除額 380,000 -②
給与基礎控除額(収入金額×10%+120万円) 2,200,000 -③
本人負担の社会保険料(料率:14.22%) 1,422,000 -④
課税所得(①-②-③-④) 5,998,000 -⑤
所得税(⑤×20%-427,500) 772,100  
世帯として支払う所得税 772,100  
 
・住民税(東京都世田谷区)
年収 10,000,000 -①
基礎控除額 330,000 -②
給与基礎控除額(収入金額×10%+120万円) 2,200,000 -③
本人負担の社会保険料(料率:14.22%) 1,422,000 -④
課税所得(①-②-③-④) 6,048,000 -⑤
住民税(東京都民税+世田谷区税) 607,200  
世帯として支払う住民税 607,200  

上記より、Aさんご夫婦は所得税と住民税を合わせて、年間1,379,300円の税金を払うことになります。

共働きで1,000万円稼ぐBさんご夫婦の場合

・所得税
  Bさん 奥様  
年収 6,000,000 4,000,000 -①
基礎控除額 380,000 380,000 -②
給与基礎控除額
(収入金額×20%+540,000円)
1,740,000 1,340,000 -③
本人負担の社会保険料
(料率:14.22%)
853,200 568,800 -④
課税所得(①-②-③-④) 3,026,800 1,711,200 -⑤
支払う所得税
(世帯主:⑤×10%-97,500)
(配偶者:⑤×5%)
205,108 85,560  
世帯として支払う所得税 290,668  
 
・住民税(東京都世田谷区)
  Bさん 奥様  
年収 6,000,000 4,000,000 -①
基礎控除額 330,000 330,000 -②
給与基礎控除額
(収入金額×20%+540,000円)
1,740,000 1,340,000 -③
本人負担の社会保険料
(料率:14.22%)
853,200 568,800 -④
課税所得(①-②-③-④) 3,076,800 1,761,200 -⑤
住民税(東京都民税+世田谷区民税) 310,000 178,500  
世帯として支払う住民税 488,500  

Bご夫婦の場合は、お二人合わせての年間の税金支払いが779,168円となります。

このシミュレーション結果から分かるとおり、Aさんのみが働くAご夫婦より共働きのBご夫婦の方が、年間で支払う税金が600,132円も少なくなります。共働きで1,000万円を稼ぐ税制面での一番のメリットは、所得税と住民税が夫婦ともに安くなることです。

Aご夫婦、Bご夫婦ともに、iDeCo(個人型確定拠出年金)に拠出していた場合はどうでしょう。Bさんご夫婦がそろって年間276,000円ずつ拠出していた場合、それぞれの給与所得から276,000円を控除することができ、より節税効果を上げることができます。しかし、Aさんご夫婦の場合は、Aさんの給与所得から控除できるのはAさんが拠出した金額(276,000円)のみのため、思ったよりも節税効果が上がらない可能性があります。

家計のリスクヘッジ面からのメリット

続いて、家計のリスクヘッジという観点から比較してみましょう。年収に関係なく、世帯主単身で稼いでいる家計では世帯主に万が一のことがあった場合、将来の給与収入が途絶えるため、破綻リスクが高くなります。

仮にAさんが今の時点で亡くなった場合、妻は遺族年金として年額で約764,000円、月額約63,000円を受け取ることになります(22歳から60歳までの年収がずっと1,000万円であったと仮定)。しかし収入はこれだけですから、妻が働かない限り、それ以降の生活を支えるのは難しいことがわかります。

共働きのBさんご夫婦の場合、世帯主であるBさんが亡くなると、妻は遺族年金として年額約616,000円、月額約51,000円を受け取ることになります。こちらも遺族年金のみで生活することは難しい金額となりますが、そもそも妻自身に収入があるため生活の立て直しは容易になります。

また、怪我や病気、リストラ等で働けなくなった場合、Aさんご夫婦は収入が全くなくなるため貯金を切り崩して生活をすることになりますが、Bさんご夫婦はどちらかの収入で生活をしながら状況の改善を待つことができます。

世帯主単身であっても共働きであっても、「世帯年収1,000万円」という言葉に違いはありません。しかし、このシミュレーションの結果を見てもわかるとおり、共働きの方が税制面でも、家計のリスクヘッジという面でもメリットが多く、高いコストパフォーマンスが実現できるのではないでしょうか。
 

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