マネー
-
2019.4.18

「ついつい買い過ぎてしまう」心理的な理由とは?

(写真=Africa Studio/Shutterstock.com)
(写真=Africa Studio/Shutterstock.com)
日々のお買い物などで「ついつい買い過ぎてしまった」という経験は誰しもがあるでしょう。予算を決め、買うものも決めたにもかかわらず、いざお店に行くと不必要なものまで買ってしまう……。こうした行動はなぜ起こってしまうのでしょうか?

このような一見非合理的な行動をしてしまう理由をある経済学者が説明し、2017年にノーベル経済学賞を受賞しました。ノーベル賞を受賞した行動経済学の観点から心のクセについて学びましょう。

リチャード・セイラー氏が指摘した「心の財布(メンタルアカウンティング)」

前述のノーベル経済学賞受賞者は、米シカゴ大学の行動経済学者リチャード・セイラー氏です。セイラー氏は、「人間は心の財布を持っているために時に不条理な行動を取ってしまう」と指摘しています。

心の財布とは、「人はお金を個別に管理しがちである」というもの。例えばスーパーでお買い物をする場合、人は無意識に支出を「お米代」や「お肉代」などに分け、それぞれの項目で判断します。それぞれでお得な買い物をしたと考えていても、その総額は予算を大きく超えてしまうケースが出てきます。

心の財布は期間にも影響を及ぼします。例えば無意識に1回の買い物の予算を1万円と設定すると、その1万円さえクリアすれば満足してしまうようになります。結果、買い物に何度も行き、支出総額が大きくなったとしても気づかないといケースです。

この心の財布がついつい買い過ぎてしまう要因のひとつと言えるでしょう。対応策は、支出を細かく項目分けせず、「支出は支出」と大きく捉え包括的に管理することです。また期間も出来るだけ長く捉え、長期的な支出管理を心がけましょう。

注意したい心理的バイアス

行動経済学では、心の財布のような思考の偏りを「バイアス」と呼んでいます。心の財布以外にも気を付けたい心理的バイアスをいくつかご紹介します。

○アンカリング効果
人は最初に与えられた価格を基準に考えてしまうバイアスを持っています。例えば同じ商品であっても、「定価1万円」で販売されているより「3万円→特別価格1万円!」と表示されているほうが、おトクに感じませんか? これをアンカリング効果と呼びます。見かけの価格に騙されず、その商品が本当におトクなのかどうか、一度冷静に判断しましょう。

○サンクコスト
人は支払ったコストがあると、例え回収不能だとしても出来るだけコストを回収したいと考えてしまうバイアスを持っています。この回収不能コストのことをサンクコストと呼びます。

例えば会費制スーパーマーケットの場合、「せっかく会費を払っているのだから利用しないともったいない」という考えが働きがちです。あるいは郊外の家具屋さんで「せっかく交通費を掛けたのだから」と無理に消費行動に移る傾向にあります。

サンクコストは回収不能コストのことで、その後の行動に関わらず返ってくることはありません。出来るだけサンクコストを発生させないように行動することはもちろんですが、仮に発生した後でも合理的な支出を心がけましょう。

計画的な消費行動を

これらの心理的バイアスは人間の直感的な判断でより働きやすいと考えられます。行動経済学ではこの直感的な判断を「ヒューリスティック」と呼びます。

衝動的な支出をするのではなく、計画的な消費計画を立てるとこれらのバイアスの働きを抑えることができます。無駄遣いが多いと感じていらっしゃる方は、次のお買い物からこれらのバイアスに気を付け、一度冷静に考えてから購入を判断してみてください。
 

【おすすめ記事】
「お金持ちは長財布」はもう時代遅れ?
報酬が高額なCEOランキング1位は500億円超えで「貰い過ぎ」と批判
「お金持ち」はどれくらいの所得、資産を持つ人?世間のお金持ち像
所得税の税負担を削減する「減価償却」とは?
年収400万だが親は裕福、一般家庭出身だが年収1200万、選ばれる男はどっち?

関連記事