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2020.9.4

副業で稼ぐサラリーマンの節税方法。法人立ち上げのメリットとタイミング

(写真=polkadot/stock.adobe.com)
(写真=polkadot/stock.adobe.com)
老後資金づくりやキャリアアップのために、副業している(または副業したい)サラリーマンが増えています。一般に社員の副業を認める企業も増えており、政府も働き方改革のなか、副業・兼業をしやすい環境づくりを進めています。ただ、いざ副業で稼いでみると「所得税が高すぎる!」という悩みが出てきます。この税金の悩みを解消する手段が法人化です。副業サラリーマンの法人化のメリットやタイミングなどについて解説します。

なぜ、副業サラリーマンには法人化が重要か

「日本は税金が高い」といわれる理由の1つは、所得や相続金額が増えると税率がアップする累進課税を採用しているからです。特にサラリーマンはもともとの会社員としての収入があるため、副業すると課税所得がふくらみやすいので要注意です。

例えば、サラリーマン収入だけなら所得税率が23%だったのに、副業収入が加わったために所得税率が33%に上がったということもあり得ます。そのため、収入状況によっては法人化したほうがよいケースもあります。その仕組みについて以下で説明していきます。

 

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法人をつくると節税対策になる理由は”税率の違い”

「法人をつくると節税対策になる」ということはよく聞きますが、そのいちばんの理由は、所得がある一定額を超えると、「所得税率よりも法人税率のほうが低くなるから」です。この部分だけで見ると、所得が900万円前後を超えてくると法人立ち上げのタイミングになるという見方もできます。

具体的には、サラリーマンと副業の課税所得が900万円超~1,800万円以下の場合、所得税の税率は33%です。これに対し、法人税は事業収益が800万円超でも税率23.2%と約10%も低くなります。しかも所得税は所得がさらに増えると40%や45%と増えていくのに対し、法人税はどれだけ所得が増えても800万円以下は一律15%または19%、800万円超は一律23.2%(※)というのも魅力です。
※資本金1億円以下の普通法人の場合

そのほか法人化のメリットには、家族を役員や従業員にすることで所得分散しやすくなる、彼らに対して退職金を払えるといったことが挙げられます。加えて、財産の多くを法人所有にすることで、個人が亡くなっても相続税を抑えやすいということもあります。

法人には赤字になっても発生する2大コストがある

ただし、法人には赤字でも発生する定期コストがあります。そのため、この定期コストとメリットを比較して法人化を慎重に判断する必要があります。

法人化すると発生しやすいコストに税理士の報酬があります。もちろん、個人事業主でも税理士に依頼しているなら報酬が発生します。ただ一般的に法人のほうが税務処理に手間がかかるため、報酬が余分にかかりやすいとも考えられます。

このほかにも、法人化するとかかるコストに法人住民税の均等割があります。これは赤字決算でも毎回発生するもので、資本金、従業員数などで額が変わってきます。最低額の目安は7万円程度です。なお、この法人住民税の均等割にあたる税金は個人事業主にはありません。

サラリーマンによる法人立ち上げの注意点

法人化による節税のメリットは魅力です。しかし、そのタイミングは非常に難しいものです。法人化すると赤字になっても発生するコストがあるため、安易な法人立ち上げには注意が必要です。一時的ではなく、長期的に副業収入が得られるときに法人化を検討するのが賢明でしょう。「今期は儲かったけれど、来期以降は分からない」といったケースでは、とりあえず1~2期程度は様子見してから法人化するのも一案です。
 
文・本間 貴志
ビジネス書に特化した編集会社のサラリーマン・ライターを経て、資産運用や税務の分野を専門とするライターとして活動。自身で賃貸物件の経営や、年間で億単位の株式売買も行っている


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