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2020.8.29

【連載#1】富裕層を狙った「巧妙な詐欺」にご用心

(写真=ANA Financial Journal 編集部)
(写真=ANA Financial Journal 編集部)
近年、特殊詐欺の認知件数が増加傾向です。この2年は減ってはいるものの、平成22年以降、お金持ちや高齢者を狙った悪質で巧妙な詐欺事件は増えてきたのが実態です。

警察庁の定義によると「特殊詐欺」とは、被害者に電話をかけるなどして対面することなく信頼させ、指定した預貯金口座への振り込みその他の方法により、不特定多数の者から現金等をだまし取る犯罪の総称。いわゆる「劇場型」と呼ばれるオレオレ詐欺や架空請求詐欺、還付金詐欺など、さまざまな手口があります。

特に最近は、ネットやSNSを使ったオンライン上での詐欺が激増しています。富裕層や高齢者を狙った詐欺には、具体的にどのような事例が3回にわたって紹介していきます。

人気の「ふるさと納税」に目を付けた詐欺グループ

ふるさと納税とは、各自治体のホームページなどからふるさと納税(寄付)をすると、2,000円を超える金額分だけ、翌年の住民税が安くなる制度です。寄付をすると、そのお礼として地域の特産品等がもらえる自治体も多く、納税額が多い人ほど有利な制度となっています。

たとえば20万円のふるさと納税をすると、翌年の住民税が19万8,000円安くなり、実質2,000円の支出で6万円相当の特産品がもらえるところも多く、非常に優遇された制度です。クレジットカード払いのほか、銀行振込、郵便振替などでお金を振り込むことが可能です。

しかし2年ほど前から、ふるさと納税の偽サイトが急増しています。ふるさと納税の偽サイトを制作した関係者へのコンタクトでき、取材をしたところ、非常に巧妙な作りになっていることがわかりました。

「偽サイトを作って運営しているのは、ブランド品格安販売詐欺サイトを運営する人や、迷惑メール業者やワンクリック詐欺業者たち。ふるさと納税のページにある特産品や生産者の写真や紹介文は、自治体のサイトをコピーして使っているから見分けがつきにくいんです。しかも1万円の寄付のところ『30%オフ』と表示されていたりして、通常ではありえないお得感を出しているため、騙される人が多いのです。

各自治体のふるさと納税とは関係のない口座に誘導して振り込ませたり、クレジットカード情報を盗んだりするのが目的ですね。振り込みが完了したら、最後は自治体のホームページや正規サイトのトップページに飛ばし、気づきにくい仕組みにしているところもあります。本当のふるさと納税でも、特産品が送られてくるのがだいぶ時間がたってからということも多いので、騙されたことにすら気づかない人もいますよ」

偽サイトには自治体の住所や連絡先、問い合わせ先がないなど、注意深く見れば不審な点も多々見つかります。さらには、自動翻訳によるおかしな日本語を使っている雑な作りの偽サイトもあるため、怪しい点を見つけたら振り込まないよう注意しましょう。

 

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SNSを利用した悪徳商法に要注意

またFacebookやTwitter、インスタグラムなどのSNS全盛の今、デマなどの間違った情報や、ステルスマーケティングと呼ばれる宣伝記事さえも急速に拡散されることがあります。特にSNS上では「儲かる」「稼げる」といった過激で扇動型の情報があふれ、“SNS型詐欺”と呼ばれる新たな悪質商法が横行し、今まで以上に多くの人が一斉に騙されやすくなっています。最近では、YouTubeまでもが詐欺に悪用されるケースがあります。

Facebookなどでは、副業したい会社員を狙った利殖勧誘があります。たとえば以前には「SNSで『いいね』を押すだけで稼げる」といった広告がありました。これは、「いいね」を1回押すごとに500円の収入がもらえるというもの。業者にメールアドレスを登録すると、情報商材の料金として「最初に2万円払う必要がある」とのこと。「いいね」を1回押せば500円もらえるので、40回で元は取れる計算になります。

ここで実際にこのサービスを利用すると最初のうちは予定した金額が入金されるのですが、今度は「10万以上のコースを受講しないと報酬を受け取れない」とか「1ヵ月で80万円稼げる方法がある」と高額な商材に勧誘。高額な料金を払うと、その後は一切振り込みがなくなり騙されるといった手口が多くみられました。

今では「いいね詐欺」は下火となっていますが、代わりに「LINEスタンプを送るだけ」「インスタグラムで写真をアップするだけ」といったものや、インバウンドに乗じて「自分で撮影した街写真を買い取ります」といった副業に関する利殖詐欺が増えつつあります。

その多くは、最初のうちは報酬をもらえるものの、これは稼げると安心してしまったところで高額なプランに誘導され、まんまと騙されてしまうのです。これは「ポンジスキーム」と呼ばれる、投資詐欺・利殖詐欺の常套手段。昔からある典型的な騙しの手口ですが、リスクが巧みに隠されて見えにくくなっているだけでなく、ますます巧妙化しています。おいしい話には裏があると心してかかるべきです。

 


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