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2020.9.14

好材料・悪材料のニュースが株価に与える影響を解説

(画像=Getty Images)
(画像=Getty Images)
株式に興味を持ってニュースを見るようになると、株価の変動に影響を与える好材料・悪材料という単語を見かけるかもしれません。

たしかに、好材料・悪材料は株価に影響を与えますが、どうして好材料・悪材料が株価に影響を与えるのか説明するのは容易ではありません。

そこで今回は、好材料・悪材料のニュースが株価に影響を与える理由を解説します。

「材料の出尽くし」や「織り込み済み」などの用語も合わせて解説します。

好材料とは

一般的に株価が上昇するニュースのことを好材料と呼びます。別の呼び方として上げ材料・強材料があります。

株価が上昇するニュースはいくつか種類があり、企業の状態や取り扱っている商品の種類によって異なりますが、一般的には下記のようなニュースが好材料とされます。
  • 売上高や利益が増益、最高益を更新した
  • 優良企業の公開買い付けや完全
  • 会社のニュース
  • 別企業との業務提携
  • 新技術の開発に成功
  • 自社株買い
  • 社員のリストラ
どれも企業価値が向上するのに相応しいニュースですが、社員のリストラだけが異彩を放っています。

一見すると、人員削減は企業の経営が悪化している証拠のように思えます。

確かに社員のリストラは悪材料としても捉えられますが、人員削減をした事で企業の収益性が上がり、企業価値が向上するという分析もできます。

過去にも、大規模なリストラを行い人件費などの固定費を削減し、利益率を高めた企業の株価が上昇したケースがあります。

また、自社株買いも株価の好材料となりやすいです。

自社株買いとは、企業が発行した株式をその企業が買い戻すことを指します。

買い戻した株式は消却すると、発行済み株式数を減らし、結果として1株あたりの利益配分を増やし、資産価値を向上できます。

利益配分が増えた株式は人気を集めやすくなるため、需要が高まり、結果として株価が上昇する可能性があるのです。

このように、好材料のニュースは株価を上昇させるきっかけとなります。

悪材料とは

一般的に株価を下げる悪いニュースのことを悪材料と呼びます。別の呼び方では、下げ材料・弱材料があります。

好材料と同様に、株価が下落するニュースにはいくつか種類があり、企業の状態や取り扱っている商品の種類によって異なりますが、一般的には下記のようなニュースが悪材料とされます。
  • 減益や減収といった業績悪化のニュース
  • 会社の信用を損なう(数値の改ざんや違法行為)ニュース
  • 株式の増資や株式分割
  • 新規事業の発表や見直し
どれも企業価値を損ねるニュースです。

特に会社の信用を損なうニュースというのは致命的な問題となりかねません。

例えば、会社の不祥事、粉飾決算、製品の不具合(リコールや賞味期限切れ食品)などは企業が築き上げたブランドイメージを大きく傷つけ、数年から十数年に渡って影響を与えるかもしれません。

また、会社の信用を損なうニュースは事前に察知するのが難しく、優良企業の株価が一夜にして暴落するという可能性もあります。

株式の増資や株式分割は、自社株買いの逆の現象が起きます。

株式の配当金は、発行済み株式数が増えることによって減少していきます。

そのため、株式の資産価値が下落すると判断されやすく、需要が減ってしまい、結果として株価が下落しやすくなります。

新規事業の発表が株価の悪材料となるのは、新規事業に対する不安や、新規事業への投資が企業の負担を増やすのではないかという危惧が含まれています。

特に、海外への進出は同業他社の状況や、進出先の国の経済や政府の対応によって失敗するリスクがあると思ってしまうと、株価に不安の気持ちが反映されます。

このように、悪材料のニュースは株価を下落させるきっかけとなります。

相場全体に影響を与える好材料・悪材料

上記で説明した好材料・悪材料は、個別企業に対するニュースの例になります。

それとは別に市場全体に影響を与える好材料・悪材料というのがあります。

市場全体へ影響を与える好材料を例に上げると以下になります。
  • 円安傾向の為替相場
  • 国際情勢の改善
  • インフレ気味の物価動向
  • 経済指標の向上
  • 金利引き下げなどの金融政策
これらのニュースは市場参加者の心理の買い圧力を高めやすくなります。

つまり、市場全体へ影響を与える好材料は、市場の買い圧力を高める効果があります。

一方で、市場全体へ影響を与える悪材を例に上げると以下になります。
  • 円高傾向の為替相場
  • 国際情勢の悪化
  • デフレ気味の物価動向
  • 経済指標の悪化
  • 台風や地震、伝染病などの自然災害
これらのニュースは市場参加者の心理の売り圧力を高めやすくなります。

つまり、市場全体へ影響を与える悪材料は、市場の売り圧力を高める効果があります。

個別企業の好材料・悪材料が重要視されるタイミング

世界経済は日々目まぐるしく動いており、翌日の市場に向けて各企業は好材料・悪材料を報告します。

株式の長期保有をする投資家ならまだしも、短期売買を繰り返す投資家なら、日々のニュースをしっかりと確認し、好材料・悪材料に目を通すべきです。

一方で、全ての投資家が好材料・悪材料を重要視するタイミングがあります。

それは、決算発表です。年四回行われる決算発表の時期になると、個別企業の好材料・悪材料が大量に発表されるため、株価が動きやすくなります。

相場全体が買い・売り圧力が強まっている状況下でも、決算発表時期になると圧力に反発する動きを見せます。

また、決算発表が終わると圧力が弱まって株価が反転しやすくなるため、目が離せません。

好材料・悪材料のニュースに株価が反応しない理由

様々な要因が重なり、好材料・悪材料のニュースが流れますが、株価が反応しない場合があります。

特に、悪材料のニュースが出たのに、株価が思っていた以上に下落しないというケースは少なくありません。

これは事前に好材料・悪材料を予想して、市場参加者が織り込み済みとしている場合が考えられます。

例えば、今期の業績が悪いというのが決算前に既に周知の事実となっていて、専門家やアナリストも警告を発していた場合、市場参加者は決算前に株式を売却します。

そして、決算発表で、業績の減少が専門家やアナリストの予想範囲内だと、それ以上の強い下げ反応は起きにくくなります。

反対に、今期の業績が良いというのが決算前に分かっていて、それが周知の事実となっていて株式が購入されていたのが、決算発表で予想の範囲内だと判明して株価の上昇が止まってしまうということもあり得ます。

どちらも、株価が変動する材料が出尽くしたと判断され、株価が反転する可能性もあります。

これを「材料出尽くし」や「織り込み済み」と呼びます。

個別企業の好材料・悪材料は短期、相場の好材料・悪材料は長期

株価は需要と供給のバランスによって上下します。

このバランスは人気とブームと表現されることがあります。

人気とは、個別企業に対する市場参加者の評価です。

好材料・悪材料のニュースが発表されると、途端に人気を獲得したり、あるいは人気を落とすのに連動して株価が変動します。

人気は一過性の場合が多く、材料が出尽くすと株価が反転しやすいです。

ブームとは、相場に対する市場参加者の評価です。

好材料・悪材料のニュースによって、買いがブームとなり、あるいは売りがブームとなり圧力を高めます。

ブームは長期化しやすく、圧力が弱まるまで時間が掛かります。

重要なのは、個別企業の好材料・悪材料のニュースは短期的な変動で、相場の好材料・悪材料のニュースは長期に渡って影響を与えるという可能性です。

そのため、個別企業の好材料・悪材料に飛びついて売買を決めてしまうと、株価の変動に翻弄される危険があります。

好材料・悪材料だけを根拠に売買をするのは注意しましょう。

まとめ

以上が、好材料・悪材料のニュースが株価に影響を与える理由の解説になります。

株価は需要と供給のバランスによって変動するため、市場参加者の心理が反映されます。

好材料のニュースがあれば上昇するきっかけに、悪材料のニュースがあれば下落するきっかけとなります。

しかし、これらはきっかけの一つに過ぎず、好材料・悪材料があったから必ず変動するとは限りません。

ほかの情報や指標とセットにして分析しましょう。

文・The Motley Fool Japan編集部/The Motley Fool Japan
 


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