マネー
-
2019.4.15

配偶者控除「○○円の壁」さすがに、もう完璧ですよね?

(写真=kan_chana/Shutterstock.com)
(写真=kan_chana/Shutterstock.com)
2017年の税制改正により、配偶者控除および配偶者特別控除の見直しがおこなわれました。これにより妻は収入の上限を気にすることなく働くことができるようになったのでしょうか? 夫が会社員、妻がパートやアルバイトのケースについて解説します。

配偶者控除の基礎知識からおさらい

配偶者控除とは、「所得の低い配偶者がいる人は所得税を安くしてあげましょう」という制度です。よく言われる「○○の壁」とは、配偶者の所得のボーダーラインを指します。妻の年収が壁以下なら、夫は38万円の所得控除を受けることができます。年収800万円程度であれば、節税額は約7万6,000円になります(38万円がそのまま引かれるわけではありません)。

有名な「103万円の壁」は、2018年から「150万円の壁」へ

「○○」に入る金額は、103万円がよく知られています。これは配偶者控除を満額受けるための配偶者の給与所得の上限です。これを超えると夫の所得控除が受けられないため、妻が就労調整をするのはよく見られる光景です。しかし、配偶者の年収が103万円を超えたからといって、いきなり恩恵がゼロになるわけではありません。

収入に応じて段階的に配偶者特別控除が受けられます。収入が高くなるにつれて徐々に控除額が減らされていき、最終的にはなくなります。そして、冒頭でも述べたようにこの配偶者特別控除に改正が加えられたため、103万円の壁は2018年から「150万円の壁」に変わっています。

配偶者特別控除では、配偶者の年収が103万円を超えると段階的に控除額が小さくなる仕組みでしたが、改正後はこの上限額が150万円まで引き上げられました。階段の踊り場がぐっと広くなったといえます。

配偶者特別控除の詳細と「201万円の壁」について

一時期撤廃の議論もあったにしては小幅な改正のような気もしますが、これにより配偶者控除を受けるために月収を約8万5,000円までに抑えていた人は、12万5,000円まで働けることになります。

配偶者の年収が150万円を超えても、201万円までは段階的に配偶者特別控除が受けられます。完全に配偶者控除・配偶者特別控除の適用外になるのは「201万円の壁」です。

さらに「1,220万円の壁」も……納税者本人の年収にも制限が掛かることに

新制度の大きな特徴は、納税者(本記事では夫)の所得制限が設けられたことです。これまでは妻の収入額のみが基準となりましたが、今後は夫の年収も基準となります。

納税者本人の収入は(1)1,120万円以下、(2)1,170万円以下、(3)1,220万円以下、(4)1,220万円超に分けられ、配偶者との組み合わせにより控除額が(1)は3~38万円、(2)は2~26万円、(3)1~13万円のように決められます。年収が1,220万円を超えると、配偶者の年収が150万円以下でも、配偶者控除および配偶者特別控除は完全に適用されません。高収入世帯も等しく恩恵が受けられるのは不公平との観点からです。

納税者本人の給与収入が1,120万円を超えている世帯では、これまで受けられていた所得控除が減額もしくは適用外となり、実質的に増税となります。

配偶者控除以外にも、社会保険の壁、家族手当の壁も

配偶者控除においては、「103万円の壁」は「150万円の壁」に拡大され、納税者本人の「1,120万円の壁」が追加されました。しかし、女性の就労にはまだ税制面以外の壁が存在します。

ひとつは「社会保険上の壁」です。いわゆる「130万円の壁」や「106万円の壁」です。社会保険上の壁を超えると夫の勤務先の健康保険や厚生年金に家族として加入できなくなるため、自身で社会保険に入り保険料を負担しなければならないため、収入が上がったことにより手取りが減ってしまう「働き損」の現象が起こります。

さらに、夫の勤務先から支給される家族手当も、配偶者の収入が一定以下であることが条件であることが多く、妻の年収が増えることによって夫の手取りが減る可能性があります。

このような壁を意識せずに働くためには、配偶者特別控除の限度額201万円以上の年収が必要ですが、家事や家族のケアとどこまで両立できるか、家族で話し合うことが求められます。
 

【おすすめ記事】
「お金持ちは長財布」はもう時代遅れ?
報酬が高額なCEOランキング1位は500億円超えで「貰い過ぎ」と批判
「お金持ち」はどれくらいの所得、資産を持つ人?世間のお金持ち像
所得税の税負担を削減する「減価償却」とは?
年収400万だが親は裕福、一般家庭出身だが年収1200万、選ばれる男はどっち?

NEXT シェアリングエコノミーの拡大で使っていない資産に意外な価値が? PREV お金と時間を捻出する「時短家電」購入のすすめ

関連記事