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2019.4.12

「良い借金」と「悪い借金」 賢者はお金をどう借りる?

(写真=Andrii Yalanskyi/Shutterstock.com)
(写真=Andrii Yalanskyi/Shutterstock.com)
「負債」という言葉にネガティブさを感じ、お金はできるだけ借りたくないと思っている方も多いでしょう。しかし、借金は一概に「悪」とは言えません。

世の中には「良い借金」と「悪い借金」があり、長期的かつ計画的に資産を増やして人生を豊かにできる場合には、逆に借金がおススメになる場面もあるのです。何が分かれ目なのでしょうか。

良い借金は、「投資の観点」と「リターン」がある

まず、住居は価格が最低でも数千万円と決して安くはなく、一生の買い物です。しかし、賃貸でマンションやアパートを借り、毎月の家賃支払いが戻ってこないケースと比較すると、最後には資産が手元に残るため、生涯コストの面において有利であることが多いのです。
もちろん値下がりリスクはありますし、借金の金利負担がある、気軽に住み替えられない、固定資産税の負担がある、維持修理費や火災損害保険が必要、などのリスクやデメリットもあります。

しかし、価値が長期的な上昇を続ける資産形成のためにローンを組むことは、ある意味で「必要かつ前向きなコスト」とも言え、トータルで見た場合には金利負担も含めてコスパの良い借金です。

事実、住宅ローンは低金利である場合が多く、資産形成に向く設計となっています。家族のため、自分のためにポジティブな結果をもたらす借金は人生を豊かにします。

次に、教育費ローンや返済義務のある奨学金には、大きなリターンが望めます。個人差による例外はありますが、独立行政法人の労働政策研究・研修機構が試算した、高卒と大卒の男性社員の平均生涯賃金の比較では、高卒者が4年多く働いているにもかかわらず、大卒者が約6,000万円多く稼ぎ、2割も上回っているのです。

4年間の教育費プラス3~5%の借り入れ利息支払い、家賃や食費などを合計した総額が1,000万円に上ると仮定しても、投資のリターンはたいへん優秀であると言えるでしょう。したがって、学費のローンは良い借金に分類されるのです。

その他にも起業のために銀行から低金利の借り入れを行うことも、良い借金に分類されます。賢者はお金を増やすために、堅実な返済計画をもってお金を借りるのです。

着実な投資の観点があってリターンにも優れたローンには、低金利で長期的に返済できるプランや仕組みが備わっているものが多くあります。そこも、「借金の良し悪し」の判断基準となるでしょう。

悪い借金は、浪費目的や資金繰りを悪化させる存在

では、悪い借金とはどのようなものなのでしょうか。まず、購入時から価値の漸減が始まり、中長期の資産形成にならない衣服やクルマなどの消費を、お金を借りて行うことが挙げられます。そうした借金を、利息の高いクレジットカードのリボ払いなどにすることは、財産を築くスピードをさらに落としてしまうことになります。

こうした消費については、本当にお金を借りる価値があるものか、よく考えてからでも遅くはありません。衣服は華美である必要はなく、クルマは高級車でなくても、生活は回るからです。

ここでポイントとなるのが、家計の余裕です。もし収入や将来に向けた蓄えが十分であるならば、ファッショナブルな服や豪華なクルマのローン購入も悪くはないでしょう。悪い借金かそうでないかは、自由に使えるお金である「フリーキャッシュフロー」によっても決まるのです。

この観点からすると、「良い借金」であるはずのマイホーム購入も、価格や借入額が収入や貯金に対して不相応な場合、「悪い借金」になります。税引き前の月収が30万円であるのに対し、毎月の住宅ローン返済額が15万円に上るのであれば、資金繰りに行き詰りやすくなります。それは、日常生活や他の資産形成を妨げます。

「良い借金」と「悪い借金」は、価値観に依存する部分もあり、一概に言えない場合もありますが、良い借金には投資の観点とリターン、制度上の低金利支援があります。そこを中心に資産計画を見直すことも、また利益に結びつく可能性があります。
 

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