マネー
-
2020.9.5

NYダウ連動ETFで長期投資する場合に下落リスクをヘッジできる株価指数CFD

(画像=Getty Images)
(画像=Getty Images)
コロナショックによって大暴落したNYダウやそれに連動するETFは、暴落後からおよそ50%以上も大きく反転上昇しました。

半値付近まで戻したとはいえ、NYダウ連動ETFは現在の価格水準でも魅力的であり、長期で仕込むのに良いタイミングとして捉えている人も少なくないかもしれません。

しかし、その一方で良いニュースと悪いニュースに翻弄され、上下動を繰り返す相場において、完全に底打ちしたという確信が持てない投資家も多くいます。

もし、現在の価格付近でNYダウ連動ETFを長期保有目的で仕込んだ場合、再度の下落に備えたリスクヘッジのために検討したいのが、今回ご紹介する株価指数CFDです。

ETFと合わせて投資対象として考えておきたい理由について、そのメリットや特徴などとともにお伝えしていきます。

NYダウ相場の現状確認

まずは記事執筆時点(日本時間2020年5月30日の終値)のNYダウの水準を日足チャートで見ていきます。
 
(画像=出典:Trading Viewから筆者作成)


価格水準は暴落後の最安値からちょうど半値付近となる24,000前後で推移するレンジ相場を抜け出して、5月末の終値はフィボナッチの61.80%を少し上回る価格となっています(日本時間2020年5月30日時点)。

暴落後は20,000を大きく割り込んだものの、すぐにその水準に戻してきました。

その後はFRBによる資金供給やワクチン開発で初期臨床試験での好結果といったポジティブなニュースで、あっという間に半値付近となる24,000台に戻してきました。

しかし、コロナウィルスの二次感染の恐れや米中対立激化の再現などのネガティブなニュースが出たりして、相場は上下に振り回される状況が続いてきています。

5月末の価格はフィボナッチの61.80%水準を上抜けしたものの、今後も何かのニュースや指標などで再び振り回される展開も考えられます。

ただし、コロナウィルス関連や米中関係、企業業績の悪化などはかなり市場で織り込まれている点も見逃せません。

また、世界各国の主要都市で外出禁止解除の流れが始まっており、経済活動の再開が相場全体を押し上げていく展開も想定されます。

今年はアメリカ大統領選もありますし、ワクチン開発のニュースなどマーケットを大きく動かす何かしらの要因が出てくる可能性も否定することはできません。

その一方で米中関係のさらなる悪化や世界的なリセッションの可能性など、ネガティブ材料が相場を押さえつける要素も考えられます。

もちろん今後の値動きはだれにも正確には予想できません。

しかし、ここから大きくどちらか一方に傾くエネルギーとなるニュースなどが出ない限り、コロナショック直近高値水準まで一方的に上昇していく展開は想定しにくいといえるかもしれません。

株価指数CFDとは?

ここで簡単に株価指数CFDについてご紹介します。

株価指数CFDのCFDとは、「Contract For Difference」の略称のことで「差金決済取引」を意味しています。

株価指数CFDは2010年に東京金融取引所で上場され、取引対象はNYダウや日経225、FTSE100など各国の代表的な銘柄で構成される株価指数になります。

株価指数CFDはFXのように日本円の証拠金を取引所に預けることで実際の証拠金に対してレバレッジを効かせながらトレードすることができます。

そのため、リスクも大きいですが、資金効率や投資効率に優れています。

また、米国株式や米国株ETFと異なり、ほぼ24時間しかも日本の祝日も含め、いつでも取引することができる金融商品です。

株価指数CFDのメリット

次に株価指数CFDのメリットについてご紹介していきます。

このメリットが後ほどご紹介するように、NYダウ連動ETFと合わせて投資対象と考えられる根拠となってきます。

「売り」からも入れるので下落相場でも取引チャンスになる

株やETFの場合はブルベア型などでもない限り、買いポジションしかとれません。

下落相場がしばらく続くような場合には、損切るか買値付近まで戻ってきてくれるのを待つしかありません。

その点、売りからでも入れる株価指数CFDの場合、下落相場でも利益を伸ばすことが可能になります。

日本円で世界の株価指数に分散投資が可能

東証に上場しているステートストリートなどのETFと同様に日本円で取引ができます。

そのため、いったんポジションを取った後の損益額がわかりやすいというメリットがあります。

また、NYダウに限らず、世界中の代表的な株価指数に分散投資も可能です。

レバレッジ効果で少額取引が可能

取引所に証拠金を入れ、証拠金の何倍もの金額に増やして運用することができます。

このようなレバレッジ効果により、少額でも大きく利益を伸ばすことが可能になります。

しかし、一方で損失もその分だけ大きくなることは注意しておく必要があります。

つまり、ハイリターン・ハイリスクの取引となりますので、株やETFでポジションを保有する場合に比べると、より適切なリスク管理が必要とされるともいえるでしょう。

ただし、取引に必要な資金を少なくできるので、その分だけリスクも小さく抑えることが可能です。

決済期限がないために長期保有が可能

一般的に先物取引では、ポジションを保有してから長いものでも半年以内に決済する必要があります。

その点、株価指数CFDなら決済期限がないので、仮にポジションに一時的な含み損を抱えてポジション保有を継続したいような場合でも、決済に迫られることがありません。

下落がしばらく続くような相場になった場合や、長期でポジション保有したい場合でも問題なく保有継続できます。

配当相当額や金利相当額の受取が可能

株価指数CFDも株やETFと同様に買いポジション保有中に配当があれば、相当額については受け取ることが可能です。

その一方で売りポジションを保有中の場合には金利相当額を受け取ることができます。

しかし、買いポジションの場合には金利相当額の支払いが、売りポジションでは配当相当額の支払いが発生しますので注意が必要です。

証拠金は取引所の保護対象となる

株価指数CFDは証拠金を東京金融取引所に預けて取引します。

預託された証拠金は、万が一同取引所が破綻等になっても全額保護対象となるので安心して取引できます。

「売り」で入れる株価指数CFDのメリットを生かす

お伝えした株価指数CFDのメリットを踏まえ、NYダウ連動ETFを長期で仕込もうと考えている人向けに、株価指数CFDを一種の「リスクヘッジ」のために活用する方法をお伝えします。

売りで入れる株価指数CFDなら、コロナショック後の先が見えない今の相場環境において、万が一下落が始まっても下落相場を取引チャンスに変えることができます。

下落リスクに対してヘッジできる商品にはSPXSなどインバース型のいわゆる「ベア型」ETFもあります。

しかし、CFDの場合はNYダウをはじめ、あらゆる指数に対応できますし、FXのようにより取引の自由度が高い点が魅力です。

まずは以下のNYダウ日足チャートをご覧ください。
 
(画像=出典:Trading Viewから筆者作成)
【NYダウ(DJI)日足チャート(日本時間2020年5月30日の終値)】


この日足チャートではコロナショックで暴落した後の反発で上昇し、その後レンジ相場となっていた価格帯が赤い四角の枠で囲われています。

このチャートは日足ですが、1時間足チャートや15分足チャートで見ると、CFDならレンジ相場の中なかのブルーの丸枠で囲った価格では買いで入っていけました。

また次のレッドの丸枠は、その直近高値をトップとするヘッドアンドショルダーが完成しているのがわかります。

このチャートは日足ですが、1時間足や15分足などの短い時間足チャートを見ていくことで、取引のタイミングをはかることが可能です。

さらに、ブルーの点線はフィボナッチの61.80%抜けから、右側にある親波の戻り高値(78.60%付近の価格帯)にタッチした後、もう一度戻ってきたところを売りで入るシナリオを表しています。

もちろん、このシナリオはあくまでシナリオにすぎませんが、そのような展開になってもいいように常に準備しておくことは重要です。

今後の相場展開次第では、このように反転下落するような場合でも株価指数CFDを活用すれば、ただ相場をじっと見ているだけでなく、取引チャンスにすることができます。

現在の価格水準で仕込んだNYダウ連動ETFが今後、万が一反転して下落し始めてもCFDなら短い時間足でタイミングをはかりながら売りで参入することが可能です。

株価指数CFDの注意点や取引コスト
株価指数CFDを活用する方法をご紹介しましたが、注意点や取引コストも把握したうえで取引していきたいところです。

なお、CFDを取り扱っている会社のほとんどは取引手数料を無料にしていますので、取引手数料については気にする必要はありません。

売りポジションでの配当相当額の支払いに注意

今回紹介しているのは、NYダウ連動ETFを保有している状況で、下がった場合に株価指数CFDによるヘッジ目的で売り玉を仕込む方法です。

メリットでもお伝えしたように株価指数CFDでヘッジ目的とする売り玉を仕込めば、配当相当額の支払いが発生する点には注意が必要です。

ただし、売りポジションで日をまたいだまま翌日まで持ち越すと「オーバーナイト金利」を受け取ることができます。

FX取引をしている人なら、スワップ金利をイメージすればわかりやすいかもしれません。

スプレッドが発生する

NYダウの場合、1回の取引で5ドルほどのスプレッドと呼ばれる手数料がかかります。

頻繁に取引を繰り返すとその都度スプレッドが発生します。

この記事をご覧になっている方の場合、スキャルピングやデイトレのように1日の中で頻繁に取引する人は少数派かもしれません。

従って、それほど気にするコストではないかもしれませんが、覚えておくとよいでしょう。

まとめ

今回はNYダウ連動ETFを仕込む場合を前提に、相場が下落していっても取引チャンスにできる株価指数CFDを活用したトレードアイデアについてお伝えしました。

長期保有を前提とするETFと違って、CFDの場合にはより短い時間軸での売り買いが必要になります。

そのためファンダメンタル分析だけでなく、チャートやローソク足から相場環境を認識するのに必要なテクニカル分析も必要になります。

その点は少し時間と経験が必要ですが、一度習得すれば今後のトレード戦略の幅を広げていくことができるでしょう。

文・The Motley Fool Japan編集部/The Motley Fool Japan



>>その他のおすすめ記事
「年収2,000万円」止まりの人と、その上にいく人の違い
プラチナカードの代表的な特典は?還元率の高さなどメリットも紹介
日系企業と外資企業、年収3,000万超えはどっちが多いのか
「お金は使ってこそ増える」のウソ・ホント
個人事業主ができる「節税対策」6選 法人化という選択肢も?

関連記事