モトリーフール米国本社、2020年1月5日投稿記事より
米国の消費者市場は2020年初頭も引き続き堅調です。
しかし、eコマースは小売業界を大きく変えつつあります。
しかし、そのことは、実店舗ビジネスモデルが完全に不要だということではありません。
競争力のある小売企業とその株は、買いの対象として検討する価値がります。
がらりと変化した小売の世界で成功するために必要な利点を備えた企業は、株主に大きな利益をもたらすことができます。
小売株の中では、TJXカンパニーズ(NYSE:TJX)、ウォルマート(NYSE:WMT)、およびコストコ(NASDAQ:COST)がそれに該当する可能性があります。
1. TJXカンパニーズ
TJXカンパニーズは、優れた小売企業のひとつです。
同社は、TJ Maxx、Marshalls、HomeGoods、HomeSenseを含む格安チェーンを運営しています。
前四半期は既存店売上高4%成長という驚異的な数字を記録し、総売上高は7%、1株当たり利益は8%増加しました。
同社は2018年に6%、2017年に2%、2016年に5%の既存店売上高の伸びを記録しました。
驚くべきことに、同社の既存店売上高は、44年の歴史の中で一度しか減少していません。
同社は、リーマンショックの大不況期にも小売面積を拡大し続けました。
そして、同店の既存店売上高は、2008年に1%、2009年に6%、2010年に4%増加しました。そして総売上高は、それぞれ4%、7%、8%増加しました。
不況時には、人々は出費を抑えますが、衣服や家具はどうしても必要です。
そして、多くの買い物客は、できれば有名ブランドや高品質の商品を購入したいと思っています。
TJXの配当利回りは約1.5%であり、同社は23年連続で配当を引き上げています。
同社の株式はPER24倍で取引されており、配当成長と株価上昇の可能性という魅力的な組み合わせを有しています。
2.ウォルマート
ウォルマートは、誰もが認める小売業界の巨人です。
同社は46年間の年間配当成長率を持ち、株式の配当は現在の株価で約1.8%を生み出します。
そして、なんといっても消費者に人気があります。
以下の表は、2008年1月31日から2011年1月31日までの4会計年度におけるウォルマートの売上と利益のパフォーマンスです。
(画像=The Motley Fool)
2008年1月31日から2011年1月31日までの4年間で、ウォルマートは約17.5%のトータルリターンを達成しました。
しかし、SPDR S&P 500 ETFのトータルリターンは、2008年の市場崩壊と大不況後の経済後、ゼロに近いものでした。
たとえ次の不況に見舞われても、同社にとっては何の問題もないでしょう。
食料品、衣料品、住宅改善用品、車のメンテナンス用品などを買いたいと思っていても、それらはウォルマートですべて買えます。
同社はまた、キャッシングなどの店内金融サービスも提供しています。
さらに、デンタルケアや聴力検査、視力検査などの健康サービスを提供することで、同社の魅力をさらに拡大したいと考えています。
人々のショッピングニーズを1か所に集中させることで、eコマースにも対抗することができます。
そして、ウォルマートは独自のオンライン小売サービスにも力を入れています。
同社は、電子商取引の売上を前年同期比で41%成長させることに成功しました。
堅実なビジネスと素晴らしい配当成長の歴史を持つウォルマートは、小売業界で傑出した存在といえます。
3.コストコ
実店舗を大量に所有する企業は、消費者がeコマースに行かないようにするための大きな魅力が必要です。
倉庫小売大手のコストコは、そのような魅力と、eコマースとの厳しい競争に耐えうるビジネスモデルを持っています。
米国経済の拡大がさらに続くのであれば、コストコにとってはありがたいことです。
そうでない場合、同社はバーゲンなどの対策を取らなければならないでしょう。
リーマンショック時には、消費者は節約に走りましたので、倉庫小売りのコストコの業績は非常に良いものでした。
コストコの顧客は、倉庫で大量に商品を購入することで節約するために、年会費を支払います。
過去10年間の数字は、顧客がコストコでの買い物を好んでいることを証明しています。
北米市場のコストコ会員のほぼ91%が、今年度の第1四半期にコストコのサブスクリプションを更新しました。
同社の既存店舗売上は、第4四半期で5%増加し、昨年度はなんと9%も増加しました。
ウォルマートと同様に、コストコでも買い物客は欲しい商品のほぼすべてを1か所で見つけることができます。
コストコは、食品から家具、衣類に至るまで、社内ブランドの構築にも成功しています。
同社の予想PER35倍という数字は、一見割高に見えるかもしれませんが、これは同社の競争力と長期的な成長が評価された数字ともとれます。
コストコの株式は0.9%の配当利回りを誇り、同社は15年連続で配当を引き上げています。
文・The Motley Fool Japan編集部/The Motley Fool Japan
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