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2020.7.31

【連載#2】超低金利時代の運用術 利回り投資ランキング

(写真=ANA Financial Journal 編集部)
(写真=ANA Financial Journal 編集部)
預貯金でも株式でもない金融商品といえば投資信託(投信)や外国債券(外債)が一般的です。投資信託には分配金を狙う商品と値上がり益を狙う商品がある一方、外国債券の利回りは今年に入って大幅に低下しています。ともに元本が大きく変動するため、投資する際には利回りだけでなく、元本の値上がり・値下がりの可能性を吟味しておきたいものです。

機動的に売買可能。「高配当株ファンド」は、利回り重視の投資家に大人気

日本投資信託協会の調べでは、不特定多数の投資家に販売する公募投信は6,085銘柄(2020年2月末現在)。東証1部上場銘柄の3倍近くあり、証券会社や銀行のベテラン営業担当者さえすべての商品特性を熟知しているわけではありません。

利回り追求型商品では、かつてMMF(マネー・マネジメント・ファンド)や中国(ちゅうこく)ファンドが高い利回りと高い安全性で人気を集めました。しかし日銀のマイナス金利政策で、MMFなどが投資対象としていた短中期国債の利回りが軒並みゼロ近辺に低下したため、2016年までに姿を消しました。

今では投信の分配金利回りで資金を増やすには、元本割れリスクを受け入れて、株式や外国債券といったリスク性商品を組み入れた投信を買うことになります。

利回り重視の投資家に人気なのが日本株に分散投資する高配当株ファンド。日興アセットマネジメントが運用する「上場インデックスファンド日本高配当(東証フォーカス100)」は、株式と同じように東証を通じて売買できる上場投資信託(ETF)です。東証が構成銘柄を選んだ「東証配当フォーカス100指数」に沿ってETFの価格が変動し、元本保証はありませんが、運用の透明性の高い商品です。

東証1部全体に連動する東証株価指数(TOPIX)連動型のETFは、予想分配金利回りが2%台と預貯金や国債を大きく上回ります。こちらも株式を組み入れているため価格は日々変動します。配当利回りは平均的な個別企業の株式と変わりませんが、2,000を超える銘柄に分散投資しているため、株式投信の中では元本の変動リスクは抑えられている部類です。

一方、外国債券は目下のところ投資対象になりにくそうです。日本から最も多くの資金が流入してきた外債は米国の国債です。世界最大の経済規模と最強の軍事力をバックにした安定資産と位置付けられ、世界中から資金を集めてきました。

ところが2020年春先から米国経済の先行きに懸念が生じてきました。景気低迷を阻止するため、中央銀行に当たる連邦準備制度理事会が今年3月に3度にわたる金融緩和を実施し、市場金利を大幅に引き下げたのです。10年物国債の利回りは一時0.6%台と、1年分の利息が一夜の為替変動で簡単に吹き飛ぶ水準に低下しました。昨年3月は2.7%台だったことを考えると投資妙味は急速に薄れたことがわかります。為替手数料を考慮すると、今の米国債は利息収入よりも円安・ドル高による円換算後の元本の増加を狙う商品と言えるでしょう。

南アフリカのランドやトルコ共和国のトルコリラといった新興国通貨建ての債券も発行されています。南アフリカ・ランド建て債券は満期まで3年弱で利回り5%台と、一見すると高いのですが、日本円からの両替手数料が割高なうえ、現地通貨の値下がりリスクもあるので必ずしも有利とはいえません。外貨預金のように現地通貨高による元本の値上がりを見込んで購入するものと考えておくとよいでしょう。

安全性重視の外債投資を考えるなら、世界の金融マーケットが落ち着きを取り戻し、米国債の金利が再び高くなるのを待ってからのほうがよさそうです。
 

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