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2020.7.30

【連載#1】超低金利時代の運用術 利回り投資ランキング

(写真=ANA Financial Journal 編集部)
(写真=ANA Financial Journal 編集部)
株式や投資信託の値上がり益を追って機敏に売り買いする「肉食型」の投資に対して、株式の配当金などをコツコツと積み上げていく「草食型」の投資スタイルがあります。当然、投資の狙いが値上がり益か配当金かで異なれば、銘柄選びや投資のやり方そのものが変わってきます。近年、企業が株主への利益還元を重視する流れが強まり、配当金を目当てとした株式投資の魅力は一段と増しています。

株の配当利回りは大口定期預金の約300倍!

企業は投資家から預かった資金を元手に事業を展開し、利益を配当金という形で株主に還元します。利益が増えれば株価が上がって配当金も増える代わりに、利益が減れば株価が下がったり配当金が減ったりするリスクがあります。

配当利回りは1年分の配当金を株価で割って求めます。1株100円の株式の配当金が5円なら利回りは5%です。注意したいのは配当が実績か予想かです。投資先を選ぶ際の配当利回りは企業が株主に支払った実績配当金ではなく、株主にこれから支払う予想配当金を基に算出するのが暗黙のルールです。

東証1部上場企業の平均配当利回りは2.86%(2020年3月24日現在)。これは大手銀行の大口定期預金の利息(10年満期、年0.01%)や個人向け国債の利息(10年変動金利型、金利の下限は年0.05%)を大きく上回ります。

東証では、大企業が中心の1部市場に2,168社、中堅企業が多い2部市場に486社、新興企業向けのマザーズ市場に321社、ジャスダック市場に705社が上場しています(2020年3月24日現在)。このうち東証1部で配当利回りが3%以上の企業は970社、5%以上でも262社あり、プロでも投資先を選ぶのに迷ってしまうほどです。

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理想的な銘柄は、将来への投資と利益還元に上手に分配している企業

真っ先に選びたくなるのが配当金利回りの高い銘柄でしょう。例えば、日本たばこ産業(JT)は2019年度の配当利回りが8%もあり、誰もが知っている大手企業の中では1、2位を争う高水準です。

しかし、高い配当利回りには高いなりの事情があります。JTの場合は世界的な禁煙拡大が将来の事業リスクとして懸念されています。8%もの高い配当利回りは、6%や7%では株式の買い手はいないが、8%だと買い手が現れて株式の取引が成立することを意味しています。

また、配当金の引き下げリスクもあります。事業が振るわず、会社が当初発表した配当予想を年度途中で下方修正する可能性が増すにつれて株価は先に下落し、予想配当利回り(修正前の予想配当÷株価)が上昇します。

一方、配当利回りの低い銘柄もあります。投資家が毎年の配当よりも将来の企業の成長を先取りしたため、高い株価が付いて利回りが下がるケースです。企業の中には上場直後はあえて株主に配当金を出さず、儲けたお金を設備投資や研究開発など将来の成長に充てるケースが珍しくありません。配当より株価上昇で株主に報いるという考え方です。企業に成長資金を提供した株主にとって、配当金という形で株主にお金を返されるよりも、新商品の開発などに資金を投じて企業を成長させたほうが喜ばしいはずです。

現実的な問題として、配当金を狙って株式投資する際は市場全体の平均を少し上回る程度の利回りの企業を選ぶのが無難です。企業活動で得た利益を将来の業績成長に必要な投資と株主への利益還元の2つに上手に分配している企業です。理想は売上高や利益が増加基調にあって、配当金も無理なく増えている銘柄です。東証1部の配当利回りは2%前後に落ち着くことが多く、2~4%程度が投資先を選ぶ目安となるでしょう。
 

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