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2020.7.18

生まれながらのエリートを育成する 英国の「グラマースクール」とは?

(写真=Iakov Kalinin/stock.adobe.com)
(写真=Iakov Kalinin/stock.adobe.com)
「英国のエリート教育」というと名門私立校が有名ですが、学力の高い子どもだけに入学が許可されている公立の中等教育学校「グラマースクール」も人気があります。無料で高水準な教育を受けさせることができると、子どもの進学を望む親も少なくありません。多数の著名人を輩出していることでも有名です。

無料でエリ―ト教育が受けられる

グラマースクール(Grammar School)の目的は、社会的または経済的背景に関係なく、学術的に優れた生徒に高水準な教育を無料で提供することです。

入学条件は、「イレブンプラス」(11-plus exam)と呼ばれる学力検定で、数学、言語能力、英語の理解力・句読点・文法、創造的作文などで高得点を獲得していること。

元々学力の高い生徒が集まっているため、学力をさらに向上させる教育環境が整っており、全国の学校の成績ランキングである「リーグテーブル」でも、トップクラスとなる傾向が強い点が特徴的です。

人事・グローバルモビリティー関連の情報を発信する「Relocate Magazine」によると、2010年のオックスフォード大学およびケンブリッジ大学の生徒のうち、約1,050人がグラマースクールの卒業生でした。

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サッチャー、ジョン・レノンなど著名人を多数輩出

グラマースクールに進学するもう1つの大きなメリットは、学業だけではなく社会人として成功を収めるうえで必要な、多様なスキルやリソースを得ることができる点です。

これを立証するかのように、ボリス・ジョンソンやマーガレット・サッチャーといった歴代の英国首相から、ジョン・レノンやミック・ジャガー、アンソニー・ホプキンスなど芸術的才能で国際的成功を収めた著名人が、卒業生として名を連ねています。

また著名人以外の卒業生の平均所得も、標準より高いことがロンドン大学教育研究所などの研究で明らかになっています。

入学は狭き門

グラマースクールの歴史は16世紀まで遡りますが、現在知られているグラマースクールの制度は、1944年に教育法に基づいて設立されました。

その後数々の教育改革を経て、グラマースクールの数は著しく減少したものの、現在でも英国に163校、北アイルランドに69校存在します。英国の中等教育学校の数が合計約3,000校であることから、入学のハードルの高さが伺えます。
 
文・Allan
国際コンサル企業などの翻訳業務を経て、ファイナンシャルライターに転身。現在は欧州を基盤に、多数の大手金融メディアで執筆活動中。国際経済から投資、資産運用、FinTech、ビジネス、行動経済学まで、広範囲に渡る「お金の情報」にアンテナを張っている
 

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