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2020.7.2

「自筆」「公正」「秘密」……。それぞれの遺言の違いを説明できますか?

(写真=Fabio Balbi/stock.adobe.com)
(写真=Fabio Balbi/stock.adobe.com)
「署名と押印さえしっかりしておけば、遺言通りに遺産分割されるだろう」と安易に考える人は少なくありません。しかし、遺言書には「自筆」「公正」「秘密」の3つがあり、種類によって作り方も効力も異なります。遺言書について正しい知識を身につけ、将来への備えをすることが大切です。

3種類の遺言書の違いを解説

まず、それぞれの遺言書の作り方や特徴を順番に解説していきます。

自筆証書遺言

遺言者が自分で作成し、保管しておく遺言のことです。基本的に全文を自筆で作成し、署名・押印します。インターネットの無料のテンプレートなどを参考にして作る人がほとんどです。なお、相続法改正(2019年1月施行)によって、財産目録は自筆でなくても認められることとなりました。

公正証書遺言

遺言者が公証役場で遺言の内容を公証人に伝え、公証人のアドバイスを受けながら作成する遺言のことです。公証人に相談できるため、遺言内容を正確に書き記すことができます。また、原本が公証役場に保管されるため、遺言が破棄される心配もありません。

秘密証書遺言

遺言者が作成した遺言に封をして、公証人に提出する遺言のことです。その際2人以上の立会人が必要です。内容は自筆でも、ワープロでもかまいません。
 

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「自筆」「公正」「秘密」のどれを選ぶべき?

自筆証書遺言は、手軽に作れることがメリットです。しかし、内容に不備があると、無効とされてしまうリスクがあります。また、本当に本人が作成したものかどうかを巡って、相続人間で争いになる「争族」に発展することも少なくありません。

一方、公正証書遺言は、専門知識のある公証人に相談しながら作成するため、不備により無効になってしまうということはありません。また、公証役場で保管されるため、確実に遺言が相続人に伝わります。デメリットは、作成に手間がかかることと、数千円から数万円の手数料がかかることです。ただし、デメリットを差し引いても、争族を回避できるメリットは大きいといえるでしょう。

秘密証書遺言は、遺言内容を完全に秘密にすることが可能です。しかし、公証人に提出するものの、公証人が中身を確認することはできないため、不備があれば結局無効になってしまいます。こうした理由から、秘密証書遺言はほとんど利用されていません。

争族の回避が何よりも優先される

「家族仲もいいし、うちに限って相続争いなんて起こるはずがない」と考える人がいます。しかし、年齢を経ると兄弟姉妹の関係性は変わっていきます。争族を回避することは、家族を守ることに直結します。少しの手間を惜しんで、後々大きなトラブルに発展することがないよう、思慮深い判断を下すことが大切です。


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