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2020.6.25

【連載#4】税制優遇を利用した賢い資産の作り方

年間の投資上限や投資期間に制限はあるものの、金融商品の運用で得た利益が非課税扱いになる、一般NISAとつみたてNISA。資産運用のベースとして使うのに向いた制度ですが、その内容が一部変更になる見通しです。ここでは、現時点での内容をお伝えします。

5年間の延長。非課税期間が長くなった

2019年に発表された「令和2年度税制改正大綱」によると、一般NISAとつみたてNISAは、一部ルールが変わる見通しです。大きいのは期間の延長で、双方の制度で5年間延びる見通しです。一般NISAは2023年で制度が終了する予定でしたが、延長することにより、いまから始めても最大600万円の非課税投資枠を存分に使うことができます。つみたてNISAに関しても同様です。

これまで、つみたてNISAなら18年に始めると37年までの20年間に、上限である毎年40万円を使い切れば800万円の運用ができました。ところが、翌年以降に始めると購入できる期間は減りますから、遅く始めた人にとっては不利です。今回のリニューアルに伴い期間が延長したことで、翌年の21年からつみたてNISAを始めても、42年までの22年間で880万円を非課税投資に充てることができます。「いまから始めても遅い」と考えていた人にとっては朗報でしょう。

一般NISAについては、24年から2階建ての「新NISA(仮称)」にリニューアルすることも検討されています。

現状、一般NISAの投資上限は年120万円でしたが、新NISAでは1階部分が年20万円、2階部分は年102万円の投資上限が設けられ、合計で122万円。つまり、一般NISAよりも年2万円、非課税投資期間の5年間をフルに使うと10万円多く投資ができることになります。もちろん、1階、2階それぞれで得た利益が非課税扱いになります。

特徴的なのは、1階と2階で投資できる金融商品が異なることです。前者の投資対象はつみたてNISAと同じ投資信託で、後者は一般NISAで扱っている株式や投資信託などになります。原則的に、1階部分の投資をしないと2階部分の投資はできない見通しです。ただし、2階に到達するのに1階部分の20万円をフルに使う必要はなく、金融機関ごとに定めた最低投資金額の積み立てをすれば要件はクリアされます。

ちなみに、1階部分で運用する投資信託は、5年の非課税投資期間が終わると、つみたてNISAにロールオーバーできる方針です。つまり、両者を合わせると最長で25年間の非課税運用が可能になります。

一般NISAについても、現状は5年間の非課税期間終了後に、翌年の非課税枠に移してさらに5年間運用するロールオーバーが適用されますが、いまの制度は23年までだったので、2019年以降の投資分はロールオーバーできない仕組みでした。ところが制度延長により2023年の投資分までできることに。2018年分までは2回目のロールオーバーができ、最長で15年の非課税運用が可能になります。
 

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ちなみに、NISAには未成年者(0~19歳)を対象に、年間80万円分の非課税投資枠があり、株式・投資信託などの配当・譲渡益などが非課税になる「ジュニアNISA」という制度もあります。未成年や子や孫のために非課税投資をしたい層を狙い16年から始まりましたが、19年末時点の口座数は35万ほどでした。1,176万口座(一般NISA)、188万口座(つみたてNISA)に比べると利用者が少ないこともあり、2023年で終了する予定です。口座内の資金は未成年者が18歳になるまで原則引き出せませんでしたが、2024年以降は非課税でキャッシュアウトできる見通しです。

今回の制度変更で、一般NISA、つみたてNISAともに、より使い勝手に優れた制度になりそうです。国が非課税で投資して良いというなら、使わない手はありません。とりわけ、期間を気にして及び腰になっていた人には、絶好の機会です。利用を検討してはいかがでしょうか。


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