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2020.6.20

【連載#2】税制優遇を利用した賢い資産の作り方

一般的に、株式や投資信託といった金融商品を運用すると、利益に対して20.315%が課税される仕組みです。ところが、同じ株式や投資信託でも税制優遇の「NISA(ニーサ/小額投資非課税制度)」を活用すると、投資による利益は非課税扱いになります。ここでは、具体的な概要やメリット・デメリットを解説します。

幅広い使い方ができる投資の非課税制度

「NISA」は、2014年1月に始まった、少額投資をするための非課税制度です。概要は下記にまとめました。
  • 対象者:日本在住の20歳以上
  • 口座開設可能数:1人1口座
  • 投資可能期間:2014年~2023年
  • 非課税期間:最長5年間
  • 非課税投資枠:新規投資額で毎年上限120万円(15年以前分は年間100万円)
  • 投資対象商品:株式、投信信託など
NISAを始めるには、証券会社や銀行などの金融機関に専用の口座を開きます。その後は、毎年120万円分(15年以前は100万円分)の株式や投資信託などを購入できることになります。各年に買った金融商品を保有している間に得た配当金、値上がり後の売却益(譲渡益)は、購入してから数えて5年間は、課税されません。また、非課税期間は5年間なので、120万円×5年=最大600万円分の非課税投資枠を持つことができます。

少額投資非課税制度という名称と裏腹、かなりのインパクトではないでしょうか。ただし、一度使った非課税投資枠は再利用できません。例えば、ある年の12月までに120万円分の金融商品を買い、20万円分を年内に売却したとしても、追加購入はダメです。使わなかった非課税投資枠を翌年に繰り越すことも不可能です。

投資対象の金融商品ですが、具体的には以下の通りです。

対象の金融商品

国内株、外国株、株式投資信託、国内ETF(上場投資信託)、海外ETF、ETN(上場投資証券)、国内REIT(不動産投信)、海外REIT、新株予約権付社債(ワラント債)

対象外の金融商品

預貯金、債券、非上場株式、公社債投資信託、MMF・MRF、eワラント、上場株価指数先物、FX(外国為替証拠金取引)、金・プラチナなど

投資対象は幅広く、国内外の個別株やETF、REITに投資できるのは魅力的。例えば、リスクを取り値上がり益を狙いたいなら、国内株式や新興国株式、アクティブファンドなどで運用するといったことも可能です。他方、リスクを抑えたいならインデックスファンドやバランスファンドを選ぶなど、自身のニーズに合った使い方ができます。

非課税投資期間の5年が終わると、保有する金融商品は翌年の非課税投資枠にロールオーバー(移す)ことが可能で、一般口座や特定口座といったNISA口座以外の課税口座に移すこともできます。なお、NISAは現状、2023年までの制度なので、金融商品を買い付けることができるのは同年まで。これについては2027年まで非課税で保有することが可能です。
 

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損益通算や損失の繰り越しはできない

このNISA、メリットばかりではありません。NISA口座の開設は1人1口座までです。ただし、新規投資を対象に、開設金融機関を1年単位で変えることはできます。その際、保有している金融商品をNISA口座に移すことは不可能です。金融機関を変えるには、新たな口座開設手続きが必要で、手間もかかります。最初の時点で比較検討しておき、使い続けるほうがラクです。

また、NISAで発生した損益は、一般口座や特定口座といった他の口座と損益通算はできず、損失を翌年以降に繰り越すこともできません。非課税期間内に保有資産が値下がりし、その後に他の口座に移し値上がりした場合は、当初の購入価格と売却価格から見て損失がある状況であっても課税対象になるので、ここも注意したいところです。

さらに、NISAでは多岐にわたる金融商品を扱いますが、実際に購入できるものは金融機関によって異なります。口座開設時に、自分が取引したい商品があるかどうかを確かめましょう。

メリット・デメリットの双方があるものの、NISAはとても使い勝手に優れた制度です。1年の間であれば、1回で上限の120万円分を投資したり、毎月10万円分を買う、もしくは相場をウォッチしながらタイミングを見て30万円分を買うなど、分散して投資することもできます。いつでも払い出し・売却が可能なので、相場状況を見て利益確定すればよく、キャッシュが必要な場合も保有資産を自由に手放すことができます。上限があり、富裕層にとっては物足りないかもしれませんが、非課税のメリットを活かした資産形成をしたいものです。
 

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