モトリーフール米国本社、2019年12月30日投稿記事より
株式市場は2019年、好調に推移しました。
S&P 500は約30%上昇し、1997年以来の最高の上昇率となりました。
FRBによる利下げ、米中貿易問題の緩和など、いくつかの要因が市場を新たな高値に押し上げました。
そこで、ピンタレスト(NYSE:PINS)、バーテックス・ファーマシューティカルズ(NASDAQ:VRTX)、カランプ(NASDAQ:CAMP)、ペロトン・インタラクティブ(NASDAQ:PTON)、エネルギー・トランスファー・パートナーズ(NYSE:ET)を紹介します。
ピンタレスト
「ビジュアル検索エンジン」であるピンタレストは、去年初めにIPOされました。
株価はIPO後に急騰しましたが、この数か月間、他の多くの高成長株とともに大きく下落しましたが、買いのチャンスかもしれません。
ピンタレストは、フェイスブック、スナップ、ツイッターなどの他のソーシャルメディア企業よりもおすすめなのでしょうか?
以下の同社ユーザーの興味深いアンケート結果をご覧ください。
- 91%の人々は、ピンタレストは「ポジティブ感に満ちている」と考えています。
- 89%のユーザーは、サイトをみて「よいヒントを得ることができた」と感じています。
- 米国の母親の80%はユーザーです。
- 米国のミレニアル世代の半分以上が使用しています。
これらの数字は、他のサイトに掲載されている低俗な広告と関連付けられるのを好まない広告主にとっては、非常に魅力的だと思います。
ピンタレストの2019年第3四半期の業績は、同社が新しいユーザーと広告主をひきつけることに成功していることを示しています。
売上高は47%増加して2億8,000万ドルとなり、月間アクティブユーザーは28%増加して3億2,200万人となりました。
私は、次の2つの主な理由により、同社の力強い成長が何年も続くと考えています。
まず、ピンタレストは、海外でユーザーベースを急速に拡大しています。
3億2,200万人のユーザーは大きな数字のように聞こえますが、現在オンラインにいる45億人のユーザーの1割未満にすぎません。
「ピンナー」になることのメリットを多くの人が知るにつれ、ユーザーベースは急速に成長すると思います。
第二に、ピンタレストのユーザー一人あたりの平均売上(ARPU)は、2019年第3四半期においてわずか0.90ドルでした。
同四半期のフェイスブックユーザーは一人当たり7.26ドルの売上があり、ピンタレストが現在の売上高を拡大する余地があることを示唆しいます。
これらの2つの要素を組み合わせると、ピンタレストは今後10年間で売上の拡大を継続する可能性が高いといえます。
バーテックス・ファーマシューティカルズ
高い参入障壁と成長見通しがバーテックス・ファーマシューティカルズが市場で最高のバイオテクノロジー株であり、1月におすすめするトップ株の一つだと考える理由です。
バーテックスの背後にある強みは、希少遺伝疾患である嚢胞性線維症(CF)の根本原因の治療における同社の独占です。
予想より数ヶ月早く、2019年10月にFDAがトリカフタを認可してくれたおかげで、バーテックスは現在米国で4つのCF薬を保有することになります。
CFの根本的な原因に対処する薬を保有している会社は他にありません。
最も近い主要なライバルはアッヴィ(NYSE:ABBV)であり、初期の臨床研究で3つのCF薬を研究しています。
しかし、バーテックスはアッヴィよりも断然先行しています。
同社は、他の国でもトリカフタの承認を獲得できるはずです。
仮にそうなるとすれば、バーテックスは今後数年間で対象患者数を50%以上増やす可能性があります。
CF医薬品の急成長により、バーテックスは9月末に40億ドルの手持ち現金を罪が挙げることができました。
そして、パイプラインを拡大するための買収にその現金の一部を当てました。
バーテックスはCRISPRセラピューティクス(NASDAQ:CRSP)と提携して、希少血液疾患のベータサラセミアと鎌状赤血球症を標的とする遺伝子編集療法を開発しています。
また、ここ数か月で2つの大きな買収を行いました。
6月にエクゾニクス・セラピューティクスを2億4500万ドルで買収し、9月にセマ・セラピューティクスを9億5,000万ドルで買収しました。
バーテックスは現在、パイプラインで10の新薬を開発しています。
それらのうち3つはCFをターゲットとしています。
5つは他の希少遺伝疾患をターゲットにしています。
同社はまた、後期段階の臨床試験に進める可能性の高い鎮痛剤を開発しています。
アナリストは、バーテックスが今後5年間で年間30%近く利益を増加させると考えています。
しかし、それは成長の始まりにすぎないかもしれません。
パイプライン候補のいくつかが成功すれば、同社は今後も最高のバイオテクノロジー株になる可能性があります。
カランプ
カランプはIoT銘柄です。モバイルおよび産業用IoTテレマティクスを提供し、クラウドベースのソフトウェアとしてのサービス(SaaS)を提供するカランプは、この1年で多くの問題に直面しました。
たとえば、米中貿易戦争は、テレマティクスセグメントに悪影響を及ぼし、さらに、世界の自動車販売の減速が足かせになっています。
2019年を通じて、カランプはテレマティクスセグメントに対する中国への依存度を大幅に減らしました。
カランプは、2019年初に商品の70%から80%を中国から調達していましたが、その調達を約50%に削減しました。
また、カランプは、最大の顧客である重機メーカーのキャタピラー(NYSE:CAT)が、3GからLTE接続にアップグレードしようとしています。
こういった顧客からの新規注文により、カランプは強い増収に転じるでしょう。
しかし、最大の注目点は、カランプがSaaSにシフトしていることです。
直近の四半期では、SaaSの売上高が前年比で67%増加し、クラウドベースのソフトウェアが総売上高の35%を占めるようになりました。
サブスクリプションの売上高は見通しをつけやすく、業績のデコボコを解消するのに役立ちます。
過去2年間で60%以上の株価が下落しましたが、カランプは業績回復株として検討してみてもよいでしょう。
ペロトン・インタラクティブ
近年、ヘルス関連はひとつのメガトレンドとして位置づけられています。
ペロトン・インタラクティブは、家庭用フィットネス機器を導入することで、より簡単にエクササイズを行えるようにすることを目指しています。
ぺロトンがエアロバイクやトレッドミルに組み込んだテクノロジーを使用すると、どこにいても他のユーザーと直接インタラクティブなエクササイズ体験を楽しむことができます。
ぺロトンは数か月前に上場されたばかりですが、堅調なペースで成長しています。
同社は現在、有料の顧客ベースで約563,000人の加入者を数え、アプリのユーザーは合計会員数を160万人以上に達しています。
同社は、過去12か月で四半期ごとの売上高を2倍にすることができました。なお、同社の顧客保持率は12か月ベースで94%と高い水準を誇ります。
同社ユーザーの機器利用数は増加しており、同社の最新の四半期結果では、前年比で月あたり8.9回から11.7回へ増加しています。
同社は顧客に機器を30日間無料で試用する機会を提供し、その利点を体験してもらいます。
ひとたびぺロトンのインタラクティブプラットフォームを使用すると、通常のフィットネス機器に戻ることは難しいでしょう。
同社は、製品ラインの拡大も目指しています。
エアロバイクで2,245ドル、トレッドミルで4,295ドルという価格があまりにも高いと悪評が立っているため、ペロトンは低価格のトレッドミルとローイングマシンを提供しようとしています。
そうすることで、富裕層のみにサービスを提供するという評判を打ち破ることができます。
そして、ウェアラブルデバイスを持っている人向けのアプリを導入することで、より多くのユーザーをぺロトンプラットフォームに誘導するものと思われます。
ただ、株価が最初の公募価格に設定した一株当たり29ドルを上回っていません(記事執筆時点)。
しかし、同社機器を購入するハイエンドの潜在顧客はまだ数多く存在します。
同社の成長は、富裕層の多くが同社のインタラクティブな体験の利点を理解していることを示しています。
ネットワーク効果が高まるにつれて、ぺロトンは2020年に向けて継続的な成長を遂げる可能性が高いといえます。
エネルギー・トランスファー・パートナーズ
この1年は、エネルギー市場にとって奇妙な年でした。
OPECのような主要な原油生産者が生産量を減らしたため、原油価格は35%以上反発しました。
しかし、平均的な石油株式は、ヴァンガードエナジーETFで測定したところ、5%のリターンしか得られませんでした。
このリターンは、石油だけでなく、S&P 500のリターンをも大幅に下回りました。
エネルギーセクターのいくつかの株価は暴落しましたが、特にパイプライン関連が思わしくなかったといえます。
パイプライン関連株は、利益が順調に成長しているにもかかわらず、約2%下落し、過去3年間で30%も下落しています。
株価が低迷しているにもかかわらず、急速に利益が成長したため、エネルギー・トランスファーは非常に割安なレベルにまで押し下げられました。
エネルギー・トランスファーは現在、PER約8倍で取引されています。
同社は2020年に2桁増益に転じる可能性がありますので、今年の有力な投資対象となると思われます。
文・The Motley Fool Japan編集部/The Motley Fool Japan
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