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2020.5.5

【連載#3】元証券マンが語る!古い常識を捨てて今すぐ我が子に「マネー教育」をするべき理由

前回は、幼少期からお金を使う目的意識を養うことで金融リテラシーが早くから身に付くとお伝えしました。特別な貯金箱を使ったり、絵本を読み聞かせたり、もしくは親子でフリーマーケットに出店・参加するなど、決して難しいことではありません。親御さんが視点を変えることで、日常生活を金銭教育の場に変えられるのです。今回は少しステップアップして、小学校以降の子どもに対するアプローチを金融ジャーナリスト・経済評論家の川口一晃さんにご紹介いただきました。
 

米国では小学生がチャートを学ぶ?

日本にいると信じられないかもしれませんが、米国の小学生は金融の授業で、チャートの見方を学ぶそうです。その年代の子どもが意味を理解できるのか疑問ですが、「むしろ、株価や為替の値動きをビジュアルで捉えるので覚えやすく、いくつもあるパターンから相場予測の素地が磨かれるようです。数字や計算で学ぶより面白く、実は子どもの教育に向いた教材なのです」(川口さん)

こうした土台があるからなのか、米国の子どもたちは投資に対して積極的です。20年前の話ですが、ある投資のオンラインゲームがあり、日本から参加した中学生は約2万人。ところが米国からは100万人超がトライしました。その理由も、日本人は「経済を勉強するきっかけになる」に対して、米国人は「腕試し」だったそう。小学校からの教育が、これほどの差を生み出したのです。

なりたい職業を具体化させると投資感覚が育つ

日本の子どもたちに「将来なりたい職業」を尋ねると、サッカー選手や野球選手といったお馴染みの職業だけではなく、最近はユーチューバーやタレント、さらには先行き不透明な世相を表すのか、公務員も人気なのだとか。どんな職業であれ、夢があるのはいいことです。成長とともに目標が変わることもあるでしょう。もちろん、こういったトピックは海外の若者たちも同様ですが、日本と異なるのは具体的な職業や社会的地位、年収についてまで仲間同士が話し合うことです。

「米国の小中学生は、明確ではなくても就きたい仕事に対して、『どうすればなれるのか』『なった場合のステイタス』『収入』などを、お互いに口にするようです。そうすることで世の中にどういった職業があるのか、どうしたらその職業につけるのかというビジョンが明確になり、仕事とお金が結びつくようになります。目指すべき姿になろうと、金融リテラシーを含め勉強にも一生懸命取り組みます。ところが日本の場合は自身の将来像がおぼろげで、どんな仕事が社会にあり、どれだけ稼げるか知っている子どもは少ないと思います。大学3年生になり、ようやく就職先を意識することも珍しくありません。もっと幼いころから知っておき、友達の間では難しくても親子間で情報を共有できる環境はつくっておくべきです」

親御さんも自分たちが働く業界・業種は詳しくても、ほかの世界はそうでないかもしれません。ですが、いまは子どもが職業体験をできる施設や、幅広い職業を紹介した村上龍氏による『13歳のハローワーク』(幻冬舎)など、仕事と収入を俯瞰できる、生きた教材がたくさんあります。これらを使ってお子さんと一緒に考えていけばいいのです。子どもは知りながら成長し、次いで自分がいつか親になればその子どもや孫にも伝えていくことで、金銭教育のサイクルが形成されていくでしょう。

「仕事選びは投資の目も養います。なりたい職業、入りたい企業が見つかると、自分が就職する時やその先もビジネスは伸びているのかまで予測するのです。これって、個別株の銘柄選びと同じことですよね。目ぼしい会社に入れなかったとしても、伸びそうな上場企業なら、株を買うという手があります。このような目線は、小中学生から仕事の選択を話し合うことで鍛えられるのです」

職業とお金が切っても切れない関係なのは明白です。高収入な仕事に就くのが狭き門なら、必死に勉強するでしょう。これから成長する産業がわかれば、従事しなくても株などを通じて投資することもできます。そんな知識や行動が身に付く環境づくりを心掛けてみましょう。
 

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川口一晃
1986年銀行系証券会社に入社。銀行系投資顧問(現・三菱UFJ国際投信)や三洋投信で11年間ファンドマネージャーを務める。2004年10月に独立してオフィスKAZ 代表取締役に就任。テレビ番組やラジオなどメディア出演歴多数。現在、FM NACK5「お金の世界の歩き方」でパーソナリティを務める。「SMAP×SMAP」では木村拓哉氏とも対談。著書も多い。また、テレビ朝日系ドラマ「アイムホーム」をはじめ、フジテレビの月9のドラマの監修も担当。行動経済学学会会員。
 

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