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2020.5.3

【連載#2】元証券マンが語る!古い常識を捨てて今すぐ我が子に「マネー教育」をするべき理由

欧米に比べて遅れを取っていると言われる、日本の金銭教育。その結果、大人になっても預貯金だけに頼り、大切な資産を十分に活用できない大人がたくさんいるようです。こういった状況を変えるべく、学校やテレビ、雑誌といった各種メディアで金銭教育のカリキュラムが提供されています。ただし、それだけでは十分とは言えず、加えて大切なのは家庭における学びです。では、具体的に幼少期の子どもに何ができるのでしょうか。前回に続き、日本におけるマネー教育の第一人者である、金融ジャーナリスト・経済評論家の川口一晃さんにお聞きしました。
 

4つあるお金の使い道を意識させること

いざ、家庭で幼少期のお子さんに金銭教育をするには、何から始めればいいのでしょうか。川口さんは「まず、お小遣いなどお金を渡す時に、目的意識を持たせることをお勧めします」と答えます。その際には、便利なグッズを使えばいいとか。

「金銭教育が日本より進んでいる米国では、子供向けにブタの貯金箱を使います。ただし、よくある貯金箱とは違っていて、『使う』『貯める』『殖やす』『寄付する』の4部屋があり、それぞれ小銭の投入口が分かれているのが特徴です」(川口さん)

つまり、子どもは貯金箱にお金を入れる時点で、「このお金は何のために貯める・使うのか?」を意識するということ。以下のような考えを養うことができます。

使う(Spend)=消費:欲しいものを買うために貯めるお金。計画を立て、予算通りに何を優先的に買うかを学ぶ。

貯める(Save)=貯蓄:先のことを考えてすぐに使わないお金、消費を我慢して貯めることを学ぶ。

殖やす(Invest)=投資:貯めるの先、お金に働いてもらい資産を殖やすことに回す。

寄付する(Donate)=寄付:寄付することで社会に役立つことを覚える

「4つの部屋にお金を入れることで目的意識が育ち、使い分け方を子どものころから身につけられます。よって、米国では寄付の文化が根付いていますし、単に消費に回すだけではなく貯めたり、殖やしたりといった発想が生まれるのです。このあたりはぜひ見習うべき点でしょう」

親が一緒になりお金の流れを学ぶ

どうすればお金が手に入り、どのように使っていけばいいかは、日常でも学ぶことができます。たとえば、米国では週末になると家庭の不用品やハンドメイドの作品を庭先などで売るガレッジセールやフリーマーケットに家族で参加することは珍しくありません。

「そうすることで、物には価値があり、価値に見合った価格で売れることがわかります。お子さんと一緒に値付けをすれば、適切な金銭感覚が身につくでしょう。また、こういった場では子どもが描いた絵を1ドルくらいで売っていることも。大人が買うのはボランティアや寄付的な意味合いだけではなく、『大作家になるかも?』という投資目線があるかもしれません。子どもはそういう親の姿を見習うはずです。日本でもフリーマーケットは一般化していますから、親子で出店したり、買い物に出かけたりしてはいかがでしょうか」

小さなお子さん相手なら、絵本で経済を学ぶ手もあります。良書として川口さんがピックアップするのは『レモンをお金にかえる法』(河出書房新社)という作品です。これは、米国出身のアームストロング・ルイズとビル・バッソによる経済学を易しく学ぶための絵本で、日本語訳も出版されています。

「ある女の子がレモネード店を開店することに始まり、市場価格や初期投資、ライバルの登場による価格競争、さらには労働者の不満に発するボイコットやストライキなど、ユニークなストーリーとイラストを通じて、自然と経済学を学んでいるという内容です」

幼少期の子どもの金銭感覚は、真っ白いキャンバスのようなもの。実際の使い方やお金の流れを見せるほか、絵本などわかりやすい投資教材を使うことで、将来に役立つ知識が育っていくのです。
 

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川口一晃さん
1986年銀行系証券会社に入社。銀行系投資顧問(現・三菱UFJ国際投信)や三洋投信で11年間ファンドマネージャーを務める。2004年10月に独立してオフィスKAZ 代表取締役に就任。テレビ番組やラジオなどメディア出演歴多数。現在、FM NACK5「お金の世界の歩き方」でパーソナリティを務める。「SMAP×SMAP」では木村拓哉氏とも対談。著書も多い。また、テレビ朝日系ドラマ「アイムホーム」をはじめ、フジテレビの月9のドラマの監修も担当。行動経済学学会会員。
 

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