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2020.3.20

海外口座は税務署に筒抜け?国税当局が利用するCRS(共通報告基準)の破壊力

(写真=yongheng19962008/Shutterstock.com)
(写真=yongheng19962008/Shutterstock.com)
「国外財産調査制度」で海外資産の報告が義務付けられて5年、真面目に報告する富裕層の少なさに国税当局はいら立ちを募らせています。そこで次に放った矢がCRS(共通報告基準)。各国口座情報へのアクセスが可能になる、当局にとってはまさに魔法の杖です。

海外を利用した課税逃れが横行

2016年、国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が、パナマの法律事務所モサック・フォンセカから流出した21万件におよぶ富裕層のタックス・ヘイブン(租税回避地)を通じた取引電子データ、いわゆる「パナマ文書」を公表しました。

中には、日本人・法人分も400件近く含まれていました。文書に基づき国税当局は、光通信創業者の事案をはじめとする31億円もの申告漏れを明らかにしたとされます。

国税当局は、富裕層による海外取引を利用した課税逃れに頭を痛めており、対策の一環として2014年には「国外財産調査制度」を導入、5,000万円以上の海外金融資産を保有する富裕層に対し報告を義務付けました。

しかしながら報告件数は1万件足らずで、関係者も「提出しない富裕層は非常に多い」としています。

CRSでカネの流れが明るみに

富裕層の海外資産を把握しづらいのは各国共通の悩みです。そこで導入されたのがCRS(共通報告基準)です。CRSとは、金融機関から吸い上げた非居住者の口座情報(氏名・住所・口座残高・利子配当など)を各国が自動的に交換する制度で、参加国は100以上におよびます。

国税当局は、入手した55万件の口座情報をベースに、税務調査を強化する計画です。すでに成果は現れつつあり、2018年7月~2019年6月分の富裕層に対する追徴税額は203億円と過去最高を記録しました。

ちなみに国税当局が問題視しているのは、海外取引による資産隠しや極端な節税スキームです。税法で認められた範囲で適正に節税を講じ、真面目に申告しているのなら、心配する話ではなさそうです。


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