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2020.1.5

「長く働くから収入が上がる」は間違い

(写真=Wisanu Boonrawd/Shutterstock.com)
(写真=Wisanu Boonrawd/Shutterstock.com)
(本記事は、岡崎かつひろ氏の著書『なぜ、あの人は「お金」にも「時間」にも余裕があるのか?』きずな出版の中から一部を抜粋・編集しています)

長く働いている“だけ”の無能は、お金を得られなくなる

私が社会人3年目の頃、不思議に思っていたことがあります。

それは「一生懸命働いているのに、たいして給料が上がっていない」ということでした。

長く働いていれば、その分、給料は上がっていくものと思っていました。しかし、現実はその当時から、労働期間と賃金は比例しない状況が発生していました。

あなたはどうでしょうか?

「真面目に働いていれば賃金が上がっていき、豊かになれるはずだ」と思っていませんか。しかし多くの場合、残念ながらそうはなりません。なぜなら、いつの時代もただ真面目に働いているだけでは、賃金は増えていかないからです。

「いやいや、退職まで収入が上がり続けた時代もあるでしょ?」

と思う方も多いと思いますが、残念ながら勘違いです。

たとえば、あなたが洗濯機を買うとします。

10年前から変わらない性能の洗濯機と、最新機能の洗濯機、どちらを高く買うでしょうか? 当然、最新機能のついた洗濯機のほうが高く買うはずです。

「昔からある」ことよりも、「性能が優秀である」ことのほうが、大事な要素だからです。

これは、経営者にも言えることです。

経営者は働いている人の労働力を買っています。もちろん人間ですから思い入れもあるわけですが、ない袖は振れません。売上が上がって、利益があってこそ、社員に給料を出せるわけです。

世の中では、長く働いていてもリストラされてしまったり、給料がダウンするようなことはいくらでも起きているのです。

つまり長く働くから収入が上がっていたのではなく、長く働いている人のほうが仕事に慣れやすく、結果的に生産性が上がっていたから、収入も上がっていたのです。

だから、長い期間働いている人ほど収入が高くなる傾向にあっただけで、じつは労働期間と収入が比例していたわけではないのです。

●若い人ほど優秀になっていく世の中

では、今後はどうでしょうか?

AIやロボティクスの進化によって、人間よりも優秀な機械がたくさんできてきています。今後、その流れはさらに加速していくでしょう。

Amazonの倉庫の動画をYouTubeで検索して見てみてください。ほとんど手作業がありません。ロボットが必要な仕分けをして、最後のチェックだけ人間がしています。仕分けという「考える」必要がある作業すら、人間の手は必要がなくなりつつあるのです。

身近な話では、現在当たり前のスマートフォンも、10年も前はまだ当たり前でなかったのです。ガラケーが一般的だったのに、気がつけばスマートフォンがない生活など考えられなくなりました。

この流れはどんどん早くなっていきます。

いま若い方も、5~10年もしたら、まったく違う技術の登場により、すぐに昔の人になっていくことでしょう。

そして、いつの時代も最新技術を使いこなすのは若い人です。つまり、どんどんと若い人ほど優秀な世の中になり得る可能性があります。

ブロックチェーンの技術も、概要だけでも知っておくといいでしょう。

仮想通貨のイメージが強いですが、実際には仮想通貨のための技術ではありません。インターネット上に広がる、巨大なデータベースだと考えてもらえば結構です。

この巨大なデータベースの特徴は、機密性と信頼性が非常に高いということです。理論上はデータの改ざんなどは一切できません。

ですから、その信頼のおけるデータを使って契約作業を自動化したり、元データまでさかのぼることができるので、手にした商品の原材料とその作成者まで調べるなんてこともできます。

つまり、いま人の手でおこなわれているかなりの部分の仕事を、ブロックチェーンの技術でまかなうことができてしまうのです。

このように、時代はいままでにないスピードで変化しています。

そのなかで、働き方も考えなければならないのです。

長く働いている=優秀という時代はもう終わっています。長く働いても、優秀にならなければ収入は上がりません。

労働者として働く以上、新しいテクノロジーを使いこなす必要があり続けます。ライバルは若手という時代が到来するのです。

そして、給料は生産性が高い人ほど上がるわけですから、長く働いていても、仕事ができなければ収入が上がることはなくなっていくのです。

働き方を変えないと、私たちの時間は減り続ける

私はその昔、あるパン工場で働いたことがありました。

そのパン工場でやった仕事は、「流れてくるパンをトレーに乗せる」という仕事です。

夜中の10時に始まり、朝の8時まで。その当時の時給で1000円ほど。時給面は当時のわりに悪くはなかったですが、本当に心から思いました。

「二度とやるもんか!」

なぜ?と言われたら簡単。退屈だからです。

ラインに乗って流れてくるパンを、ひたすらトレーに乗せる作業。1時間もすると眠気と戦うことになります。

申し訳ないですが、「これって人間がやることか?」と本気で思いました。どう考えてもロボットにやらせたほうがミスもなく、不平不満も言わないので効果的です。

現在がどうなっているかはわかりませんが、おそらくロボット制御の仕事に変わっているのではないでしょうか。

さて、ここで仮に「ロボットVS人間」の勝負を勃発させてみましょう。

ロボットは昼夜を問わず、いくらでも同じ作業をやり続けます。それに対して人間は、休みを取らなければなりません。ロボットは文句なんて言いませんが、人間は労働環境や条件によって不満が上がってくることがあります。

そうすると当然、社長は思います。

「これなら、人間よりもロボットにさせたほうがいい」

さあ、仕事がなくなったら大変です。人間はこれに対抗する必要があります。

選択肢は2つです。

(1)ロボットよりも早く仕事をする
(2)ロボットよりも安く仕事をする

(1)ができればいいのですが、単純労働の世界では現実的ではありません。すると当然(2)を選ぶことになります。ですから時給を下げることになります。

しかし、時給を下げて働いたら生活ができません。長時間労働が必要となります。結果、どんどん自分の時間を失っていくことになるのです。

ベンジャミン・フランクリンは言いました。

「人生でもっとも大事なものは時間である。なぜなら人生は時間でできているからだ」

働き方についても考えないと、時間ばかり浪費してしまうことになってしまいます。

●あなたの仕事がなくなる日は、急に訪れる

これは、パン工場などの単純労働の世界だけで起きていることではありません。

じつは、あなたの職場でもすでに起きていることなのです。

私が会社員の頃にしていた仕事のひとつに、システム導入の仕事がありました。

データ収集を自動化し、そのデータをもとにグラフなどを生成したレポートを作成するツールです。

このシステムを入れると、

・データの収集作業
・データの加工作業
・レポートの作成作業

がなくなります。

企業がシステムを入れる理由は作業の効率化であり、人件費の削減です。

システムを入れても人件費が減らなければ、会社にとってメリットはないわけです。ですから、このシステムを導入したことで、当時あったデータ部という部署は丸ごとなくなることになりました。

このように、システムを導入することで仕事が削減され、あなたの仕事がなくなることは十分起こり得ます。

それだけではありません。

外注といわれる仕事の仕方があります。社内で請け負わず、社外の業者に依頼して仕事を進める方法ですが、なぜそんなことをするのでしょうか?

答えは簡単です。そのほうが安くて正確だからです。

社内の素人スタッフよりも、社外のプロに依頼したほうがいい仕事をすることが増えてきているのです。

営業の専門家、システム構築の専門家、法律の専門家など、いくらでも専門家がいて、外注で仕事を請け負っています。また税務などは、会計システムにより、かなり自動化が進んでいます。社内に会計処理をする部署は不要になってきています。

このように、外注や新しいシステムにより、現在ある仕事はどんどん失われています。

何も考えず、準備もせずにいたら、長時間労働でしか対抗することができなくなり、自分の大切な時間を失っていくことになるのです。

文・ZUU online 編集部/ZUU online
なぜ、あの人は「お金」にも「時間」にも余裕があるのか?
岡崎かつひろ(おかざき・かつひろ)
株式会社DW代表取締役、他2社を有する経営者。ビジネストレーニング事業、業務コンサルティング、小売店支援、飲食店経営、飲食店コンサルティング、旅行事業、会議室事業など多岐に展開する。ソフトバンクBB株式会社入社後、4年で独立。「すべての人の最大限の可能性に貢献すること」を企業理念に精力的に活動する。業種を問わず、どこにいっても通用する一流のビジネスパーソンの育成をテーマに、パーソナルモチベーターとしても活躍。

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