マネー
-
2019.2.25

相続対策に使われる手法・商品3選

(写真=ViewFinder nilsophon / Shutterstock.com)
(写真=ViewFinder nilsophon / Shutterstock.com)

国税庁の「平成29年分の相続税の申告状況について」によると、2017年中に亡くなられた方(被相続人)約134万人のうち、相続税の課税対象になった被相続人の人数は、約11万2,000人でした。

相続税の基礎控除減額を受け、相続対策の必要性を痛感している方も多いでしょう。もちろん、課税対象額の額によって取るべき対策が異なることも事実です。しかし、相続対策はより身近になっています。相続財産別に、税金対策で使われる典型的な商品や仕組みを解説します。

(1) 相続対策は生前贈与の「110万円の基礎控除」を有効活用

相続税の課税対象額が比較的少額な場合には生前贈与が有効です。毎年110万円までの資金移動は非課税で行うことができます。この基礎控除枠を利用することで、課税対象額を減らすことができるのです。それほど手間もかからず、相続税の課税対象額が少ない場合には、非常に効果的な手法といえるでしょう。

一方で、課税対象額が多いと想定される方には不向きの手法です。そもそもの基礎控除枠が小さく、課税対象額が多く残る可能性があります。そのほか、教育資金贈与の特例を活用することも有効です。30歳未満の子供や孫に対する教育資金贈与は1,500万円までが非課税と認められています(2013年4月1日から2019年3月31日までに贈与した分のみ)。生前贈与の活用時には、こちらも併せて検討しましょう。

(2) 相続税の税対策には王道の「生命保険」

相続税の税対策において、生命保険の利用は非常に有効といえます。500万円×法定相続人数分が非課税とされるので、大幅に課税対象額を減額することができます。これは納税資金の確保にも非常に有効といえます。

基本的に相続税は、被相続人の死亡を知った日の翌日から10ヵ月以内に納税を完了する必要があります。仮に、相続財産が不動産ばかりだった場合はどうなるでしょうか。煩雑な手続きを踏んで不動産を売却した後、現金が手に入るまでにはかなりの時間を要します。これでは納付期限までに間に合わない可能性もあります。

つまり、相続税の事前準備は非常に重要なのです。生命保険の活用は、納税資金の事前準備という観点からも非常に有効な手法といえるでしょう。生命保険を活用することは相続争いを避ける観点からも有効です。保険はいわば、宛名付きの定期預金です。資金を渡したい人に、ダイレクトに資金移動ができる点も大きなメリットといえるでしょう。いわゆる「争族」の回避にも役立ちます。

(3) 相続税と贈与税を法人設立で圧縮

相続税の課税対象額が大きい場合、法人設立が有効です。特に、不動産収入がある方は検討する価値があります。法人の仕組みを利用し、資産を移転することにより納税資金の圧縮が可能となります。

個人で不動産収益を手にし続けた場合、相続発生時の資産が増加し、相続税の負担が大きくなってしまいます。収益不動産を法人名義にし、さらに子や孫を役員にすることで、家賃収入を給料として支払うことができます。こうすることで、贈与をおこなわずして財産を移転する効果が望めます。

一方で、法人設立にはハードルがあることも事実です。法人登記の手続きや毎年法人税の納税義務が発生する点はデメリットといえるでしょう。会計処理が発生し、税理士を雇う費用がかかる可能性もあります。法人設立時にはコストと税効果のバランスを考えた判断が必須です。慎重に決断を下すようにしましょう。

相続対策は早めの動き出しが鉄則!不安な点は専門家に相談する

相続対策は、早いタイミングで一度専門家に相談することが重要です。税対策であれば、税理士に相談することが効果的です。相続対策に際しては、煩雑な手続きも多く、戸惑う作業も多いでしょう。現在では、相続アドバイザーや相続プランナーといった職業まで存在します。相続対策に世間の関心が高まっている証拠です。相続税対策は今や人ごとでは済まされません。早めに動き出しで、将来の納付税額を削減できるよう目指しましょう。
 

【おすすめ記事】
「お金持ちは長財布」はもう時代遅れ?
報酬が高額なCEOランキング1位は500億円超えで「貰い過ぎ」と批判
「お金持ち」はどれくらいの所得、資産を持つ人?世間のお金持ち像
所得税の税負担を削減する「減価償却」とは?
年収400万だが親は裕福、一般家庭出身だが年収1200万、選ばれる男はどっち?

関連記事