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2019.12.2

iDeCoとつみたてNISAの違いを徹底比較 2つを併用できるの?

(画像=PIXTA)
(画像=PIXTA)
iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)とつみたてNISAは将来を見越した資産形成に有利な制度として国が主導している。節税効果もあり、うまく使うとかなり得する制度だが、まだまだ国民に浸透しているとは言いがたい。「聞いたことはあるけれど、よく分からない」という人のために、iDeCoとつみたてNISAの違い、メリット・デメリットを比較して解説しよう。

資産運用の目的にあった運用方法を選ぶ

資産運用にあたっては、「資産をつくる目的・理由」を明確にすることが重要だ。なぜなら、投資方法には「長期投資に向いているもの」と「中期投資に向いているもの」がある。たとえば資産をつくる目的が「3年後の進学費用」なら、長期投資に向いた方法は適さないだろう。目的が「老後の資金づくり」なのに、中期投資に向く投資方法を採れば、思ったほど資金が増えないかもしれない。

資産をつくる目的は、人それぞれだ。資産運用を始めるときは、まず目的を明確にすることが大切だ。目的がはっきりしない人は、ライフプランを作ってみるといいだろう。

iDeCoとつみたてNISAを5つの点で比較

iDeCoとつみたてNISAの違いを、「資金の引き出しは自由か」「投資を始められる最低額」「1年間に投資できる額」「投資できる商品」「非課税対象」という観点で比較していこう。

比較その1 資金の引き出しは自由か?

つみたてNISAは自由に資金を引き出せるが、iDeCoは原則60歳になるまで資金を引き出せない。

そう聞くと、つみたてNISAのほうが使い勝手が良いように思える。iDeCoでは、60歳になるまでに急に資金が必要になっても、引き出すことができない。しかし、自由に引き出せると、結局あれこれと使ってしまい、思ったほど資金が貯まらないということもある。このため、「大学資金など中期的な目的」ならつみたてNISA、「老後のための資金づくりなど長期的な目的」ならiDeCoと考えるといいだろう。

先ほどのライフプランで資産をつくる目的を明確にしたら、おのずとどちらが向いているのか分かるはずだ。そのうえで、「いつでも引き出せる資金をどれくらい用意しておけばいいか」も考えて投資をしたい。そうすると、さらに投資効率は高まる。

比較その2 投資を始められる最低額は?

つみたてNISAは最低100円、iDeCoは5,000円から投資を始められる。

あまり投資金額が少ないと運用の効果が見えにくいが、投資初心者は安心して始められるだろう。最初は少額からスタートして、慣れてきたら投資金額を上げていけばいい。

比較その3 1年間に投資できる額は?

1年間に投資できる上限金額は、つみたてNISAで40万円、iDeCoは勤め先など条件によって変わるが、14万4,000円から81万6,000円だ。

期間については、つみたてNISAは最長20年、iDeCoは60歳まで投資できる。

毎月の投資額は変更することができる。上限金額の範囲内なら、つみたてNISAならいつでも、iDeCoでも年に一度、毎月の投資額を変更できる。突然のリストラで収入が減ったときや、予期せぬボーナスをもらえたときでも柔軟に対応できるので安心だ。

中期・長期投資の基本は、「なるべく投資したお金は引き出さない(長く投資する)こと」だ。投資したお金をすぐに引き出さなくてもいいように、家計管理はしっかり行いたい。

NISA比較その4  投資できる商品は?

投資できる商品は、iDeCoなら投資信託や定期預金、生命保険。つみたてNISAは、厳選された投資信託とETF(上場投資信託)だ。つみたてNISAの対象商品は、すべて「金融庁が定める長期・分散投資に適した金融商品」である。

最大の違いは「定期預金などの元本確保型商品の有無」だ。iDeCoにはあるが、つみたてNISAにはない。iDeCoの目的は老後の資産づくりなので、そうした安心感も必要だろう。

iDeCoの対象商品は無数にあるが、つみたてNISAは163本(2019年5月7日時点)のみだ。初心者には、対象商品が少ないつみたてNISAのほうが商品を選びやすいかもしれない。

比較その5 何が非課税対象になるのか?

日本では、すべての利益に対して課税されるのが原則だ。投資をした場合、「運用で得た利益」(運用益)には20%課税される。しかし、iDeCo・つみたてNISAともに、運用益に対して税金がかからない優遇措置がある。

また、iDeCoについては運用益だけでなく、投資金額も全額所得控除の対象だ。さらに、将来運用益を受け取る際も「公的年金等控除」の対象になる。どちらもその分だけ所得税などが安くなる。税の優遇措置なら、iDeCoのほうが有利と言えるだろう。

このように内容に違いはあるが、どちらにも税の優遇措置がある。利用したほうが有利に資産運用を進められるという点は同じだ。ただし、投資額には上限がある。上限まではどちらかで運用し、超えたら普通の資産運用を検討するといいだろう。

iDeCoとつみたてNISAは併用可、NISAとつみたてNISAは併用不可

iDeCoとつみたてNISAは併用できる。iDeCoは“年金”で、つみたてNISAは“投資”。制度と目的が違うので、併用できるのだろう。

つみたてNISAは「中期的な資産形成」に、iDeCoは「長期的な資産形成」に適している。子どもがいれば、それぞれの目的のための資産形成が必要になる。うまく投資額を配分して、それぞれの恩恵を得ながら資金を貯めていこう。

ただし、つみたてNISAには似たような「NISA」という制度があり、この2つは併用できない。投資初心者ならつみたてNISAを選べば問題ないが、念のため覚えておこう。

効果的なiDeCoとつみたてNISAの併用術

効果的にiDeCoとつみたてNISAを併用したい場合は、節税の恩恵よりも「投資期間」に注目して考えるといいだろう。優遇措置を受けられる期間は、iDeCoで60歳まで、つみたてNISAは20年間。どちらも一定の節税効果があるため、あまりこだわる必要はない。大切なのは目的と期間だ。

老後資金をつくる目的ならiDeCoが適しているし、大学進学資金をはじめとした10~20年以内に必要になるお金のためなら、つみたてNISAが適している。10~20年以内に必要になるお金がないなら基本はiDeCoで運用し、上限額を超える部分をつみたてNISAで運用しよう。

10年以内に必要になるお金の場合は、先ほど少し触れた「NISA」の投資期間が最長10年なので適している。ただし、投資期間が短い中で結果を狙うとリスクも高まるので、特に初心者は注意してほしい。

文・ZUU online 編集部/ZUU online
 

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