マネー
-
2019.10.18

なぜ、資産管理会社を設立すると節税できるのか?

(写真=SARYMSAKOV ANDREY/Shutterstock.com)
(写真=SARYMSAKOV ANDREY/Shutterstock.com)
節税対策として富裕層に人気の資産管理会社。しかし、どういった仕組みで節税できるのかいまいちピンとこない人も多いのではないでしょうか。今回は、資産管理会社の節税の仕組みを分かりやすく解説し、実際の節税額のシミュレーションも紹介します。

本当に節税できる?最大の節税効果は所得税と法人税の税率差

富裕層であれば、資産管理会社のことを耳にしたり、設立をすすめられたりした経験が一度はあるはずです。しかし、「会社設立といっても具体的に何をすればいいか分からないし、かえってコストや手間が増えるのでは……」と考える人も多いでしょう。

まず、資産管理会社の節税の仕組みについて分かりやすく解説していきます。資産管理会社を設立することによる節税メリットは、主に所得税・法人税の税率差と損益通算の2点です。また、資産の移転・分割がしやすくなるなど相続税対策としても効果的です。

所得税が法人税率の23.2%を超えるならメリットあり

まず、所得税・法人税の税率差について解説します。日本の所得税率には最低5%から最高45%まで幅があり、所得が高いほど所得税率も高くなります。それに対して、法人税率は一律23.2%です。中小法人などであれば、年間800万円までの利益にはさらに低い19%という税率が適用されます。

資産管理会社を設立することで、この税率差の分だけ毎年手元資金を増やせるというのが最大の節税効果です。詳しいシミュレーション結果は後述しますが、数十年単位で見れば数千万円の節税効果が出ることも少なくありません。

損益通算で税負担を軽減できる

続いて損益通算について解説します。所得税の場合、株式投資で大幅な譲渡損が出ていても不動産投資で利益が出ていれば、不動産投資の利益に対しては所得税が課税されます。所得税だと損益通算できる所得には制限があり、自由度が低いからです。

一方、法人税の場合、すべては法人の事業として一括して利益を計算し、その利益に対して法人税が課されます。そのため、株式投資で生じた譲渡損を不動産など他の利益と相殺することができるのです。これも税務上の大きなメリットといえるでしょう。

配偶者や子どもへの資産の移転にも有効

最後に、相続税対策として資産管理会社を活用する方法を紹介します。資産が大きくなれば、将来に備えて相続税対策を始める人が多いでしょう。

毎年110万円までの贈与であれば贈与税がかからないため、計画的な贈与を実行している人もいるかもしれません(定期贈与の場合は課税対象となるので注意が必要です)。しかし、110万円を大幅に超える金額を贈与すると途端に高額な贈与税がかかります。そのため、財産の移転がなかなか進まないと悩む声をよく聞きます。

資産管理会社を設立すれば、子どもを役員にすることで役員報酬を支払うことができます。贈与とは別枠で効果的に財産の移転を進められるのです。

また、不動産の場合は少しずつ子どもに贈与するわけにはいきません。登記費用や不動産取得税がその都度発生してしまうからです。しかし、資産管理会社に不動産を所有させてしまえば、資産管理会社の株式として少しずつ子どもに贈与を進めることもできます。

>>(続き)資産管理会社の実際の節税額をシミュレーション
1 2
Page 1 of 2
NEXT 年収が高い人ほど「老後資金2,000万円」では足りない理由 PREV 資産管理会社を設立するためのスタートガイド これだけ知れば大丈夫!

関連記事