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2019.10.14

資産管理会社を設立するメリット、デメリットとは?

(写真=ANAID studio/Shutterstock.com)
(写真=ANAID studio/Shutterstock.com)
納税負担の大きい高額所得者は、節税対策として資産管理会社の設立を検討することがよくあります。資産管理会社は効果的に活用すれば確かにメリットが多い節税対策ですが、実はリスクも潜んでいます。今回は資産管理会社のメリット・デメリットを解説します。

そもそも資産管理会社とは?所得税と法人税の違いも解説

不動産投資や株式投資をする場合、多くの人は自分個人の名義で始めます。しかし、法人を設立して法人名義で投資することも可能です。このように、資産の管理を目的として設立される法人を一般的に資産管理会社と呼びます。

資産管理会社を設立する目的ともいえる一番のメリットは、所得税と法人税の税率差です。所得税率は所得が大きくなるほど高くなり、最高で45%にもなります。一方、法人税率は一律23.2%で、中小法人などに該当すれば800万円までの利益にはさらに低い19%の税率が課されます。

仮に資産運用による利益が年間1,000万円だとすると、所得税率45%と法人税率23.2%を適用した場合の差額は単純計算して218万円です。毎年218万円となると10年で2,180万円。所得税と法人税の税率差が与える影響がいかに大きいかが分かるでしょう。

資産管理会社を設立するひとつの目安として、所得が900万円を超えていることが挙げられます。所得が900万円を超えると、適用される所得税率は33%となり、法人税率の23.2%を上回るからです。

しかし、資産管理会社の設立にはコストもかかるため、節税効果以外の費用も計算したうえで設立を検討することが大切です。

資産管理会社を設立するメリット・デメリット

まず、資産管理会社のメリットについて解説します。

資産管理会社を設立すると、配偶者や子どもを役員にして役員報酬を支払うことができます。個人で不動産投資や株式投資を行っていると、財産は個人に帰属するため自分一人の財産がどんどんふくれ上がっていきます。これは相続税対策上、望ましくありません。

その点、資産管理会社を設立すれば財産の帰属先は法人になります。親族を役員にすれば、法人が役員に報酬を支払うことはなんら不自然ではありません。役員報酬という形で財産の移転を進められるのが資産管理会社を設立する1つ目のメリットです。

また、資産管理会社を設立した場合は株式を所有することになります。不動産を少しずつ子どもに贈与するのは登記費用の面から現実的ではありませんが、株式であれば贈与税がかからない範囲で少しずつ贈与することも可能です。

さらに、子どもが数人いる場合は半分ずつ株式を所有させることもできます。相続の際にも、不動産と比べると比較的分割が容易なことから、無駄なトラブルを避けられるかもしれません。財産移転の自由度が高く家族の平等性を保てるのが資産管理会社の2つ目のメリットです。

続いて、資産管理会社のデメリットを解説します。

資産管理会社のメリットを享受するには、そもそも「入ってくるお金」がないと意味がありません。不動産投資や株式投資で継続的に利益が出ていればいいのですが、赤字になるとかえって出費が増えてしまうこともありえます。

法人を設立すると、赤字であっても数万円の法人住民税を納めなければなりません。また、毎年法人税の申告も必要です。税理士に申告を依頼する場合は、税理士報酬も支払わなければなりません。こういった費用を見積もり、十分メリットがあるかどうか検討してから資産管理会社を設立しましょう。
 

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十分な効果測定をして資産管理会社を設立することが大切

資産管理会社の仕組みやメリット・デメリットを解説しました。資産管理会社は効果的に活用すれば大きな節税効果が得られるとともに、家族の争いを防ぐことにもつながります。

一方で、設立には手間と費用がかかるのも事実です。手間や費用に見合うだけのメリットが得られるのか、自分自身の資産状況や将来設計も踏まえて十分なシミュレーションを行うことが大切です。
 

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