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2019.10.5

「国民年金は積み立てた金額を受け取りたい」だと何が危ないの?

(写真=CHAjAMP/Shutterstock.com)
(写真=CHAjAMP/Shutterstock.com)
日本の国民年金は、基本的に賦課(ふか)方式で運営されています。ですが、この方式では高齢化社会では現役世代の負担が増すため、積立方式が良いという意見もあります。日本は急激に少子高齢化が進んでいて、今後この人口比率が逆転することは考えにくいでしょう。これからの将来を考えると積立方式が良いのでしょうか。

賦課方式と積立方式の特徴

賦課方式と積立方式の大きな違いは、年金の原資を誰が負担するかということです。

賦課方式は、現役世代が納めた年金保険料を財源に、その時点の年金受給者が年金を受け取る方式です。現役世代が年金受給世代を支えているということになり、年金受給世代を支える人数が少ないほど、支える世代の保険料負担は重くなります。少子高齢化が進むと、現役世代の負担は重くなるということです。

それに対して積立方式は、現役時代に積み立てておいた年金保険料やその運用収入を財源に、積み立てた世代が老後に年金を受け取る方式です。自分が積み立てたものを、将来自分が受け取るので、少子高齢化の影響は少ないといわれています。

これだけ見ると、積立方式のほうが優れているように見えますが、どちらにもメリットとデメリットがあります。

賦課方式のメリットとデメリット

年金の財源を現役世代の保険料でまかなう賦課方式は、下記のような特徴があります。

メリット:インフレに強い

現役世代が納めた保険料は、その時点の給与水準に応じたものであるため、年金受給世代が受け取る年金も、その時点の経済状況に対応しやすくなります。そのため、インフレで物価が上昇した場合でも年金の価値が下がりにくく、影響を受けにくいといえます。国民年金の保険料は個人の収入に関係なく一定ですが、その時点の物価や賃金の変動率を反映して、毎年度の保険料金額は変動しているのです。

デメリット:世代間の不公平感が生じやすい

少子高齢化が進むと、現役世代の保険料負担が増えたり、自分が受け取るようになった時点で年金支給額が減少していたりします。そのため、世代間での不公平感が生じやすいともいえるでしょう。

積立方式のメリットとデメリット

一方、将来受け取る年金を自分自身で積み立てておく、積立方式には次のような特徴があります。

メリット:世代間の不公平感が少ない

自分たちが納めた保険料を受け取ることになるため、少子高齢化が進んでも年金支給額への影響を受けにくいとされています。そのため、賦課方式で感じるような世代間の不公平感は少ないといえるでしょう。

デメリット:インフレに弱い

将来、インフレで物価が上昇した場合は、年金の価値が下がってしまいます。また、積み立てた保険料の運用に失敗した場合は、財源が目減りすることで年金支給額が減少したり、最悪のケースでは途中で支給が止まったりすることもあり得ます。そのほか、積立方式でも、少子高齢化によって生産力が低下することにより、運用悪化などの影響を受ける場合があります。

日本の国民年金は賦課方式+α

日本の国民年金は、完全な賦課方式というわけではありません。これまで集めた保険料のうち、余ったお金は積立金として蓄積・運用され、毎年の保険料と共に年金給付に活用されているからです。とはいっても積立金には限りがあり、今後の経済状況によっては2060年までに積立金を使い切るという試算も出ています。その場合も国民年金がなくなることはないとはいわれていますが、支給額は目減りすると考えられます。

2019年度から国民年金を受け取る人は、最大でも月額6万5,008円となっています。今後はさらに目減りする可能性はありますが、公的年金は生きている限り一生涯受け取れます。長生きリスクに対応している点は大きな魅力でしょう。
 

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公的年金と私的年金の併用で将来に備える

自分で積立方式の年金を始めることも可能です。iDeCo(個人型確定拠出年金)や個人年金保険などは、積立方式の年金です。個人年金保険は、年金の受け取りが生涯にわたるものと、決まった期間のものがあり、iDeCoの受け取りは決まった期間です。

国民年金の賦課方式と積立方式、それぞれの制度を理解し、iDeCoなど私的年金もうまく組み合わせて将来に備えていきたいものです。
 

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