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2019.7.18

始める前に知っておきたいiDeCo(イデコ)のデメリット5つ

(写真=beeboys/Shutterstock.com)
(写真=beeboys/Shutterstock.com)
iDeCoは税制の優遇措置を受けられる私的年金制度。掛金の全額所得控除によって所得税・住民税が減額され、運用益も非課税になるため、収入が同じでも手取り額が増やせることで注目を集めています。ただし意外と知られていない落とし穴もあります。代表的なデメリットを5つ紹介します。

iDeCo(イデコ)のデメリット1……60歳まで引き出せない

iDeCoでは掛金を60歳まで積み立てて運用し、60歳になると「老齢給付金」として受け取ることができる制度です。逆に言うと、原則として60歳までは口座の資金を引き出すことはできません。

また、60歳になれば自動的に給付が始まるわけでもありません。自分で金融機関に行って受給開始の手続きをする必要があります。一時金として一括で受け取る場合は70歳まで、年金として分割で受け取る場合は5年以上20年以下の期間で支給されます。

60歳から受給するためには通算加入者等の期間が10年間必要です。10年未満の場合は受給開始年齢が繰り下げられます。そのため、50歳を過ぎてから加入すると受け取る年齢が後ろ倒しになる点には注意が必要です。

通算加入者等期間が10年未満の場合の受給開始年齢は以下の通りです。
・8年以上10年未満……満61歳から
・6年以上8年未満……満62歳から
・4年以上6年未満……満63歳から
・2年以上4年未満……満64歳から
・1ヵ月以上2年未満……満65歳から

iDeCo(イデコ)のデメリット2……途中解約ができない

iDeCoはよほどのことがない限り途中で解約はできません。解約して脱退一時金を得るためには、以下の条件をすべて満たす必要があります。

・国民年金の第1号被保険者のうち、国民年金保険料の全額免除又は一部免除、もしくは納付猶予を受けていること
・確定拠出年金の障害給付金の受給権者ではないこと
・通算拠出期間が3年以下、又は個人別管理資産が25万円以下であること
・企業型確定拠出年金又はiDeCoの加入者資格を最後に喪失した日から2年以内であること
・企業型確定拠出年金の資格喪失時に脱退一時金を受給していないこと

つまり、東日本大震災に伴う特例法の施行など一部の例外を除くと、普通に働いている現役世代がiDeCoを途中解約することは事実上、不可能であることが分かります。

iDeCo(イデコ)のデメリット3……口座開設や管理に手数料がかかる

最近では多くの証券会社で口座開設料や運営管理手数料が無料となっていますが、iDeCoは初回(加入または移管時手数料)と毎月の口座管理手数料などがかかります。

初期費用は、税込2,777円が全金融機関共通で発生します。これは国民年金基金連合会が徴収するもので、一律の料金です。次に毎月の掛金拠出時に発生する費用として、税込103円の国民年金基金連合会手数料、税込64円の事務委託先金融機関(信託銀行)手数料、金融機関ごとの口座管理手数料があります。

つまり、「運営管理手数料が無料」と謳っている金融機関でも、毎月167円は必ず発生することになります。年額にするとコストは2,004円です。口座管理手数料が月額450円かかる金融機関もあります。その場合、トータルでの月額手数料は617円となり、年額では7,404円です。年額で5,000円の差があると、20年間運用すれば10万円のコスト差になります。

iDeCo(イデコ)のデメリット4……元本割れする可能性もある

iDeCoを始める人の中には、投資にそれほど関心がなく、リスクを嫌う人が少なくありません。そんな人がまず選ぶのが定期預金をはじめとする元本確保型商品です。しかし、iDeCoにおいては元本確保型商品でも元本割れをする恐れがあることを知っておく必要があります。

先ほど述べたように、iDeCoでは加入時と掛金拠出時に手数料が発生しています。その手数料を上回る利益を上げていないと実質元本割れになります。

iDeCo(イデコ)のデメリット5……受け取り時に課税される場合がある

iDeCoは運用益に対しては非課税ですが、年金資金を受け取るにあたっては非課税とは限りません。控除を上回る所得が発生した場合は課税されます。

iDeCoの年金資産は「一時金」「年金」「一時金と年金を組み合わせたもの」の3つの受け取り方があります。一時金として一括で受け取る場合は「退職所得控除」、年金形式で受け取る場合は「公的年金等控除」が適用され、控除額を下回る所得の場合には税金は発生しません。逆に、公的年金や会社からの退職金と合わせて控除額以上の所得になる場合は課税対象になります。

一時金と年金のどちらを選ぶのが有利なのかは、年金や退職金の総額や受け取るタイミングによって異なるため、60歳を迎える少し前に一度試算してみると良いでしょう。

iDeCo(イデコ)にデメリットはあるがメリットも大きい

iDeCoにはデメリットはあるものの、ある程度の収入があるサラリーマン家庭には、税制の優遇措置などメリットの大きい制度であることに変わりはありません。必要な情報を集めてうまく活用する方法を探っていきましょう。
 

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