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2019.7.10

「寄付金」と「所得税控除」の違いを改めておさらい

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)
実質2,000円の負担で税金が控除される「ふるさと納税」は、各自治体ならではの魅力的な返礼品で話題となっています。2017年度の寄付金はおよそ3,653億円に上り、制度がスタートした2008年度の81.4億円の約44倍もの金額を記録しました。近年では、そんなふるさと納税をはじめ、いわゆる寄付金での所得税控除が浸透してきました。今回は、寄付金と所得税控除について改めて考えてみましょう。

寄付という行為、日本と欧米社会との認識の違いは?

欧米社会において、寄付行為は社会貢献活動の一環として広く浸透しています。中でも、社会貢献を目的とした寄付が人々の意識に強く根付いているアメリカでは、実業家や投資家など富裕層による巨額の寄付が当たり前の行為として定着しています。ときに、純資産と比較して寄付金額が少なすぎると批判されることもあるぐらい、富裕層と寄付行為は切っても切り離せない関係にあります。経済活動によって得た資産は、寄付という形で社会に還元することが大切だと考えられているのです。市民レベルでも、寄付やボランティア活動などが一般化しており、社会貢献の先進国といわれています。

一方、日本では寄付をする人の数は増加傾向にあるものの、欧米社会と比べると寄付金額は圧倒的に少ないのが実情です。特に、社会貢献を目的とした富裕層の寄付に関しては、サポート態勢がいまだに整っておらず、なかなか進んでいないのが現状です。資産の一部を遺産として寄付してもよいと考えている人も少なくないようですが、支援態勢の不足感は否めません。

控除対象になる「特定寄付金」とは

社会貢献を目的とした寄付へのサポート態勢はこれから徐々に整備されていくことが期待されますが、現状でも「特定寄付金」によって、社会に貢献することができます。

特定寄付金とは、特定の団体への寄付金のことを指します。国や地方公共団体などを対象にした寄付金が挙げられ、ふるさと納税もこの分野に含まれます。公益法人または団体が広く募集した寄付金、指定寄付金も特定寄付金に該当します。ただし、教育・文化・科学などを含む公益増進への寄与が目的で、かつ緊急性のある事業でなければ、特定寄付金とみなされません。財務大臣による指定がない場合も対象外となります。

特定公益増進法人と呼ばれる団体への寄付金も特定寄付金の対象です。独立行政法人や社会福祉法人、更生保護法人に加え、日本赤十字社、自動車安全運転センターなども含まれます。さらに、特定公益信託や都道府県知事らの認定を受けたNPO法人、政治活動への寄付金についても特定寄付金となっており、所得控除目的といっても、寄付先は幅広くあることが分かります。

魅力的な返礼品と社会貢献活動、どちらを重視する?

ふるさと納税は利用者が年々増加しており、今日の日本において最も人気を集める寄付金である、と言っても過言ではないでしょう。所得税の控除に加えて、新鮮な食材や地元ならではの体験など、返礼品がもらえる点も魅力です。ふるさと納税によって、税控除について意識し始めるようになった人も多いはずです。

しかし、ふるさと納税で受けられる所得税の控除額には限度があり、限度額を超えてしまうと負担額が増加してしまいます。また自治体間による競争の激化などが問題視され、返礼品は寄付金額の3割以下である地場産品に指定されるなど、ふるさと納税を取り巻く状況は少しずつ変わっています。

一方で、前項で紹介したとおり、所得税の控除が受けられる寄付金には、地方自治体だけでなく公益法人や認定NPO法人なども含まれます。ふるさと納税の返礼品のような特典はありませんが、対象の法人・団体に寄付することで、間接的に社会貢献活動に従事したという充実感や達成感を得ることができます。バラエティ豊かな返礼品で話題のふるさと納税にはさまざまな利点があり、一方で社会貢献目的での寄付も自身や社会にとって非常に意義深いといえるでしょう。

自分なりの考え方と方法で寄付をしよう

今回は、ふるさと納税を含めた寄付金と所得税控除について、改めてご紹介しました。寄付行為に対する考え方や、特定寄付金の種類はさまざまです。返礼品や税控除で得するだけでなく、地域や社会へより貢献するために自分にとってはどの寄付が合っているのか、一度考えを整理してみてはいかがでしょうか。
 

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