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2019.6.18

生命保険の死亡保険金は相続時にどのような扱いになるのか

(写真=Andrey_Popov/Shutterstock.com)
(写真=Andrey_Popov/Shutterstock.com)
相続時には、あらゆる遺産が相続人に分割されますが、生命保険は基本的に遺産分割の対象外となります。しかし、生命保険のすべてが遺産分割の対象外となるわけではありません。また、死亡保険金には相続税などの税金もかかります。

ここでは、相続時における死亡保険金の税の取り扱いや、死亡保険金の遺産分割について解説します。

死亡保険金に相続税がかかるケースとかからないケースの違い

死亡保険金を受け取る時に、気を付けたいのが税金です。死亡保険金にかかる税金は、生命保険の保険料を支払っていた人、被保険者、保険金の受取人の3者の関係によって変わります。

保険料を支払っていた人が保険金を受け取る場合には、所得税がかかります。保険料を被保険者が支払っていた場合には、保険金を受け取った人が相続税を支払わなければなりません。保険料を支払っていた人、被保険者、受取人がそれぞれ異なる場合には、贈与税が課せられます。それぞれのパターンについて、詳しく見ていきましょう。

所得税の場合

例えば、保険料を支払っていた契約者と死亡保険金の受取人が夫で、妻が被保険者として生命保険に加入していたとします。このケースで妻が死亡した場合、死亡保険金を受け取った夫は所得税を支払うことになります。この時、保険金を一時金としてまとめて受け取った場合には、一時所得として課税されます。

課税対象となる一時所得の額は、受け取った保険金の額から払い込んだ保険料と、一時所得の特別控除50万円を差し引いた額です。そして、その額の2分の1が課税の対象となります。例えば死亡保険金が1,000万円で支払った保険料が200万円の場合、「1,000万円-200万円-50万円=750万円」の2分の1が所得税の課税の対象となるわけです。この例では375万円が課税対象になります。

相続税の場合

保険料を支払う契約者と被保険者が夫で、死亡保険金の受取人が妻だった場合、死亡保険金は相続により取得したとみなされて相続税が発生します。課税対象となる死亡保険金の額は、次のようにして求められます。

① 死亡保険金の非課税限度額=500万円×相続人の数
② 課税の対象となる保険金の金額=相続人が受け取った生命保険の金額-非課税限度額×相続人が受け取った生命保険の金額÷すべての相続人が受け取った保険金の合計額

上記の例では相続人が妻1人であるため、非課税限度額は500万円となります。3,000万円の死亡保険金を受け取ったとすると、課税対象となるのは2,500万円です。相続した遺産が生命保険のみだった場合、1億6,000万円までの遺産なら相続税がかからない「配偶者の税額の軽減」制度によって、結果的に相続税は非課税となります。

贈与税の場合

保険料を支払う契約者が夫で、被保険者が妻、死亡保険金の受取人が子どもだった場合は、贈与税が課せられます。贈与税の基礎控除額は110万円と少額のため、贈与税が発生するような生命保険の契約は、相続時に大きな負担となります。このような契約の生命保険がある場合には、保険金の受取人を変更したほうがよいでしょう。

死亡保険金は遺産分割に入らない?

死亡保険金は、預貯金や有価証券、不動産などの遺産には含まれず、保険金の受取人の固有の財産となります。そのため、遺産分割協議の対象にはなりません。被保険者が夫で、受取人が妻だった場合には、保険金は妻が受け取れます。

ただし、死亡保険金の受取人が被相続人自身であった場合には、相続財産としての遺産分割が可能です。また、保険金が多額だった場合には、他の相続人との不公平が生じるとして特別受益の対象となる可能性がある点に注意しましょう。

相続を考え始めたら生命保険も見直しを

このように、生命保険の死亡保険金の取り扱いは、その他の遺産と異なる点が多々あります。契約内容によって、税金の種類や受取人も変わります。特に税金においては、所得税、相続税、贈与税それぞれで課税額・税率が変わる点に注意が必要です。

遺産総額よりも、死亡保険金の額が多すぎる場合には、特別受益にあたるとして持ち戻しを求められる場合があります。相続争いを避けたい場合には、生前に財産総額と死亡保険金額を比べてみることも必要かもしれません。

死亡保険金と税について気になる人は、加入している保険会社に相談し、契約を見直してみましょう。
 

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