子どもにかかる費用の中で、大きな比率を占めるのが教育費です。長く必要となるものだからこそ、早い段階から賢く計画を立てて備えることが大切です。今回は、子育て世帯が受給する児童手当を最大限に活かすための方法について考えてみましょう。
児童手当制度について
子どもがいる世帯に国から支給される児童手当は、中学校修了まで(15歳に到達後の最初の年度まで)を対象とする制度です。2019年現在、手当の月額は以下となっており、毎年2・6・10月の3回に分けて支給されます。
子どもの年齢 |
支給月額 |
備考 |
0~3歳未満 |
一律1万5,000円 |
|
3歳~小学校修了 |
1万円 |
第3子以降は1万5,000円 |
中学生 |
一律1万円 |
|
所得制限以上 |
一律5,000円 |
所得制限(夫婦と児童2人):
年収ベースで960万円未満を所得限度額とする |
子どもの教育費、どのくらい必要?
子どもが大学を卒業するまでに必要なお金は1,000万円以上といわれています。ただし公立校なのか私立校なのかによってその金額は当然異なります。文部科学省の「平成28年度子供の学習費調査」によると、学校教育費、学校給食費、習い事や塾などの学校外活動費を含めた「学習費総額」の結果は以下のとおりです。(大学の費用のみオリックス生命保険「ピッタリ保険ナビ」より引用)。
|
幼稚園 |
小学校 |
中学校 |
全日制高校 |
大学 |
公立 |
70万1,841円 |
193万3,860円 |
143万5,662円 |
135万2,586円 |
321万700円 |
私立 |
144万7,176円 |
916万9,422円 |
398万799円 |
312万504円 |
文系:464万8,298円
理系:600万4,136円
医歯系:2,274万2,376円 |
大学卒業まですべて公立だった場合には約863万円、小学校・中学校は公立で幼稚園・高校・大学が私立(大学は理系)だった場合には約1,394万円、すべて私立(大学は理系)だった場合には約2,372万円が目安となります。
おすすめの運用方法
勉強が難しくなる中学進学に備えて小学校高学年から塾に通わせるなど、子どもの年齢が上がるにつれて教育費は高額になります。比較的出費が少ない、乳幼児期から小学校就学前までにしっかりと貯蓄しておくようにしたいものです。児童手当はそのまま貯めておくだけでもまとまった額になりますが、できれば少しでも増やして備えておきたいものです。リスクを低く抑えながら、将来の教育費に備える場合にはどのような運用方法があるのでしょうか。
定額預貯金
金融機関への預貯金は、手元に現金を置いておくと生活費などと一緒に使ってしまいそうな人に有効です。定額(定期)の場合は普通預貯金よりも利子が多めにつきますが、それでも超低金利の現在、ほとんど期待できません。低リスクの預貯金は、リターンもほぼないと考えておきましょう。
学資保険
17歳や18歳など、契約した満期にお金を受け取れるのが学資保険です。契約者(主に保護者)に万が一のことがあった場合には、保障内容はそのままで保険期間のその後の保険料の支払いが不要となります。中学、高校、大学など各入学のタイミングで祝い金が受け取れる保険商品もあります。
返戻率が100%を超える場合、払った保険料よりも多い額を受け取ることができますが、中途解約をすると元本割れのリスクがあります。医療特約を付帯した学資保険もありますが、こちらは返戻率が低めになるため注意が必要です。学資保険は妊娠中から加入でき、原則的に契約者・被保険者(子ども)の年齢が低いほど返戻率が上がります。
つみたてNISA
近年よく耳にするNISAは、少額から始められる非課税の投資です。通常のNISA以外につみたてNISAとジュニアNISAもあります。特に、つみたてNISAは非課税投資枠年40万円、期間は最長20年間(2037年まで)と長期間運用できるため、教育費対策としておすすめです。投資の対象は、長期分散投資に適した公募株式投信などとなっており、投資の知識やまとまった資金がなくても、毎月少額で始められるのが魅力です。
約200万円の児童手当を賢く運用しよう
児童手当を第1子または第2子が受給する場合、0歳から15歳までの総額は198~210万円になります(生まれ月によって異なります)。初めてでもできる運用は今回ご紹介した方法のほかにも、個人向け国債や給与天引きの財形貯蓄などさまざまです。家庭の経済状況や今後の家計シミュレーションを行ったうえで、無理のない運用を組み合わせて将来の教育費に備えましょう。
【おすすめ記事】
・「お金持ちは長財布」はもう時代遅れ?
・日本は借金大国?世界の債務残高はどのくらいのか
・ビジネスセンスが現れる!差がつく「手土産」3選
・サービスで選ぶエグゼクティブのカード
・プラチナカードの審査の仕組みとは