マセラティといえば、イタリアの高級スポーツカーブランドですが、長らくフェラーリのエンジンを搭載していました。しかし今回、100%マセラティ、100%メイド・イン・モデナのオリジナルエンジンを搭載した新型エンジンを発表しました。ファン大注目のこの動きについて、その背景と新型エンジンの特徴を確認します。
大人の高級スポーツカーマセラティとは
1914年に設立されたマセラティの原点は、レースに勝つためのクルマ作りでした。現在でもイタリアブランドらしい材質へのこだわり、名門デザイン会社のピニンファリーナやイタルデザインによるクラフトマンシップにあふれる落ち着いた造形美などは、特に中高年層に支持されています。
2016年に導入されたマセラティ初のSUVであるレヴァンテは主力車種にもなり、そのほかにもフラッグシップであるクアトロポルテ、グランドツアラーのギブリ、スポーツカーのグラントゥーリズモ、グランカブリオの5つをラインアップ。クルマ好きの大人たちに愛される、高級スポーツカーとしてのブランドを確立しています。
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フェラーリのエンジンが供給されていた理由
マセラティは1993年にFCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)グループに買収されたこともあり、当時同じグループだったフェラーリからV8、V6エンジンの供給を受けていたため、近年のマセラティのエキゾーストノート(排気音)はフェラーリと聞き間違うほどでした。
しかしフェラーリは2016年にFCAから独立し、エンジン供給の契約が2021~2022年をめどに終了すると発表したことにより、マセラティは自社オリジナルエンジンをイタリア北部の街、モデナの工場で生産開始したのです。
搭載されるのはスーパーカーMC20
新型エンジン「ネットゥーノ(Nettuno)」の排気量は3.0リッターですが、630psもの最高出力を発揮し、リッターあたりの出力は210psに達します。F1由来のツインプラグのレイアウトを持ったプレチャンバー燃焼システムを採用していて、ロードカーとしては世界初の試みです。
マセラティオリジナルエンジンが最初に搭載されるのは、ミッドシップのスーパーカー新型MC20で、2020年9月にモデナで開催されるイベントにてワールドプレミアされる予定です。
【マセラティ ネットゥーノ(Nettuno)エンジン主要諸元】
- 排気量:3.0L 90°V型6気筒ツインサイドターボ
- ボア×ストローク:88×82mm
- 圧縮比:11:01
- 最高出力:630ps/7,500rpm
- 最大トルク:730Nm/3,000-5,500rpm
- レブリミット:8,000rpm
マセラティ社がこのエンジン開発にかける意気込み
新型エンジンのパワーユニットは、モデナに複数ある開発拠点によって製作。開発チームが作り上げたエンジンは技術的革命をもたらし、複数の国際特許を取得しています。
20数年の空白を破って、再びチャレンジングな課題に立ち向かうためモデナに集結し、ハイパフォーマンスなエンジン開発と製造を行っていくのは、マセラティの戦略的決定によるものです。
中古車市場におけるマセラティエンジンとフェラーリエンジン
今後マセラティの購入を考えている人にとっては、マセラティ製エンジンとフェラーリ製エンジンのどちらを選択するかで悩むところでしょう。
中古車市場ではフェラーリやランボルギーニほどではないにしても、マセラティはリセールバリューの高いクルマです。状況によりフェラーリエンジンを搭載した中古車の値上がりも考えられるため、新車のマセラティを買うタイミングは、中古車市場の動きも加味しながら決めるとよさそうです。
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