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2020.9.5

【連載#1】銀座老舗テーラーの若旦那がいざなう「オーダースーツ」入門

(写真=ANA Financial Journal 編集部)
(写真=ANA Financial Journal 編集部)
ビジネスパーソンの「戦闘服」ともいえるビジネススーツ。その着こなし1つで第一印象が大きく変わり、仕事の成果にも影響を与えかねません。責任あるポジションに就いたら、そろそろ本格的なオーダーメードのビジネススーツを揃えたいもの。そこで、銀座で80年の歴史を持つオーダースーツの老舗「銀座英國屋」の3代目社長に、スーツの起源やフルオーダーの魅力について伺いました。1回目はオーダースーツの種類とその違いです。オーダースーツならではの着用感の違いを見ていきましょう。

英国発祥のスーツ。戦前はすべて「誂え(あつらえ)」

ビジネスパーソンにとって、スーツは第一印象を左右する重要なツールです。スーツの着こなしの基本は、着る人の体形に合ったジャストサイズのものを着ること。現在は既製服にもサイズバリエーションがあり、ある程度お直しも可能ですが、最初から自分の体に合わせて誂えるオーダースーツのフィット感はその比ではありません。スーツをオーダーメードで誂えることは、特に責任のあるポジションに就いたビジネスパーソンにとって有力な選択肢となるでしょう。

「もともとスーツは『誂える』のが当たり前でした」と話すのは、銀座でオーダースーツの老舗として80年の歴史を持つ「銀座英國屋」の3代目社長・小林英毅さん。

スーツの歴史をひもとくと、19世紀頃、英国で貴族がラウンジでくつろぐために考案された前開きの衣服が原型で、20世紀初頭にかけて米国のビジネスパーソンが仕事で着用するようになり、広がったとされています。

日本に入ってきたのは幕末から明治維新の頃。明治時代初期の日本ではまだ大半の人々が和装で、一般に広まり始めたのは明治20年以降のことです。スリーピースのスーツが通勤着として認知され、大正時代には大戦景気を背景に増えてきました。

「戦前の日本では、スーツはすべてオーダーメードで、個人の体型に合わせて一着ずつつくられる高級品でした。『スーツ1着=給料の3ヵ月分』といわれる時代もあったそうです。戦後、高度成長期に需要が拡大し、機械の発達により生産が可能になったことから既製服が生まれ、一般的に広く普及していきました」(小林さん)

 

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パターンオーダーなどの簡易システムも

既製服が主流となるなか、一流の政治家や実業家などのエグゼクティブはオーダースーツを愛用してきました。それは、自分の体型や好みに合わせて作られているため、よりよい着用感が得られるからです。

「やはりサイズを測っておつくりするので、既製品にはないフィット感や着心地のよさを感じていただけます。ご自分の好きな生地やデザインが選べる点も、オーダーならではの楽しみです。また、身体に合っているので生地が傷みにくく、長持ちするというメリットもあるかと思います」(小林さん)

一口にオーダースーツといっても、実はいくつか種類があります。ここ数年、「オーダースーツ2着5万円」などといった低価格を打ち出す専門店も増えてきていますが、そのほとんどが「パターンオーダー」「イージーオーダー」と呼ばれる簡易オーダーシステムです。

パターンオーダーは数種類のサンプル(ゲージ服)から体形に近いものを選び、試着して各部位を調整する方法です。生地や細部のデザインは選べますが、あらかじめ決められた型紙を使用して工場で大量生産され、後から細かい部分だけ調整します。

イージーオーダーは好きな型紙や生地を選んで採寸し、やはりサンプルを試着して細かな調整をするという方法で、パターンオーダーでは難しいシルエットの補正や細かい三次元の調整が可能です。いずれも完成品がイメージしやすく、ゼロからつくるフルオーダーよりは低コストという特徴があります。

フルオーダーの魅力はオンリーワンの完成度

「私どもでは創業以来、『フルオーダー』だけを承っています。それは、やはりおひとりおひとりの身体やお好みに合わせて、その方だけの型紙をおつくりし、仮縫いを経て、職人が一着一着丁寧に手作業でお仕立てすることにより、クオリティの高いオンリーワンのスーツができあがるからです。その分、お客様も愛着を感じて、大切に長く着ていただけるようです」(小林さん)

同店のフルオーダースーツは1着19万円~、所要日数は1ヵ月半程度~となっています。顧客には元首相や著名財界人などが名を連ね、現在も50代以上のビジネスパーソンが主流です。必ずしもファッションに詳しい人ばかりというわけでもなく、要職に就いたのを機に訪れる人も多いそうです。

「私どもでは、『スーツは仕事で信頼を得るためのツール』と位置付け、ファッション性というより、『いかにその方のビジネスがうまくいくか』を念頭に置いて、おつくりします。お客様のお好みを伺いながら、採寸、裁断、縫製、スタイリングと、それぞれプロの職人たちが力を合わせて一着のスーツを完成させていきます」(小林さん)


英國屋代表取締役社長 小林英毅さん
銀座英國屋ホームページ
https://service-eikokuya.jp/

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