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2020.6.15

【連載#4】富裕層が知るべき「馬主」の世界

これまで、馬主の種類や登録要件、得られる特典、活動に伴う支出について述べてきました。とはいえ、馬主になって、もっとも気になるのは、賞金による「リターン」ではないでしょうか。今回は、馬主最大の魅力について言及します。
 

JRAでは「本賞」「出走奨励金」「特別出走手当」の賞金

JRA(日本中央競馬会)のレースで馬主が得られる賞金などには、「本賞」と「出走奨励金」「特別出走手当」などが用意されています。内容は以下の通りです。
  • 本賞――いわゆる賞金のこと。1着から5着までの馬が対象となる。
  • 出走奨励金――6着~8着まで(重賞競走は10着まで)が対象の賞金。1着本賞に所定の比率を乗じた金額が支払われる仕組み。
  • 特別出走手当――全出走馬に対して、着順に関わらず支払われる手当のこと。
基本的には、所有する馬が活躍すればするほど、リターンは高くなります。なんと、年末に行われる有馬記念の1着は3億円で5着でも3,000万円、ダービーなら1着2億円で、2着8,000万円、3着5,000万円、4着3,000万円、5着2,000万円と続きます。新聞などには5着までの賞金は記載されていますが、実際は6~8着にも賞金は出ます。

加えて、特別出走奨励金は、3(4)歳以上のG1レースで150万円(高松宮記念など)もしくは200万円(天皇賞など)。特別出走手当は競争により42万1,000円~44万2,000円の幅で交付されます。ほかにも、JRAの競走馬には、施設内での不慮の事故に遭った際に支払われる「事故見舞金制度」や、引退時も年齢や時期、出走実績に応じて一定の金額が支払われます。

なお、2018年にJRAから馬主に賞金などとして支払われた金額は約809億円。同年にJRAに出走したのは1万1,197頭で、1頭平均の年間収入は約723万円でした。他方、馬の購入金額や預託料がかかりますから、平均レベルでは赤字になってしまいます。上位に食い込まないことには、収支はプラスになりません。
ただし、個人馬主の場合、競走馬の出走で得た賞金などの所得の区分は「事業所得」または「雑所得」のいずれかになり、前者に該当するかどうかは、その規模、収益の状況、その他の事情を総合的に勘案して判断されます。基本的には、一定以上の競走馬を持ち、一定期間登録、一定の回数を出走させると、競馬にかかる収支は事業所得として扱うことができます。また、預託料は経費扱いなり、競走馬は減価償却が可能で、耐用年数は4年間と定められています。すなわち、競走馬を保有することは、勝利を目指すロマンを味わいながら、節税効果も期待できるということ。富裕層が取り組む理由は、ここにもあるのではないでしょうか。

このように、馬主は莫大な利益を得られるわけではなく、ともすればマイナス計上を招いてしまいます。一方で税制の優遇は魅力的といえます。総合的に考えると、エグゼクティブのスマートな資産運用のひとつといったところ。だからこそ、馬主成人は後を絶ちません。

何よりも、愛馬がG1で勝つような活躍をすれば、多くのファンに愛され歴史に名を刻む栄誉を味わうことができ、種牡馬や繁殖牝馬になると血統も受けつがれていきます。そんな、ほかにはない魅力と醍醐味を味わえるのも、馬主ならではのこと。もし、要件に当てはまるなら、トライしてはいかがでしょうか。
 

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