投資・資産運用
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2019.5.27

保有株に不祥事が……売るべき、そのままにすべき?

(写真=REDPIXEL.PL/Shutterstock.com)
(写真=REDPIXEL.PL/Shutterstock.com)
自分が株式を保有している企業が不祥事を起こしたとき、株をそのまま保有し続けるか、手放すかという判断に迷うことがあります。そうしたケースで、どのような行動を取るべきなのか、その判断基準を見ていきましょう。

不祥事が発覚した後の株価の動き

企業が不祥事を起こし、それが一般に発表された後、株価はどのような動きをするのでしょうか。

パニック売り

まず、最初に必ずおとずれるのが「パニック売り」です。市場参加者が想像していた以上のネガティブ・サプライズであればあるほど、その売り方は激しいものとなります。このとき株式保有者は、他の保有者より一刻も早く売り抜け、損失を限定的にしようと行動します。特に機関投資家など、プロの参加者はその傾向が強いです。ときには制限値幅の下限(ストップ安)まで下げるケースもあります。最近はコンピュータによるプログラム売買が主流ですので、一旦方向性が固まると、そちらの方向に一気に動く乱高下の激しいマーケットとなっています。

下落が止まり底値に

次に来る局面は、底値を探るタイミングです。これは起きた不祥事が企業業績にどこまで影響するかによって変わってきます。会社側の発表により、その不祥事の影響による財務上のインパクトがそれほどでもないと判断されれば、株価の下げも一段落となります。

また、企業の発表方法や内容も価格の変動に影響を与えます。トップがこの不祥事と誠実に向き合って、解決の糸口を見つけたと判断されれば、投資家の安心感も広がり、株価は底値をつけます。また記者会見などのタイミングも大切で、不祥事発覚から時間が経ってもなかなか発表がないと、株価はズルズルと下落します。

修正し、上昇する場面

業績への影響が発表され、それが市場の予想範囲内に収まると、市場は好感し、株価は上昇局面に入ります。一方で市場参加者は半信半疑な心理も持っているので、急落局面直前の株価の半値戻し程度で一度様子を見るケースが多いです。

新たな不祥事が続々と発表され、ズルズルと下がる場面

しかし、企業が最初の発表以降に新たな不祥事を発表すると、株価は底なしに下がっていきます。

では、不祥事を起こした企業の株式を保有していた場合、投資家はどのような行動を取るのでしょうか。このタイミングで一回売却して、売却益を確定するか、または損切りをするか、そして場合によっては今後の反転を予想して、底値を拾うナンピン買い(下がった株価で買い増すこと)を入れるか、そのときの投資家の行動はさまざまです。

そのまま保有すべき株

ご自身が、運悪く不祥事を起こした会社の株を持っていた場合、どのような判断をすべきなのでしょうか。まず、そのまま保有する会社の例を見てみましょう。

1つ目が、この不祥事を起こした企業の技術力、サービス力が他社に真似できないほど強く、顧客から圧倒的な支持を受けている会社です。どちらかといえば、B2C(対個人顧客の会社)よりB2B(対企業相手の会社)の会社のほうが独自の技術力を持っていることが多いので、その対象となりやすいといえます。

2つ目が、不祥事による損失額が市場予想と比べて低い場合です。これは通常の決算期と同じく、市場予想と比較して、ダメージが低いと判断された場合、株価は戻る可能性が高くなります。

手放すべき株

反対に、損切りをしても手放すべき場合を考えてみましょう。

1つ目が企業の根幹に関わる不祥事を起こした場合です。これは当然のことですが、企業の存続に関わりますので、できるだけ早く手放すことが懸命です。

2つ目が企業風土から発生した不祥事を起こした場合です。企業カルチャーをそう簡単に変えることは難しいので、長期で見ても将来も同様の不祥事が起こる可能性が高いと判断した場合は、損切り覚悟で手放すのも一つの手段です。

ESG投資の観点から見た株式保有の妥当性

近年では環境や社会、企業統治に配慮している企業を重視するESG投資の観点から、機関投資家はコーポレート・ガバナンスを重要視する傾向がますます強まっています。さらに、機関投資家が一般投資家から集めた資金を企業に投資する場合、受託者責任を果たすため、なぜこの企業を投資先に選んだのかを説明するガイダンス(スチュワードシップ・コード)があります。このガイダンスから逸脱した投資は、機関投資家としての資質を問われることとなりますので、新聞やネットの情報から、対象企業がこの点から要注意とされていないかも見ていく必要があります。
 

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