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2021.3.7

株式投資に役立つ「日経平均株価」を予想するには?チャート活用法を解説

(写真=joel_420/stock.adobe.com)
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株式投資のテクニックの1つに、日経平均株価から相場トレンドを予想して取引を行う方法があります。では、日経平均株価やトレンドはどのように予想すればよいのでしょうか。ここでは代表的な方法であるテクニカル分析に焦点を当てて、チャート分析の方法を解説します。
 

まずは日経平均株価を理解しよう

ニュースなどで「日経平均株価」という言葉をよく耳にしますが、そもそも日経平均株価とは何なのでしょうか。その算出方法を解説します。

日経平均株価は日経225とも呼ばれる

日経平均株価は、日本を代表する225社の株価をもとに算出される指数です。この225社は東京証券取引所一部上場の約2,000銘柄のなかから日本経済新聞社によって選ばれます。選定基準は市場流動性の高さで、セクター間のバランスを見て年に一度見直しがあります。「日経225」も日経平均株価のことです。

日経平均株価は日本株全体の流れを読み取れる指標

日経平均株価は225銘柄の株価の合計を単純に225で割ったものではなく、特殊な計算によって算出されます。日経平均株価が上がっていれば多くの企業の株価が上がっている、下がっていれば多くの企業の株価が下がっていると読み取ることができるため、誰にでもわかりやすい指標といえるでしょう。

日本株全体のトレンドを把握することができるので、日本の投資家のみならず海外の投資家も参考にしている指標です。ただし、日経平均株価は “値がさ株”の影響を受けやすい性質があり、値がさ株が大きく値上がりすると、他の銘柄の株価が下落していても日経平均株価は上がるということが起こり得ます。

値がさ株とは株価が高い銘柄のことで、日経平均株価に与える影響が大きいといえます。ちなみに、日経平均株価に対するみなし株価の比率はウェイト(構成比率)と呼ばれ、これによって日経平均株価への影響力を推し量ることができます。
 

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日経平均株価を予想する目的とメリット

日経平均株価の予想は、株式投資をタイミングよく行うために必要です。日経平均株価を予想することの具体的なメリットについて説明します。

相場を完全に予想することはできないが強い味方になる

日経平均株価はチャートで視覚的に把握できるので、トレンドを見たり、過去の動きと比較したりしやすいという特徴があります。実際のパターンが現在の相場と合致するとは限りませんが、パターンから今後の動きをおおまかに予想することは可能です。

経済に関する知識が浅くても、数値化された日経平均株価によってある程度予測できることは、投資家にとってメリットといえるでしょう。

相場の先行き、市場参加者の心理状態が見えてくる

日経平均株価は、チャートで過去から現在までの推移を見ることができるため、そこから次の動きを予想することが可能です。例えば日経平均株価が高値圏または安値圏にあるとき、取引量は増加します。その後、反転または上昇・下降トレンド入りといった変化が見られることが多いため、日経平均株価から市場参加者の心理状態と先行きを予測することができるのです。

予想することで投資シナリオを立てられる

日経平均株価を長期スパンで見ることで、日本の株式市場全体の大きなトレンドを掴むことができますが、過去のトレンドパターンと比較しながら先の展開を予想することも可能です。それをもとに自分の投資シナリオを立てることができます。

日経平均株価から相場を予想する方法

次に、日経平均株価から今後の相場を予想する具体的な方法を紹介しましょう。相場の予想にはさまざまな方法がありますが、ここではテクニカル分析に絞って解説します。

投資は上昇トレンドに乗るほうが勝率は高い

まず、相場を予想することの必要性について考えてみましょう。相場に明確な方向性が表れることをトレンドといい、日経平均株価の安値を切り上げ、高値も切り上げている状態が上昇トレンドです。上昇と調整を繰り返しながら右肩上がりになっている状態で、上昇トレンドを察知してタイミングよく買えれば、上昇の波に乗ることができるでしょう。

上昇トレンドで買い、下降トレンドで手放すことを順張りといいます。順張りは、投資期間が長くなるほどリターンが大きくなるのが特徴です。

トレンドを把握するうえで代表的な方法【テクニカル分析】を紹介

トレンドやパターンを把握する方法には、テクニカル分析とファンダメンタル分析があります。テクニカル分析とは過去の値動きをチャートで見て、上昇や下落といったトレンドを見たりパターンを見たりすることで、今後の株価を予想する方法です。

ファンダメンタル分析は、景気や金融政策、財政政策などの動向や変化が市場に及ぼす影響を分析して相場の方向性を予想する方法で、銘柄選定の際は専門的な知識が求められます。

テクニカル分析は、経済に関する専門的な知識は必須ではないため、チャートを見ながら視覚的に分析できるというメリットがあります。トレーディングツールなどでも容易にテクニカル指標を把握できるので、おすすめの分析方法です。

テクニカル分析の種類

テクニカル分析にはトレンド分析、オシレーター分析、フォーメーション分析などがあり、それぞれに多くの種類があります。たとえばトレンド系は価格の方向性を把握するのに適していて、移動平均線やDMI、一目均衡表などがあります。

オシレーター分析は買われすぎ、売られすぎを判断したり、変化の大きさを察知したりする際に適した分析で、RSIやストキャスティクス、移動平均線乖離率などがあります。

フォーメーション分析は特徴的なパターンから値動きを予想する手法で、ダブルボトムやダブルトップ、ヘッドアンドショルダーズなどがあります。

トレンドを知る方法(1)移動平均線

前章で「上昇トレンドに乗るのがおすすめ」と書きましたが、トレンド分析は投資をする上で非常に重要です。まずは、トレンドを分析する手法としてメジャーな移動平均線について説明します。

▽移動平均線の例

 

移動平均線には短期線、中期線、長期線がある


移動平均線は、一定期間の株価の平均値を算出してグラフ化したもので、相場全体のトレンドの確認に適しています。移動平均線には短期線、中期線、長期線があり、それぞれ以下の期間に設定するのが一般的です。
  • 短期線:10日線、25日線
  • 中期線:75日線、100日線
  • 長期線:200日線
エントリーのタイミングの信頼性は短期線のほうが高く、トレンドの方向性を把握するには長期線のほうが適しているといわれています。

上昇トレンド・下落トレンド・もみ合いトレンドを理解しよう

移動平均線の見方ですが、移動平均線が上向き(右肩上がり)の場合は上昇トレンド、下向き(右肩下がり)の場合は下落トレンドと判断できます。移動平均線は常にどちらかに傾いているわけではなく、値動きの幅が小さいため横ばいになることも。それを「もみ合いトレンド」といいます。

移動平均線を活用して、トレンドが変わるタイミングを見極めてエントリーしましょう。移動平均線から売買のタイミングを探る場合、押さえておきたいポイントは以下の2つです。

・買いのタイミング:下落トレンドが上昇トレンドに変わるとき

下落トレンドが続いた後に株価が上昇し始めた場合、短期線が長期線を下から上に突き抜けるポイントに注目してください。これは「ゴールデンクロス」と呼ばれる上昇トレンドに入る兆しで、買いのタイミングと判断できます。ただし一時的な調整である可能性もゼロではないので、資金は少なめに投入するのがおすすめの買い方です。

▽ゴールデンクロスの例

 


・売りのタイミング:上昇トレンドが下落トレンドに変わるとき

上昇トレンドが下落トレンドに変わるときは、売りを検討すべきタイミングになります。短期線が長期線を上から下へ突き抜けることを「デッドクロス」といい、下落トレンドへの転換の兆しと判断できます。一時的な下落の可能性もありますが、デッドクロスが発生したら売るタイミングを探し始めることになるので、注視しておきましょう。

▽デッドクロスの例

 

上昇途中の押し目で買うテクニック

移動平均線には、投資家の心理状態が表れます。上昇トレンドにある株は「できれば安いタイミングを見極めて買いたい」という心理が働くため、上昇トレンドを維持しながら移動平均線と株価がタッチするタイミングは買い手が多くなります。上昇トレンドでは基本的に株価は上がりますが、その後少し下がる(押し目をつける)傾向があるため、上昇トレンドの銘柄は押し目のタイミングで買うのがおすすめです。

▽押し目のタイミングの例(水色:株価 灰色:移動平均線)

 


一方、下降トレンドが続いた後で上昇トレンド入りの兆しが見られた銘柄は、株価が移動平均線を超えたポイントで買うのがおすすめです。株価が移動平均線を超えたタイミングは、「もっと上がるかも」という心理が働き、上げ幅が拡大する可能性があるからです。

▽株価が移動平均線を超えたタイミングの例(水色:株価 灰色:移動平均線)

 

トレンドを知る方法(2)ローソク足

次に、ローソク足を用いた分析方法を紹介しましょう。ローソク足を表示したチャートは、日本ではポピュラーです。相場の状態や流れが一目でわかるのが、ローソク足のメリットです。

ローソク足は日本で誕生

ローソク足は始値、高値、安値、終値を表しています。これは、約300年前にコメ相場の推移を見るために日本で誕生した分析方法です。

ローソク足のローソク部分(実体部分)は始値と終値を表します。始値より終値が高かった場合は「陽線」と呼ばれる白抜きのローソクで、始値より終値が低かった場合は「陰線」と呼ばれる黒塗りのローソクで表します。

▽ローソク足

上ヒゲと呼ばれるローソクの上の線の先端はその日の高値、下ヒゲと呼ばれるローソクの下の線の先端はその日の安値を表します。1日の動きを表す場合は日足、1週間の動きを表す場合は週足、1ヵ月の動きを表す場合は月足と呼ぶので、覚えておくとよいでしょう。ローソク足には、以下の9種類があります。

▽ローソク足の種類とその意味
 

3本のローソク足を組み合わせると相場の先読みができる

ローソク足は1本でも相場の様子を推し量ることができますが、3本組み合わせると、相場のトレンドをより高い精度で先読みできます。代表的な見方は5つあるので、呼び名とともに紹介しましょう。

上昇トレンド【赤三兵】【明けの明星】【三川】

上昇を表すローソク足の組み合わせは3種類です。赤三兵(あかさんぺい)は大陽線が右肩上がりに3本並んだ状態のことで、3日連続で高値引けしたことを示します。明けの明星(あけのみょうじょう)は、1日目は陰線、2日目は小さな陽線、3日目は大陽線という組み合わせです。3本を1本にまとめて表示すると、下ヒゲの長い陽線(下影陽線)となり、底入れを示唆するシグナルになります。三川(さんせん)は大陽線が上下しながら3本並んだ状態で、上昇継続を表します。

▽赤三兵(あかさんぺい)

▽明けの明星

 

▽三川(さんせん)

下落トレンド【三羽ガラス】【宵の明星】

下落を表すローソク足の組み合わせは2つ。「三羽ガラス」は大陰線が右肩下がりに3本並んだもので、下降トレンドを表します。「宵の明星(よいのみょうじょう)」は、1日目は陽線、2日目は小さな陰線、3日目は大陰線という組み合わせです。3本あわせると上影陽線になり、天井を示唆しています。

▽三羽ガラス

 


▽宵の明星

 

まとめ:株式チャートを活用して相場を先読みしてみよう

日経平均株価は日本株全体のトレンドを把握できる指標で、先読みすることで投資ではプラスに働きます。日経平均株価で未来を完全に予想することはできませんが、分析次第では投資の強い味方になるでしょう。

分析方法は、経済に精通していない投資家でもチャートで視覚的にトレンドを把握できるテクニカル分析がおすすめです。移動平均線やローソク足を活用して、相場を先読みしてみましょう。上昇トレンドのときに買い、下降トレンドのときに手放す「順張り」のほうが勝率は高いといわれています。

文・青山 香
 

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