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2021.3.6

株式投資を1万円から始められるミニ株(単元未満株)投資。そのメリットとデメリットとは?

(写真=beeboys/stock.adobe.com)
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企業に出資することで利益の獲得を目指す株式投資は、一般的にまとまった資金が必要とされます。しかし「ミニ株」(単元未満株)を利用すれば、1万円程度の資金で株式投資が可能になります。ミニ株のメリットとデメリットを確認し、少額から株式投資をスタートしてみましょう。
 

株式投資を始めるにはどのくらいの資金が必要か?

株式投資は、企業が資金調達のために発行する株式を購入し、オーナーとして利益の獲得を目指していく投資です。では、株式投資を始めるには、どのくらいの資金が必要なのでしょうか。株式の基本事項と併せて、確認します。

最低投資金額は「株価×単元株数」で決まる

株式の売買価格は、各銘柄の1株当たりの株価をもとに計算されます。しかし、株式は原則として1株では購入できず、100株を1単元として取引されます。つまり、1単元株数以上での取引となるので、最低投資金額は「株価×1単元株以上」となります。

そのため、株価5,000円の銘柄を購入しようとする場合、最低投資金額は50万円(5,000円×100株)になるのです。投資を検討する銘柄がいくらで買えるかを確認するには、株価と併せて単元株数も確認しましょう。

東証第1部上場銘柄の株価平均は約2,200円

株価は、市場の状況や企業業績を反映して上下します。銘柄によって100円程度のものから数万円のものまで幅広くあるため、一般的な株価がどのくらいかは一概にはいえません。なお、日本取引所グループが発表した統計によると、東証第1部上場銘柄および第2部上場銘柄における2020年11月の加重株価平均は、以下のとおりです。
  • 東証第1部上場銘柄:2,235円
  • 東証第2部上場銘柄:673円
大企業が多く上場する東証第1部は、第2部に比べ株価平均が高くなっています。東証第1部上場企業への投資を考えている人は、まとまった資金を用意する必要があります。

単元株未満で株式投資をするなら「ミニ株」を検討しよう

ここまで解説してきたとおり、株式の売買は原則として単元株単位で行われます。ただし、「ミニ株」を利用すれば単元株未満での取引も可能になります。ミニ株とは、単元未満である1株から株の売買が可能になるサービスです。つまり、まとまった金額を用意せずとも、数百円~数千円程度で株式投資ができるようになるのです。

用意できる資金が少ない場合や、いきなり大きな資金を投資するのが心配だというときには、ミニ株での投資にチャレンジしてみましょう。
 

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ミニ株を活用する3つのメリットとは?

ミニ株での株式投資には、どのような特徴があるのでしょうか。3つのメリットで確認します。

ミニ株のメリット1:少ない資金で株式投資ができる

ミニ株のメリットの1つめは、少ない資金で株式投資ができる点です。投資初心者が最初から大金を株の購入に投じるのはリスクがあります。しかし、少額から株式投資ができるミニ株であれば、低リスクで株式投資にチャレンジできます。

ミニ株のメリット2:有名企業の株を保有できる

ミニ株のメリットの2つめは、株価が高く単元株では手が届かない銘柄でも、ミニ株を活用することで株主になれるチャンスが生まれることです。たとえば、東証第1部上場銘柄である任天堂の2020年12月18日の株価は、6万6,720円です。単元株数は100株なので、単元株での取引では600万円以上の資金が必要になる計算です。しかし、ミニ株を利用すれば、6万6,720円から投資ができるのです。このように、少額から株式投資を楽しめるのが、ミニ株の大きな特徴だといえるでしょう。

ミニ株のメリット3:単元株投資の第1ステップになる

ミニ株のメリットの3つめは、単元株投資の第1ステップとして有効である点です。先述のとおり、単元株投資ではある程度まとまった資金を投入する必要があります。しかし、投資経験が少ない人のなかには、最初から多額の資金を株で運用することを不安に感じる人も少なくありません。ミニ株投資であれば、株式投資の初心者も少額投資を続けつつ、知識や経験を得ることができます。そして自信がつき、資金も潤沢になったら、満を持して単元株投資にチャレンジできるようになるでしょう。

ミニ株のメリット4:手持ちの資金内で分散投資を目指せる

ミニ株のメリットの4つめは、資金内で分散投資を目指せる点です。分散投資とは、投資先を1つに限定せず、複数の資産に分けて投資することです。これにより、値下がりなどにより資産が減るリスクを分散する効果があります。

仮に、50万円の資金で株式投資をするとします。単元株の取引では、1もしくは2銘柄しか購入できないかもしれません。この場合、投資した銘柄が値下がりすると、損失をそのまま被ることになります。一方、ミニ株で投資をした場合には、より多くの銘柄への投資が可能です。

複数の銘柄に投資をすれば、一部の銘柄が値下がりしたとしても、値上がりした銘柄の利益で損失を相殺できるケースも十分に考えられます。やや極端ですが、ミニ株で1万円ずつ50銘柄に分散投資することも可能なのです。

分散投資は値動きの幅が大きい株式投資におけるリスク軽減に効果的です。ミニ株を利用すれば、手持ちの資金額に関わらず分散投資を実施しやすくなります。

ミニ株投資で知っておきたいデメリット2つ

ミニ株投資には、知っておくべきデメリットもあります。通常の単元での株式取引とは異なる部分をよく確認し、理解したうえで投資するようにしましょう。

ミニ株のデメリット1:単元株取引とは注文方法が異なる

ミニ株のデメリットの1つめは、単元株取引とは注文方法が異なる点です。それぞれの注文方法の特徴を、表1にまとめます。

▽表1.単元株とミニ株の注文方法の違い
 
単元株 ミニ株
リアルタイムな価格で取引
(指値注文もしくは成行注文)
リアルタイムな価格での取引はできない

単元株は、売買価格を指定して注文する指値(さしね)注文もしくは、市場価格ですぐに約定をする成行(なりゆき)注文で取引します。そのため、投資家の希望する価格での約定を目指しやすい側面があります。

一方ミニ株は、リアルタイムな価格での取引はできません。売買の注文をしてから約定されるまでには、一定の時間がかかります。そのため、約定株価の予測が立てづらい点には注意が必要です。なお、いつの株価が約定に適用されるかは、証券会社により異なります。

ミニ株のデメリット2:ほとんどの銘柄では株主優待が受けられない

ミニ株のデメリットの2つめは、ほとんどの銘柄で株主優待の対象外となる点です。株式投資で期待できる利益には、株価の値上がりによる売却益のほかに配当金や株主優待があります。配当金は、保有株数に応じた金額が支払われるため、ミニ株投資も対象となります。

一方、株主優待は一定株数を持っている株主を対象としています。そのため、少ない株数で投資を行うミニ株では、多くの場合株主優待を受け取れません。

ただし、1株から株主優待を贈っている一部の銘柄では、ミニ株でも優待を受けられるケースがあります。優待の対象となるかは、各企業の優待情報で確認しましょう。なお、同じ企業のミニ株を定期的に買い続け、1単元にすることもできます。

ミニ株の取り扱いがあるネット証券会社を3つ紹介

ミニ株は、証券会社が提供するサービスの1つです。そのため、すべての証券会社でミニ株を取り扱っているわけではありません。ここでは、ミニ株取引ができる3つのネット証券を紹介します。

SBI証券:S株

ネット証券口座開設数第1位のSBI証券では、単元未満株サービス「S株」を提供しています。S株の概要は、表2のとおりです。

▽表2.S株の概要
 
項目 詳細
取引口座 特定口座/一般NISA/ジュニアNISA
注文時間:約定株価 0時~7時:当日前場始値
7時~10時30分:当日後場始値
10時30分~13時30分:当日後場終値
13時30分~24時:翌営業日前場始値
手数料(税抜き) 約定代金×0.5%(最低手数料50円)

S株の特徴は、注文から約定までの時間が比較的短い点です。そのため、ミニ株でありながら市場の株価をチェックした取引がしやすくなっています。

auカブコム証券:プチ株

auカブコム証券は、三菱UFJ証券とauが共同出資するネット証券です。auカブコム証券には、単元未満株の株取引サービスとして「プチ株」があります。概要を表3で確認しましょう。

▽表3.プチ株の概要
 
項目 詳細
取引口座 特定口座/一般NISA/ジュニアNISA
注文時間:約定株価 0時~10時:当日後場始値
10時~23時:翌営業日前場始値
23時~24時:翌営業日後場始値
手数料(税込み) 約定代金×0.5%(最低手数料52円)

プチ株には、毎月500円以上1円単位で積み立てができる「プレミアム積立(プチ株)」があります。プレミアム積立の特徴は、買付手数料が無料な点です。毎月決まった日にちに自動的に買い付けがされるため、少しずつ確実に投資資産を増やしていくのに適したサービスだといえるでしょう。

マネックス証券:ワン株

マネックス証券は、手ごろな手数料と豊富な商品・サービスを強みとするネット証券です。マネックス証券では、ミニ株サービスとして「ワン株」を取り扱っています。ワン株の概要は、表4のとおりです。

▽表4.ワン株の概要
 
項目 詳細
取引口座 特定口座/一般NISA/ジュニアNISA
注文時間:約定株価 0時~11時30分:当日後場始値
11時30分~17時:受付停止
17時~24時:翌営業日後場始値
手数料(税抜き) 約定代金×0.5%(最低手数料48円)

ワン株には、11時30分~17時までの注文受付停止時間がある点には注意しましょう。マネックス証券は、米国株の取扱銘柄数が多い証券会社です。将来的に米国株への投資も考えている場合は、マネックス証券でミニ株投資をスタートしてもよいでしょう。

ミニ株を始めるには証券総合口座を開設しよう!

ミニ株投資をするにはまず、証券会社で証券総合口座を開設する必要があります。ここでは、ネット証券における一般的な口座開設手順を紹介します。NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)口座での取引を希望する場合には、併せてNISA口座(一般NISA口座)も開設しましょう。

証券口座の開設手順1:開設の申し込み

証券総合口座を開設するには、各証券会社のホームページから口座開設の申し込みをします。NISA口座の開設も希望する場合には、併せてNISA口座の開設も申請しましょう。

証券口座の開設手順2:必要書類の準備と提出

開設申し込み後は、本人確認書類およびマイナンバー書類を提出します。それぞれの書類の一例を、表5で確認しましょう。

▽表5.マイナンバー書類および本人確認書類の一例
 
  書類名
マイナンバー書類 ・マイナンバーカード
・通知カード
・マイナンバーが記載された住民票の写し(※1)
・マイナンバーが記載された住民票記載事項証明書(※1)
本人確認書類 ・運転免許証
・パスポート
・住民基本台帳カード
・健康保険証
・住民票の写し(※1)
・印鑑登録証明書(※1)
・在留カード(※2)
・特別永住者証明書(※2)

※1:発行から6カ月以内のもの
※2:外国籍の人の場合

提出を求められる書類の種類や組み合わせは、証券会社により異なります。提出書類に不備があると、口座開設に時間がかかることもあるため、あらかじめしっかりと確認し書類を揃えることが重要です。

本人確認書類およびマイナンバー書類は、パソコンやスマートフォンからのアップロードもしくは、郵送で提出します。どちらを選ぶかにより、開設までの所要日数に差がでることがあるため、事前に確認すると安心です。

証券口座の開設手順3:初期設定

証券総合口座の開設が完了したら、初回ログイン時に初期設定を行います。初期設定では、おもに以下の項目への入力が必要です。
  • 国籍
  • 職業
  • インサイダー登録
  • 年収および金融資産
  • 投資経験およびリスク許容度
  • 投資方針および投資目的
  • 振込金融機関の口座情報
初期設定が完了するまでは、株取引はスタートできません。スムーズに株の売買を始めるには、速やかに必要事項の入力を済ませておきましょう。

・NISA口座は開設までに2週間程度かかる点には注意

税制優遇が受けられるNISA口座は、公平を期すために1人1口座しか開設できません。1人で複数の口座を保有していないかを確認するため、NISA口座開設時には税務署で審査が行われます。そのため、NISA口座の開設には2週間程度かかる点には注意しましょう。

なお、SBI証券ではNISA口座開設前に「仮開設」口座で取引ができます。これにより、オンライン開設では最短2営業日、郵送開設では最短7営業日でNISAでの取引が可能になるのです。NISA制度を活用した投資を早くスタートしたい人は、SBI証券の利用も検討しましょう。

まとめ:初心者でも始めやすいミニ株投資。1万円からスタートしてみては?

通常、数万円から数十万円の資金が必要とされる株式投資も、ミニ株を利用することで1万円程度から株の売買ができるようになります。また、ミニ株を使い少額から株式投資を行うことで、知識や経験の蓄積も目指せます。ミニ株を活用し、株式を組み入れた資産形成をスタートしてみてはいかがでしょうか。
 
文・
都市銀行にてファイナンシャルプランナーとして主に、富裕層の資産形成・運用相談を担当。投資信託や保険商品・債券・外貨預金の販売に携わる。その後はWEBライターとして、投資や資産形成についての情報を発信。子供の学費や老後資金作りのため、自らも20代から資産運用を続けている
 

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