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2021.2.7

長期投資におすすめの投資手法、金融商品は?メリット・デメリットを解説

(写真=takasu/stock.adobe.com)
(写真=takasu/stock.adobe.com)
投資手法には、金融商品の価格変動をとらえ、短期的な売買によって利益を狙う短期投資と、投資先の成長などによる価格上昇を狙う長期投資に大別されます。

短期投資では価格変動が大きい金融商品が好まれる傾向がありますが、長期投資では投資先をじっくり調べたうえで選ぶ必要があります。

今回は「長期投資」に着目し、投資先の選び方や長期投資のメリット・デメリットについて解説します。
 

投資には短期と長期がある

投資手法は、投資期間と利益を得る手段によって短期投資・長期投資に大別されます。デイトレードやスイングトレードなどの短期投資では金融商品の短期的な価格変動による利益を狙うため、価格が低く価格変動が大きい金融商品が好まれます。

短期売買は市場に流動性をもたらす面もありますが、利益の源泉は他者の損失であり、全体としてはプラスマイナスゼロの「ゼロサム・ゲーム」といえます。

対して長期投資は、株式投資では投資先企業の成長や新しいサービスなどによる企業価値の上昇に伴う株価の値上がり(キャピタルゲイン)と、保有期間中に得られる配当金など(インカムゲイン)を狙う投資手法です。流動性は下がるものの、投資先の成長を利益の原資とするため、他者の動向には比較的関係しません。長期投資は企業価値などの上昇を伴うため、損失を被る人がいない「プラスサム・ゲーム」といえます。
 

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長期投資のメリットとデメリット

短期投資はマネーゲームの性格が強く、長期投資は資産運用の王道といったイメージがあります。よい印象をもたれやすい長期投資ですが、やはりメリットとデメリットがあります。長期投資のメリットは、以下のとおりです。

長期投資のメリット1:大きな利益を手にする可能性がある

優良な投資先を選ぶことができた場合、長期投資は高いパフォーマンスを実現できます。

たとえば、コカ・コーラ(KO)は成長株として知られています。コカ・コーラの株価は、1980年の段階では70セントでしたが、2020年12月8日現在の株価は52ドル81セントと、40年で約75倍に成長しています。

長期投資のメリット2:売買頻度が少ないため手数料を抑えられる

手数料はパフォーマンスを押し下げる要因になるため、手数料の削減は資産運用における重要なテーマといえます。長期投資は、購入した金融商品を保有し続ける「バイ・アンド・ホールド」が基本です。

株式などの金融商品は基本的に売買のたびに手数料が発生するため、売買頻度が少ない長期投資には手数料を節約する効果があります。

長期投資のメリット3:複利効果

長期投資の大きなメリットに、利息が利息を生む「複利効果」があります。複利は単利よりも投資効率に優れており、以下のように時間経過とともにパフォーマンスに大きな差が生じます。

たとえば、年利5%で300万円を複利と単利でそれぞれ30年間運用した場合、単利では750万円になりますが、複利では約1,300万円になります。このように長期投資においては、時間を味方につけることができ、複利効果を最大限に得られることになります。

一方で長期投資には、以下のようなデメリットがあります。

長期投資のデメリット1:時間がかかるので下落相場に耐えるのが辛い

長期投資では、資産価値の成長を待たなければなりません。

投資期間中に景気の悪化によって下落相場になった場合は、価格が上がりにくくなるだけでなく、場合によっては「含み損」を抱えることもあります。

人間は「損失を被った場合」に、「得られるはずだった利益を得られない場合」の2.5倍の痛みを感じるといわれています。含み損を抱えた状態では、強いストレスを感じることになるでしょう。

人によっては含み損の状態に耐えられず、損失を確定して長期投資をやめてしまうかもしれません。

長期投資では、下落相場にいかに耐えられるかが重要です。目先の相場に一喜一憂しないことも長期投資を成功させるポイントといえるでしょう。

長期投資のデメリット2:長期保有で利益が出なかった場合に投資時間が無駄になる

長期投資では投資期間を長くすることで複利効果を高め、より大きい利益の獲得を目指します。しかし、投資先の選択を誤ってしまうと想定していた利益が得られず、投資時間が無駄になりかねません。

長期投資では利益の不足を取り戻すことにも長い時間がかかるため、最初にどの投資先を選択するかが非常に重要といえます。

長期投資におすすめの株式への投資手法とは?

投資を始めるとき、最初に思いつく投資先に株式があるでしょう。成長する銘柄へ投資ができれば、株価の上昇による利益は比較的大きく期待できます。また、株価以外に、配当金や株主優待などの利益も期待できるので長期投資に適しているといえるでしょう。以下、株式投資の基本について、長期投資の視点から解説します。

株式投資とは?

株式は企業の所有権を細分化したもので、景気や投資先企業の業績などによって株式の価格(株価)は変動します。また、株式投資では比較的大きな利益が期待できるため、リスクへの備えだけでなく税金対策も重要になります。

・一般NISAの活用

株式投資では、大きな利益が期待できるものの、得た利益(譲渡益や配当金)に対して約20%の税金がかかります。長期投資で得られた利益をできるだけ自分の手元に残すためには、一定額までの投資による利益が非課税になる一般NISAの活用をおすすめします。

・分散投資が重要

投資を行う際、優良な投資先に資金を集中させるのが理想ですが、予想に反して利益を得られなかった場合は投資期間が無駄になってしまいます。そのリスクを抑えるためには、複数の企業に分散投資をすることが重要です。

・損切りが重要(購入した理由がなくなったら売る、想定より損失が広がったら売るなど)

長期投資においては、投資先の選別が大きな意味を持ちます。投資先企業の商品・サービスの陳腐化などによって今後企業価値の成長が見込めないと判断した場合や、不祥事などで企業価値が大きく毀損した場合は株式を売却し、他の投資先を探すことが重要です。

投資期間1年以上とするなら、企業の決算情報は重要

株式投資では投資先企業が「決算」を迎えると、1年間の企業活動の成果を知ることができます。決算情報は決算時期の約2ヵ月後に発表されることが多いです。内容を確認し、企業の収益力、成長力を確認しましょう。長期投資を行うなら、ニュースや流行などに左右されることなく、企業業績を正しく把握したうえで長期的な視点で投資を行うようにしましょう。

バリュー株への投資

あまり評価されていない商品やサービスなどがあり、潜在的な企業価値に対して株価が割安になっている企業を見つけて投資する手法をバリュー株への投資といいます。

潜在的に企業価値がありながら低評価の銘柄が、なにかのきっかけで株式市場に認知された場合、比較的短期に株価が大きく上昇することがあるため、大きな投資対効果を期待できるメリットがあります。

このバリュー株の銘柄を探すには、現在の株価と決算情報を分析することが重要です。たとえば、現在の株価が1株あたりの利益の何倍となっているかを表す株価収益率(PER)などが指標となります。

ただし、このようなバリュー株を探す手法は、よく知られており、自分だけの銘柄を見つけるのは難しいかもしれません。ですから、指標にあらわれていない潜在的な企業価値を判断するためには、投資家自身が事業に対する知見を持つ必要があるなど、奥の深い投資手法であるといえるでしょう。

グロース株への投資

現在は小規模ながらも、経営者の手腕や独自の商品・サービスによって今後大きな成長が期待できる新興企業の銘柄をグロース株と呼び、この銘柄に対して投資を行うことをグロース株投資といいます。

大きく成長し、企業価値を大幅に向上させた新興企業は、投資家に大きな利益をもたらします。一方、グロース株はすでに市場から、その将来性に評価を得ていることも多く、株価は割高となっていうケースもあります。そのため、たとえ好調な決算発表がなされたとしても、その内容が市場の期待を下回ると、株価が下がることもあるものです。株価が市場の平均成長率を下回ることもあるため、長期保有においては、その企業価値を信じて株価下落のプレッシャーに耐える局面も覚悟する必要があります。

株主優待のある株への投資

企業によっては、株主に対する特典である「株主優待」を提供しているところがあります。

株主優待には、自社製品やサービスを安価(または無料)で利用できるものもあるため、よく利用する企業の株式を保有していると、株主優待によって家計の節約につながるといったメリットがあります。

しかし、投資先企業の選択が狭まってしまうことと、株主優待は不変のものではなく、企業業績によって廃止・改定される場合もあるといったデメリットがあります。

高配当銘柄への投資

企業活動によって獲得した利益を、株主に分配する割合(配当性向)が高い企業に投資します。配当金によるインカムゲインと株価上昇によるキャピタルゲインの両方を狙うことができます。企業の中には、毎年連続して配当を行うことを目標としていることもありますので、このような銘柄を見つけられれば、長期投資の対象として検討しやすいでしょう。

ただし、配当金を出すことによって企業の投資・成長活動に回せる資金が減少するため、成長速度が鈍化してしまうこともあります。そのため株価上昇を狙う投資家にとっては、高配当銘柄を避ける傾向もあります。また配当額は、企業の業績によって変わるため、毎年同じ金額となるわけではありません。

長期投資におすすめの投資信託の投資手法とは?

投資信託は、多くの投資家から資金を集め、あらかじめ設定された投資対象と運用ポリシーにのっとって専門家が資金を運用し、その収益を投資家へ分配する商品です。株式投資の個別銘柄に集中投資するではなく、その投資方針のなかで多数の銘柄に投資するため、価格変動などのリスクが比較的抑えられています。また運用の専門家(ファンドマネージャー)が運用するため、売買の判断においても自ら行うよりリスクが低いとされています。長期投資を始めるには最適な投資先の1つといえるでしょう。

ただし、投資信託とひと口にいっても、さまざまなテーマや金融商品によって運用されており、実際の選択肢は数千を数えます。良質なものを見分けるためには投資信託ごとの比較・検討を行うことが大切です。

ここで、長期投資を始めたい投資初心者が注目したいのが、つみたてNISAです。つみたてNISAは金融庁が長期・分散・積立に適した投資信託で資産運用が行えるよう制度設計がなされているため、つみたてNISAの対象とされている投資信託を利用すれば、一定の評価を得ている商品へ投資ができるといえます。

投資信託なら非課税で運用できるつみたてNISA、iDeCoでの投資がおすすめ

投資信託には国内外株式が組み込まれているものもあり、比較的大きな利益が期待できます。しかし、大きな利益を上げると相応の税負担が生じます。通常、株式や投資信託での収益には約2割の税金がかかります。

しかし、前述のつみたてNISAやNISA、iDeCo(個人型確定拠出年金)などの制度を利用して運用すれば、一定額までの投資において、利益への課税はなされません。お伝えしたように複利で運用する長期投資においては、2割もの税負担は大きく、ぜひNISAやつみたてNISA、iDeCoなどの非課税制度を利用するようにしましょう。

最初はコストの安いインデックス投資がおすすめ

投資信託への投資では、保有期間中、手数料である「信託報酬」が発生します。信託報酬は運用し資産の0.1%から0.3%程度が多いですが、長期投資では保有期間が長くなるため、信託報酬の負担も大きくなります。投資信託にはインデックス型とアクティブ型がありますが、インデックス型の方が信託報酬は低い傾向です。はじめはインデックス型など、信託報酬が低めの投資信託を選ぶことをおすすめします。信託報酬は、投資信託の目論見書に必ず記載されています。投資前に必ず確認するようにしましょう。

ドルコスト平均法で継続・時間分散を

投資信託は少額からの投資が可能なものが多く、定期的に積み立てて購入・投資ができます。投資信託は基準価額によって売買されますが、この基準価額は毎日変動します。しかし、定期的に積み立てて一定額を投資することで、購入時期を分散することができ、安い時は多く、高いときは少なく購入し続けることができます。これにより価格の高い時期にまとめて購入してしまう高値掴みを避けることができます。この購入・投資方法をドルコスト平均法といいます。

上場型投資信託(ETF)であれば株式市場で売買できるため、どの証券会社に口座を開設しても購入できます。それ以外の投資信託は、証券会社によって購入できるファンドが異なるため、投資信託の取扱本数が多い証券会社を選ぶことが重要です。

SBI証券や楽天証券は投資信託の取扱数が多く、投資信託を利用した長期投資を行う証券会社としておすすめです。

まとめ:長期投資は企業業績の成長に掛ける投資手法

長期投資は投資先を厳選すれば、複利効果を活かして、大きな利益を得られる可能性があります。配当や株主優待なども受けられれば、より高い収益を得られることでしょう。また、短期における価格変動を重視しないことから、株価や投資先の情報確認を頻繁に必要とせず、日中に業務を行う会社員にもおすすめの投資方法といえるでしょう。

そこで重要なのは投資先の選定です。投資先の選択を誤ると利益を得ることはできず、時間も無駄になってしまいます。ですから、決算発表など企業情報を確認し、今後の成長する見込みを十分に検討する必要があります。また、展開している商品・サービスが市場でどのように評価されているかを確認した上で投資を行うようにしましょう。保有中に購入した理由がなくなった場合は潔く売却し、他の投資先を探すことをおすすめします。
 
文・
2級ファイナンシャルプランニング技能士、一種証券外務員資格保有、管理業務主任者 人生のお金の設計図であるマネープランには、マイホームの取得や養育費の準備、老後資金の確保といった問題に対処するため、資産運用やリスク対策の為に各種保険を利用していく必要があります。 複雑化するマネープランに対し、PDCA【Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)】サイクルを利用したコンサルタントを行っている
 

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