投資・資産運用
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2021.2.7

証券会社と銀行の違いとは?資産運用するならどっちがお得?

(写真=ngad/stock.adobe.com)
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資産運用を始めるにあたって、証券会社と銀行のどちらがいいのでしょうか?この記事では、銀行・証券会社それぞれの特徴を解説します。投資を考える場合の、証券会社に向いている人、銀行に向いている人の特徴も紹介するので、これから資産運用をスタートする人はぜひ参考にしてみてください。
 

証券会社と銀行の違いとは?

証券会社と銀行には、それぞれ異なる役割があります。まず、証券会社と銀行はそもそもどう違うのか見ていきましょう。

証券会社と銀行の役割はどう違う?

銀行にお金を預けると、年に2回、預金残高に応じて利息を受け取れます。お金を預けているだけなのになぜ利息が受け取れるのか、不思議に思ったことはありませんか?

実は、銀行は預金者から預かったお金を国や企業に貸し出し、運用しているのです。そして、運用によって得られた運用益の一部を、利息として預金者に還元します。つまり、預金者は銀行を介して国や企業にお金を貸していることになります。このようなお金の流れを、「間接金融」と呼びます。

間接金融では、リスクを負うのは預金者ではなく銀行です。仮に、銀行から貸し付けを受けた企業が倒産しても、預金者の資産には影響がありません。逆に、企業が大きく成長した場合はどうでしょうか。利息額は変わらないため、銀行の利益は増えますが、預金者の利益は増えません。

一方、株や債券を購入することで、国や企業に直接お金を貸すこともできます。この場合、配当金や利息は、企業や国から直接受け取ります。このようなお金の流れを、「直接金融」と呼びます。

直接金融では、株式を発行した企業の業績が、投資家の資産に直接影響を与えます。万が一企業が倒産した場合、投資家は資産を失うリスクがあります。一方、企業が大きく成長した場合、大きなリターンを期待できます。

証券会社の役割は、直接金融を仲介することです。投資家が企業や国にお金を貸す手続きを仲介するのです。銀行と証券会社では「間接金融」と「直接金融」の違いがあること、そして、これが個人の投資においてリスクとリターンに違いがあることを覚えておきましょう。

主な提供サービスも異なる:銀行は「貯める」証券会社は「増やす」

サービスの面でも、銀行と証券会社には違いがあります。

銀行の主なサービスは、お金を「貯める」ことです。また、ライフイベントに関連した金融サービスの提供を強みとしています。マイホームを購入する人に向けて住宅ローンを提供したり、教育ローンや学資保険を提供したり、定年退職した人に退職金の運用を提案したりします。

証券会社の主なサービスは、お金を投資で「増やす」ことです。証券会社は、銀行より多くの投資商品を取り扱っています。また、投資に関する情報をレポートで届けたり、独自の企業分析の指標を公開したり、専門家のコラムを公開したりと、投資家向けの情報が充実しています。

倒産したときの資産の扱いを知っておこう

銀行は、顧客の資産と銀行の資産を分けずに保管します。一方、証券会社には、顧客資産の分別管理が義務付けられています。この違いによって、金融機関が倒産した場合の資産の扱いが変わってきます。

銀行が倒産した場合、預金保険制度によって、一定額までの預金が保護されます。また、銀行を通じて投資信託を購入していた場合、購入窓口の銀行が倒産したとしても、原則として資産は守られます。

保護される預金の上限額は、1,000万円までの元本とそれにともなう利子です。上限額を超える残高については、戻ってくる保証はありません。

一方、証券会社の場合、証券会社が倒産したとしても、原則として資産の全額が保護されます。証券会社は、顧客の資産と自社の資産を分けて管理することが義務付けられています。また、万が一資産を円滑に返還できない時は、投資者保護基金からの補償を受けられます。補償の限度額は、投資家一人当たり1,000万円です。

ただし、商品そのものではなく、換金されて返還されることも少なくありません。そのため、含み損を抱えていた場合などは、損失が発生してしまうことがあります。

証券会社と銀行では、預かったお金の扱いが異なります。両者の違いを知っておけば、万が一のときもあわてず対処できるでしょう。
 

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資産運用するなら証券会社と銀行はどちらがいい?

証券会社と銀行では、提供しているサービスや取り扱っている金融商品が異なります。実際に資産運用を始めるなら、どちらを選べば良いのでしょうか。

続いて、投資対象の種類と、証券会社・銀行が主に取り扱っている金融商品について解説します。

「安全資産」と「リスク性資産」

投資対象には、「安全資産」と「リスク性資産」があります。安全資産とは、値動きの幅が小さく、安定したリターンを期待できる資産です。大きな損失を出しにくい代わりに、大きな利益も望めません。代表的な安全資産は、預金や債券です。

反対に、リスク性資産とは、値動きの幅が大きく、高いリターンを期待できる資産です。大きく損をすることもありますが、大きく儲かる可能性もあります。代表的なリスク性資産は、株式や不動産などです。

証券会社が扱う主な金融商品

証券会社では、安全資産・リスク性資産ともに種類・銘柄が豊富です。証券会社の主な商品には、下記のような種類があります。
  • 株式
  • 投資信託
  • ETF
  • 債券
  • 保険
  • ファンドラップ

銀行が扱う主な金融商品

銀行の強みは預金をはじめとした安全資産ですが、一部リスク性資産も取り扱っています。銀行で取り扱っているリスク性資産の種類は、証券会社より少なく、リスク性資産のなかでも比較的リスクの低いものが中心です。
  • 投資信託
  • 債券
  • 保険
  • 外貨預金
  • ファンドラップ
  • ローン

投資信託に投資したいならネット証券がおすすめ

はじめての投資で、投資信託を買おうと考える人は多いのではないでしょうか。1つの商品で複数の投資先に分散投資できる投資信託は、リスクを抑えて長期的に投資したい人に適しています。投資信託を購入するなら、銀行や大手証券会社よりネット証券がおすすめです。

投資信託の取り扱い数は銀行よりもネット証券の方が多い

2020年12月時点の投資信託の取り扱い数をみてみましょう。

▽ネット証券
  • 楽天証券:2,693本
  • SBI証券:2,651本
  • マネックス証券:1,172本
▽大手証券会社
  • 野村證券:999本
  • 三菱UFJモルガン・スタンレー証券:564本
  • 大和証券:541本
  • みずほ証券:351本
▽銀行
  • 三菱UFJ銀行:470本
  • みずほ銀行:252本
  • 三井住友銀行:197本
こうして比較すると、ネット証券の投資信託の取り扱い数が圧倒的に多いことがわかります。投資信託に投資するなら、ネット証券がおすすめです。

投資初心者が購入しやすい投資信託と避けたい投資信託

続いて、投資初心者が購入しやすい商品と、購入を避けたい商品について解説していきます。

・初心者におすすめのインデックス型投資信託

投資信託の運用方法には、「インデックス型」と「アクティブ型」があります。インデックス型は、日経平均株価やTOPIXなど特定の指数への連動を目指します。一方のアクティブ型は、基準となる指数を上回る運用成績を目指します。

初心者にとっては、リスクを抑えて投資できるインデックス型がおすすめです。インデックス型は、信託報酬と呼ばれる手数料が低いところも魅力です。運用コストが高いと、せっかく投資でリターンを得ても、トータルではマイナスになってしまうことも。最近では、手数料が0円のノーロードの商品も増えてきています。

・リスクも大きいアクティブ型やテーマ型、毎月分配型

一方、避けておきたい投資信託は、アクティブ型やテーマ型、毎月分配型です。

アクティブ型は、運用担当者の手腕で好成績を目指します。その分、信託報酬が高めに設定されています。また、評価額が変動しやすく、リターンが大きくなる可能性とともに、含み損が発生する可能性もあります。

毎月分配型は、運用しながらお金を受け取れるため、一見お得に見えるかもしれません。しかし、分配金としてお金を受け取るということは、投資の元本が減ることを意味します。元本が減少すると、投資効率は悪くなります。

テーマ型は、AI(人工知能)やロボットなど、今後成長が期待できる特定の分野を投資対象とする投資信託です。産業自体の成長は見込めるかもしれませんが、株価は必ずしも産業の成長と連動するわけではありません。資金の出入りが激しく、ブームが去った途端に一気に売られて下落するケースもあります。

自分に関連のあるテーマがあるなどの理由があれば別ですが、信託報酬も比較的高い傾向があるので、一定の投資経験を積んでから選びましょう。

大手ネット証券会社は投資信託が豊富で個人投資家向けサービスにも注力

SBI証券や楽天証券などのネット証券会社は、投資信託の取り扱い本数が豊富です。また、ネット証券は、個人投資家にとって使いやすいサービスが充実しています。

SBI証券・楽天証券では、投資信託を100円から積立購入できます。積立購入なら、少額から始めることができ、購入時期を分散できることから、投資初心者に合った投資方法のひとつです。

また、個人投資家向けのサービスとして、投資の基礎知識を学べるコンテンツや、自分の投資スタイルを知るためのコンテンツが充実しています。初めて資産形成に取り組むなら、サービスが充実したネット証券を選ぶと安心です。

資産運用で証券会社向きの人、銀行向きの人

最後に、銀行と証券会社それぞれについて、どのような人に向いているのか、整理してみましょう。

リスク性資産も含め積極的に投資したい人は証券会社

リスク性資産に積極的に投資したい人には、証券会社での資産運用が向いています。銀行では買えない株式やETFも選べるため、投資の幅が広がるでしょう。

とりわけ、ネット証券は投資信託の取り扱い数が多く、運用手数料も低く設定されています。まずはコストを抑えて投資信託を購入したいと考えているなら、ネット証券がおすすめです。

資産運用以外のお金の相談をしたい人は銀行

住宅ローンや教育ローン、保険など、資産運用以外にも相談したいことがある人は、銀行を利用するのがおすすめです。退職金の運用について一緒に考えてくれたり、お金が足りない時の相談にも乗ってくれたり、銀行ではお金に関する全般的な悩みを相談できます。

まとめ:資産運用するなら証券会社。お金全般の相談は銀行へ

資産運用を始めるにあたって、まずは証券会社と銀行の特徴を押さえておきましょう。直接金融と間接金融では、金融機関に預けた資産の扱いが異なります。

銀行でも投資商品は買えますが、リスク性資産を幅広く取り扱っているのは証券会社です。特に、株式やETFは証券会社でしか購入できません。投資対象としてリスク性資産を検討しているなら、証券会社がいいでしょう。銀行は貯蓄や保険、ローンといったお金全般についての相談に強いので、貯蓄も投資もまとめて相談したいときには強みを発揮しそうです。

大手のネット証券会社なら、投資信託の取り扱いが豊富で、取引手数料も低く設定されています。また、個人投資家向けのサービスも充実しているので、コストを抑えて勉強しながら資産運用をスタートできるでしょう。

文・緒川 棗
 

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