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2021.2.5

必見!金融商品別「運用利回り」ランキング―利回りが高いのは株式か投資信託か、それとも…?

(写真=tamayura39/stock.adobe.com)
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金融商品によって「運用利回り」の水準は異なります。リスクをどの程度許容できるかによって、選ぶべき金融商品は変わります。どの金融商品の利回りが高いのか、ランキング形式で紹介します。人気の投資信託か、投資の代名詞ともいえる株式か、それともREITか……。2021年の投資方針を決める一助として、ぜひご確認ください。

 

投資をする上で考えたい「運用利回り」とは?

そもそも、運用利回りは何によって決まるのでしょうか。まずは基本的な仕組みについて解説します。

利回りは「損失が発生するリスク」と「流動性」の高低で決まる

運用利回りは、投資金額に対する利益(リターン)の比率です。現在、メガバンクの定期預金の金利は年率0.001%程度ですが、定期預金は銀行が破綻しない限りはこの金利が確約されているので、運用利回りが0.001%と低いものの元本保証のリスクは限りなくゼロに近く、いつでも引出しにより現金化ができる金融商品ということになります。

普通預金と同じくらいリスクが低いものの、解約しない限り引出せないため流動性が低くなる定期預金の金利は0.002%程度、元本保証されているものの定期預金よりもさらに解約しにくい個人向け国債の年利が0.05%と、金融商品の運用利回りは現金化のしにくさによっても上昇します。現金化のしやすさを「流動性」といい、現金化がしやすい商品は流動性が高い商品と言い換えることができます。

「見かけの利回り」だけで判断しない

たとえば投資信託の場合、基準価額一覧に運用利回りも表示されています。ただし、表示されている利回りは対象期間が異なる場合があります。1年の利回りが5%のAファンドと、5年の利回りが20%のBファンドを比較すると、Bファンドの運用成績が優っているようですが、年率に換算すれば4%とAファンドに劣ります。長期の利回りは運用年数で割らないと、実際の利回りは判断できません。

「ローリスク・ハイリターン」は存在しない

金融商品のリスクは主に「価格変動リスク」、株式や債券の発行主体の経営悪化が損失を発生させる「信用リスク」、そしてすぐに換金や売却ができない「流動性リスク」に大別されます。外国株などには為替相場の変動により損失が発生する「為替変動リスク」もありますが、これは価格変動リスクの1つとみなすことができます。

これらのリスクの許容幅を大きく取れば、大きな利益=ハイリターンが期待できますが、ハイリターンは損失発生リスクの高さ=ハイリスクと常に抱き合わせの関係にあります。

国債や地方債などの債券は、満期まで持っていれば元本に利息が付いて償還されます。価格変動リスクはほぼゼロといえますが、利回りは小さくなります。株式は債券よりも価格変動リスクが高い代わりに、債券のように金利の上限は決まっていないため、多くのリターンを得る可能性もあります。前者は安定運用を目指した投資、後者は積極運用を目指した投資ですが、同じ金融商品のなかにも安定志向と積極志向のグラデーションがあるため、どちらにウェイトを置くのかを基本方針として定めることが重要です。
 

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金融商品ごとのリスクとリターン

ここからは金融商品ごとのリスクとリターンの違いを見ていきましょう。

預貯金

かつては高金利の時代もありましたが、超低金利の現在では預貯金の利息はほぼ期待できず、メリットは高いセキュリティと元本保証です。一般家庭に現金を保管するよりも安全で、金融機関が破綻した場合でも1,000万円までの元本と利息が保証されます。

ただし、仮に物価が10倍になれば、預貯金の価値は10分の1になってしまうので、インフレにより実質的な資産の目減りが発生する可能性はあります。物価上昇率が預金金利を上回っているときは、預貯金の実質的な価値は小さくなっています。

債券

債券には国債、地方債、社債、外貨建債券などいくつかの種類があります。満期まで持っていれば元金と利息が償還されるため、元本保証に近いことがメリットです。途中で売却することもできますが、ただし中途換金は金利が減り、ゼロになる場合もあります。

デメリットは、価格変動リスクと、発行体の経営悪化や倒産などの信用リスクがあることです。

社債は新発債と既発債で利回りが異なり、新発債は発行したときの額面金額で購入できます。しかし、市場に出て既発債になると需給バランスにより価格が決まるため、利回りは常に変動します。

また外貨建債券の新発債は、発行体の格付が低いと10%を超える金利で募集される場合もありますが、格付が低い以上は信用リスクの高さを許容する必要があります。

外貨預金

外貨預金は、国内預金と比べて金利が高いことがメリットです。ただし、金利が高いのは新興国の預金だけで、先進国は国内の預金金利と同水準まで下がっています。外貨預金は為替相場の動向に左右されるため、ミドルリスクの金融商品と考えたほうがよいでしょう。

株式

株式は投資商品のなかでは最も知名度があり、投資の代名詞ともいえます。銘柄によっては売却益、配当金、株主優待と3つの利益を得ることができるところに大きな特徴があります。外国株取引口座を開設すれば、米国株をはじめ世界の株式に投資することもできますし、最近はスマートフォンのアプリから手軽に取引できるようにもなっています。

ただし、価格変動リスクや信用リスク、外国株の場合は為替変動リスクもあり、自分自身でリスクヘッジを考える必要があります。

投資信託

投資信託は、ファンドマネージャーと呼ばれる投資のプロが個人投資家から集めた資金で運用し、運用益を投資家に分配する金融商品です。

株式投資では、一般的に購入単位(単元)が100株となっているので、通常は万円単位以上が最小投資金額となりますが、投資信託の場合は集めた大きな資金で多種多様な商品を購入するので、個人投資家ごとに見れば単元よりもはるかに少ない株数で購入していることになります。そのため投資信託そのものも百円単位、千円単位で購入可能です。

さらに、一度に購入せずに一定額で定期的に購入する「積立投資信託」であれば、一時的な暴落などのリスクを回避することもできます。個人では購入できないほど多種多様な商品・ジャンルを買うことで、特定の市場や業種での暴落の影響を小さくする「資産分散」や、積立投資信託のように投資時期でリスクを低減する「時間分散」など、分散効果を高めやすいのが投資信託のメリットです。

ただし、投資信託であっても株式市場の動向による価格変動リスクはありますし、海外資産に投資するファンドでは為替変動リスクを受けます。株式ではなく公社債でファンドを組む「公社債投資信託」の場合、価格変動リスクは低くなりますが、利回りも株式投資信託よりは低くなります。ローリスクの債券型とハイリスクの株式型に分散投資することで、全体のリスクを抑えることは可能です。

各国の国債利回りは?

債券投資の代表的な商品が国債です。日本国債だけでなく世界各国の国債が購入可能ですが、格付や利回りはどのくらい違うのでしょうか。

格付とリスクは逆相関

発行する国ごとに政情や経済規模が異なるため、国債のリスクや信用を評価するのは簡単ではありません。そこで指標とされているのが、ムーディーズ、S&P、フィッチなどの世界的格付会社が評価したレーティング(格付)です。

米国債の金利は、長期金利の世界的指標となっています。また流動性が高いことから、他国の中央銀行や政府がドル建てで外貨準備する際に、その投資先としても活用されています。償還期限が1年のものは「割引債」、2年のものは「利付債」として発行されます。ムーディーズによる米国債の格付は、最上位のAaaです。

ドイツ、オランダ、スイス、デンマークなど、政情や経済が安定している欧州諸国の国債は、高い格付となっています。日本、中国、香港など、アジア諸国の格付は総じて低めになっています。

また、ギリシャ、ロシア、ブラジル、アルゼンチンなど、何らかの政情不安や金融危機のあった国々は、債務不履行の恐れがあります。そのため、格付はかなり低くなります。

信用度が高い国の国債は買い手も多く、利回りは低くなる傾向があります。逆に信用度が低い国の国債は、買い手がリスクを負うために利回りは高めになります。

各国の10年国債利回り

各国の国債利回りはどの程度の水準になっているのでしょうか。SMBC日興証券による 、7カ国10年国債利回りは下表のとおりです。
 
  日本 英国 米国 豪州 ドイツ ブラジル メキシコ
格付 A1 Aa3 Aaa Aaa Aaa Ba2 Baa1
利回り 0.010% 0.170% 0.896% 0.965% -0.637% 6.883% 5.390%

出典:SMBC日興証券 2020年12月11日(豪州のみ12月14日)終値。個人向け10年国債とは利回りが異なります。格付はムーディーズによるものです。

利回り6%のブラジルからマイナス金利のドイツまで、金利の幅がかなり大きいことがわかります。ブラジル国債は高利回りですが、2020年は通貨レアルが下落基調になっており、為替の動向に不安があります。経済状況も安定しているとはいえず、利回りだけで判断できないのが国債投資の難しさです。

運用利回りランキング

では、金融商品別の運用利回りランキングを見てみましょう。利回りは税引き前の数値です。

(1)株式 利回り:TOPIX 10.38%/マザーズ 22.02%

株式市場は何度かの暴落を経験したものの、10年単位で見れば、大きく値上がりしています。10年間の年平均利回りはTOPIXで10.38%、東証マザーズ指数では実に22.02%の利回りとなっています。

▽TOPIXの平均利回り
  • 2010年11月末終値:860.94
  • 2020年11月末終値:1,754.92
▽東証マザーズ指数の平均利回り
  • 2010年11月末終値:384.78
  • 2020年11月末終値:1,232.40

(2)投資信託:利回り2.1~16.1%

投資信託は、株式、債券、REIT、コモディティ(商品)などさまざまな対象に投資します。投資対象によって運用利回りは大きく異なるのが特徴です。BIGTRADERSが発表している投資信託投資対象別の10年間年平均利回りは下表のとおりです。

▽投資信託の投資対象別10年平均利回りランキング
 
順位 投資対象 10年間年利回り 順位 投資対象 10年間年利回り
1 米国株式 16.1% 6 新興国債券 8.7%
2 先進国REIT 15.1% 7 国内株式日経225 7.9%
3 先進国株式 13.3% 8 国内株式TOPIX 7.5%
4 国内REIT 11.9% 9 先進国債券 3.8%
5 新興国株式 9.0% 10 国内債券 2.1%

出典:BIGTRADERS 2019年7月25日時点の数値。

このランキングは、各ジャンルにおける指標銘柄で比較したものですが、ハイリスク・ハイリターンの原則の通り、株式の数値が上位になる傾向があります。債券は低めの数値ですが、新興国債券はリスクが高くなる分、リターンも高くなっています。

(3)REIT:利回り6.4%

REIT(不動産投資信託)は投資信託の一種で、金融商品ではなく不動産でファンドが組まれています。東京証券取引所に上場している銘柄で構成する「東証REIT指数」の、10年間の年平均リターンは6.4%です。

▽東証REIT指数の動き
  • 2010年11月末終値:1,029.00
  • 2020年11月末終値:1,687.98

(4)外貨預金:利回り0.001~5.00%

外貨預金も超低金利の影響で、かつてのような高金利は望めなくなりました。主要ネット銀行3社で、最低預入金額を定期預金口座に預け入れた場合の金利は下表の通りです。ユーロの場合、日本円の定期預金よりも低い金利水準に設定されている銀行もあります。

南アフリカのランドが高金利を保っていますが、外貨預金は円高になると為替差損が発生するリスクがあります。各国の金利差や為替の動向をチェックして判断することが大事です。

▽主要ネット銀行3社の外貨預金 定期預金金利
 
  ジャパンネット銀行 住信SBIネット銀行 楽天銀行
預入期間 1年 2年 1年 2年 1年 2年
米ドル 0.03% 0.190% 0.001% 0.12% 0.10%
ユーロ 0.001% 0.001% 0.001% 0.02% 0.02%
豪ドル 0.001% 0.001% 0.30% 0.20%
英ポンド 0.001% 0.050% 0.20% 0.15%
NZドル 0.001% 0.150% 0.40% 0.25%
南アランド 2.00% 5.00%
人民元 1.15%
カナダドル 0.001% 0.130%
スイスフラン 0.001% 0.001%
香港ドル 0.001%

引用:2020年12月14日現在、各ネット銀行のホームページより編集部調べ

(5)銀行預金:利回り0.02~0.15%

普通銀行よりも金利が高い主要ネット銀行3社の定期預金口座に、100万円未満の金額を預けた場合の金利です。0.02%の金利では、100万円を1年預けても利息が200円にしかなりません。定期預金はいまや資産運用というよりも、資金保管の手段となっていることがわかります。

▽主要ネット銀行の定期預金金利
 
  1年 3年 5年 10年
ジャパンネット銀行 0.02% 0.02% 0.02% 0.03%
住信SBIネット銀行 0.15% 0.02% 0.02%
楽天銀行 0.02% 0.02% 0.02% 0.02%

引用:2020年12月14日現在、各ネット銀行のホームページより編集部調べ

楽天銀行では、マネーブリッジというサービスを利用すると普通預金金利が0.10%となり、通常の定期預金よりも高金利になります。他にも金利優遇サービスを行う銀行もあるので、なるべく有利な条件で口座を開くことが超低金利の改善につながります。

(6)個人向け10年国債:利回り0.05%

個人向け10年国債利回りは0.05%という水準が続いています。1万円単位で購入でき、金利が低下しても0.05%の利回りは保証されるため、事実上の元本保証商品と考えられます。

まとめ:許容できるリスクと、求めるリターンを一致させることが投資戦略の根本

預貯金、債券、外貨預金、投資信託、株式と、それぞれにリスクの種類と大きさが違い、それに応じた利回りの大きさになっていることが理解できたことと思います。特に国債はリスクとリターンの関係が顕著で、先進国の利回りがいずれも1%以下となっているのに対し、新興国はブラジルで6.883%、メキシコは5.390%と、いずれも高利回りになっています。この差は、信用度の高い国は利回りが低く、リスクの高い国は利回りが高いという原則を、再確認させてくれます。

安定運用を目指せばリスクは低いものの大きなリターンは得られませんし、積極運用には常にリスクがついてまわります。しかし安定運用と積極運用で分散投資する「バランス運用」という方法もありますし、リスクとリターンの設定にはさまざまな手法があります。自分なりの手法の確立が、つまりは投資戦略の根幹であるといえるでしょう。

※記事中の利回りと金利は2020年12月14日現在のものです。
 
文・
日本大学法学部新聞学科卒業。おもに企業系サイトで執筆。金融・経済・不動産系記事を中心に、社会情勢や経済動向を分析したトレンド記事を発信している。
 

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