投資・資産運用
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2020.12.8

投資信託にはどんな種類がある?選び方は?

(写真=994yellow/stock.adobe.com)
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投資初心者に人気の金融商品「投資信託」は、その名前からどのようなものかイメージしづらく、実はよくわからないという人も多いのではないでしょうか。投資信託とはどのようなものなのか、どんな種類があってどう選べばいいのか、詳しく解説します。    
 

投資信託とは?

まず、そもそも投資信託とはどのようなものか確認しておきましょう。投資信託とは、多くの投資家からお金を集めて1つにまとめたものを、投資のプロがさまざまな投資先に分散して投資する商品です。投資信託のことを「ファンド」、運用を担う投資のプロを「ファンド・マネージャー」と呼ぶこともあります。

投資家は投資信託を選んで購入するだけで、あとはプロが個別の投資先や経済状況などを分析し、バランスをみながら、事前に公表している運用方針に最適となるように運用します。「投資」のプロを「信」じて「託」すから「投資信託」、と考えるとわかりやすいかもしれません。

投資信託のメリット

運用をプロに任せられる投資信託ですが、以下2つをメリットとしてまとめておきましょう。

・投資信託のメリット1:運用をプロに任せることができる

自分で個別の株式の銘柄を選んだり、海外の投資商品を購入したりすることは難しく感じるかもしれません。しかし、投資信託なら運用方針を選ぶだけで、あとはプロが運用してくれます。そのため、まだあまり詳しくない投資初心者の方や自分の投資先選びに自信がない方でも取り組みやすく、これが投資信託の人気の理由にもなっています。

・投資信託のメリット2:少額から取り組める

投資信託初心者から人気であるもう1つの理由は、少額の元手資金でも挑戦できるということです。投資信託は数百円、数千円など少額から始められますし、楽天ポイントやTポイントなど、貯めたポイントで投資できるものもあります。このため、投資に失敗しても大きな損害を負うことなく、気軽に取り組めるのがメリットです。

投資信託のデメリット

投資信託のデメリットは、投資のプロに任せることもあって手数料が高くなりがちという点です。購入時、運用中、解約時にそれぞれコストがかかることもあります。投資にある程度見識があり慣れている方などは、そのお金を払って人に任せるのではなく自分で1つひとつ選びたいと思うかもしれません。

また、プロが運用するとはいえ投資ですから当然リスクはあります。預金のように元本保証ではないということもおさえておきましょう。
 
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投資信託にはどんな種類がある?

投資信託にはいくつもの種類があり、どれを選ぶかによって想定されるリスク、リターン、コストなどもさまざまです。そしてその分類方法は複数あります。どのような視点で分類されているのか、ひとつひとつみていきましょう。

投資信託の分類1:投資する資産

まず1つめの分類は、どのような資産に投資するのかという点です。投資信託で投資できる資産には、「株式」「債券」「不動産」などがあります。株式には投資せず、国債や社債などの債券を中心に投資する投資信託を「公社債投資信託」、株式も含めて投資することができる投資信託を「株式投資信託」と区別することもあります。

投資信託の分類2:投資する地域

次は投資する地域で分類する方法です。主な分け方としては、まず「日本国内」、次に「海外」、その海外のなかでも「先進国」「新興国」と区別することもあります。また、さらにアメリカなど特定の国に限定して投資する投資信託も存在し、一方で世界中にまんべんなく投資するタイプの投資信託もあります。

投資信託の分類3:運用方針

投資信託の運用方針には「インデックス型(パッシブ運用)」と「アクティブ型(アクティブ運用)」の2種類があります。インデックス型は、日経平均株価・TOPIX・NYダウなど特定の指数に沿った動きを目指す運用方針で、アクティブ型はそれを上回る運用成績を狙うものです。アクティブ型のほうがリスクを取った運用をしていて高いリターンが狙えますが、手数料も高い傾向があります。そのため初心者にはインデックス型がおすすめです。

投資信託の分類4:分配方法

投資信託には「分配金」があります。分配金は運用で得られた利益の一部を投資家に還元するものです。これをどのような取扱いにするのかは「分配金受取型」と「分配金再投資型」の2種類に分けられます。分配金受取型は、分配金が出たら自分の口座に入金され手元で受け取るタイプです。一方、再投資型は分配金が出ても手元で受け取るのではなく、投資の原資として元本に追加して運用に回すというタイプです。

受取型のほうが手元にお金が入ってくるので、得をしている気持ちになるかもしれません。ただ、再投資型は投資に回す資金を増やすことができ、年数を重ねれば重ねるほど複利で増えていきます。複利はあのアインシュタイン博士が「人類最大の発明」と称したほど、投資期間が長いほど効果を発揮します。そのメリットをしっかりと享受するためには、分配金再投資型のほうがおすすめです。

投資信託の分類5:購入できるタイミング

投資信託には購入できるタイミングが決まっているタイプもあり、「単位型(ユニット型)」と呼ばれています。投資信託ができた最初の一回だけ投資家を募集しているのが単位型、その後も追加でいつでも投資家を募集しているのが「追加型(オープン型)」です。通常目にする投資信託は追加型が主流なので、ほかの分類にくらべ意識することが少ないかもしれません。

ETF、MRF、MMF

似たようなアルファベットが並んでいますが、まずETF(Exchange Traded Funds)は「上場投資信託」のことです。投資信託のなかでも上場しているものを指し、株式のように証券取引所で売買できます。次に、MRF(Money Reserve Fund)とMMF(Money Management Fund)は2つとも「公社債投資信託」で、それぞれ証券会社版の普通預金と定期預金のような存在です。数ある投資のなかでも特にリスクが低いのが特徴です。

投資信託はさまざまな分類の組み合わせで成り立つ

投資信託はここまでに挙げた分類の組み合わせで成り立っています。たとえば「追加型で国内の株式にアクティブ型で投資する投資信託」や「追加型で海外の債券をメインに購入するインデックス型の公社債投資信託」といった形です。

自分が投資しようとしている投資信託はどのようなものなのか、それは目論見書(もくろみしょ)という資料で確認できます。目論見書は証券会社の銘柄紹介ページや投資情報サイトに載っています。

目論見書にはほかにも、どのような投資先にどのような比率で投資をしているのか、過去の運用実績や予想されるリスクなどの情報がまとまっています。実際に投資をするときは、事前にしっかりと目を通しておきましょう。

自分に合った投資信託を選ぶ方法

目論見書をみれば投資信託の中身がわかるとはいえ、それが自分に合った投資信託かどうかはなかなか見分けがつかないかもしれません。日本には投資信託が約6,000本あります。そのなかからどうやって選べばいいのでしょうか。

投資信託の選び方1:投資の目的(リスク許容度)を明確にする

まず、投資をする前に意識したいのが投資の目的です。なにを目的に投資をするのかが明確なら、どのくらいの期間で、いくらくらいのお金をどのくらいのペースで増やせばいいのかを逆算することができます。

たとえば、いま30歳の人が今年生まれたばかりの子どもの大学進学資金に充てるための費用として500万円を用意したいとします。必要な時期は約18年後、運用に回せる余裕資金は月2万5,000円とすると年3%で運用できれば十分達成できることになります。それがわかれば、実際に年3%の結果が見込めそうな投資信託に絞って選んでいくことができます。

・目的が明確なら取れるリスクと求めるリターンもはっきりする

自分のリスク許容度を把握することも投資を始めるうえで重要なことです。投資ではリスクを抑えればリターンが少ない(ローリスク・ローリターン)、高い利益を求めればリスクも高くなる(ハイリスク・ハイリターン)が基本です。

運用に回そうと思っている資金が「5%減る可能性があるけど、5%増える可能性もある」投資信託と、「50%減る可能性はあるけど、50%増える可能性もある」投資信託ならどちらを選びたいでしょうか。あるいは、「10%」と「20%」ならどうでしょう?

どこまでのリスクに耐えられるのか、どれくらいのリターンを目指したいのか、どんなバランスをよしとするかは人によって大きく異なります。年齢や投資経験などにもよりますが、まずは投資の目的を照らして目指すべき到達点をよく考えてみましょう。それから、自身の目的に合いそうな投資信託を選ぶといった順番です。

ただし、いずれにしても生活資金を投資に回すようなことは避けるべきです。投資は当面使う予定のない「余裕資金」で行うのが鉄則ですので注意しましょう。

・それぞれの投資信託のリスクとリターンの関係

投資地域の分類なら、どちらかというと海外のほうがハイリスク、国内のほうがローリスクと考えられます。投資対象の分類でいくと、株式のほうがハイリスク、債券のほうがローリスクです。運用方針ではアクティブ型のほうがハイリスク、インデックス型のほうがローリスクです。

これらの組み合わせを考えて、たとえば「まだ投資は怖いからリスクをしっかり抑えて挑戦したい」ということであれば、日本国債への投資をメインにしているようなインデックス型の投資信託を選ぶとか、まだ年齢的に若くて投資できる期間が長いなどリスクが取れる方は、ハイリターンを狙って海外の株式に集中して投資するような投資信託を選ぶ、といった方法が取れます。

投資信託の選び方2:コストに注目する

投資信託選びで必ずチェックしておきたいのが、その手数料です。投資信託には運営管理費用(信託報酬)などの手数料がかかります。これは1投資信託ごとに決められており、同じ投資対象に同じような方針で投資していく投資信託であっても手数料が大きく違うということもあります。

同じくらいの利益をあげられるのであれば、手数料はできるだけ安いほうが手元に残るお金が大きくなります。投資信託にかかるコストも目論見書や証券会社の銘柄紹介ページなどで確認できます。しっかり比較して低コストなものを選びましょう。

投資信託の選び方3:税制優遇制度を活用しよう

さらに投資信託を選ぶときに検討したいのがNISAやiDeCoといった税制優遇制度を活用することです。これらは国が用意している、投資を促進するための制度です。投資信託などでお金を運用するときに通常であればかかるはずの税金が非課税で済むなど、税制上のメリットを受けることができます。

これらの制度では、すべての投資信託が対象というわけではありません。数ある投資信託のなかでも投資先として選べるのは一部だけと限定されている制度もありますので、活用したい制度の対象になる投資信託を選ぶというのも有効な方法です。それぞれの制度の特徴を確認しておきましょう。

▽NISA、つみたてNISA、iDeCoの税制優遇や利用条件の違い
 
  NISA つみたてNISA iDeCo
税制優遇 ・配当金や分配金や譲渡益が非課税 ・分配金や譲渡益が非課税 ・投資の運用益が非課税

・掛金の全額が所得控除

・受け取り時も控除あり

非課税金額 年間120万円 年間40万円 月額1万2,000円~

6万8,000円

(職業などによる)

非課税期間 最長5年間 最長20年間 60歳まで
投資できる銘柄 株式投資信託、国内外の上場株式・ETF・REIT(不動産投資信託)、ETN(上場投資証券)、新株予約権付社債(ワラント債) 金融庁が「長期・積立・分散投資」に適していると認めた投資信託 定期預金や保険などの

元本保証商品、

投資信託(1金融機関あたり数本~40本程度)

お金の引き出し いつでも可能 いつでも可能 原則60歳まで不可

投資信託の選び方4:リスクを分散させる

投資にはリスクがつきものです。ただ、リスクを抑える方法もあるのであわせて知っておきましょう。

リスクを抑える投資方法として王道ともいえるのが「分散投資」です。投資対象や投資するタイミング、投資する国などを1つに固めるのではなく、いくつもの対象・地域に複数回に分けて投資し、ある投資対象の価値が落ちても残りでその損失をカバーできるような状態にしておくということです。

投資信託はもともと1社の株式だけに依存するといったことはなく、すでに投資のプロによって分散投資が実施されている商品ではあります。

ただ、さらに分散させることを重視してさまざまな国や投資対象に幅広く分散して投資している「バランス型」と呼ばれる投資信託を選んだり、1つの投資信託だけを選んだりするのではなく、国内債券メインの投資信託と海外株式メインの投資信託などの違った値動きを見せる投資信託を両方選ぶことも、リスクを抑える投資方法のひとつです。

自分のお金を一度にまとめて1つの場所に1つの銘柄にまとめて投資するのではなく、分散させて投資するということを、特に初心者のうちは心がけましょう。投資に慣れてきたら重点的に足したいところを追加で購入するなど、自分で資産の組み合わせ(ポートフォリオ)を考え、最適化を目指してみるのも良いでしょう。

投資信託の種類を理解して、自分の価値観に合うものを選ぼう

投資信託にはさまざまな種類があるので一見難しく感じるかもしれません。しかし、必要な情報は目論見書などで確認できますし、1つひとつの要素を分解していくことで理解しやすくなるでしょう。よくわからないまま投資するのではなく、きちんと種類を把握して自分に合ったものを選びましょう。
 
文・
所属・ばばえりFP事務所 代表
関西学院大学商学部卒業後、銀行にてクレジットカードやカードローン、投資信託などの金融商品を扱う窓口営業に従事。 その後、不動産会社や保険代理店での勤務を経て、独立。 お金にまつわる解説記事を数多く執筆。保有資格:AFP、証券外務員一種、秘書検定1級
 

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