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2020.11.25

スイングトレードに向いている証券会社とは?メリット、デメリットを解説

(写真=Phongphan Supphakank/stock.adobe.com)
(写真=Phongphan Supphakank/stock.adobe.com)
株やFXなど、値動きによる差益(キャピタルゲイン)を狙う投資には、短期から長期まで時間軸によっていくつかに分類されます。スキャルピングやデイトレードは最も短期の投資スタイルですが、数日から数週間にわたる保有で損益を確定させるのが「スイングトレード」です。スキャルピングやデイトレードでは頻繁に値動きをチェックする必要がありますが、スイングトレードはやや投資スパンが長くそこまで頻繁なチェックを要しないため、本業が忙しい個人投資家にも人気があります。

この記事ではまずスイングトレードの特徴と、メリットとデメリットを解説します。さらにスイングトレードで活用すべき指標やツールと、スイングトレードに適した証券会社についてもご紹介します。

スイングトレードとは?

スイングトレードとは、数日から1週間、あるいは数週間にわたって株を保有し、その上で売却(信用売りの場合は買い戻し)を行い、損益を確定させるトレード手法のことです。

さらに時間軸が短い投資スタイルには、デイトレードとスキャルピングがあります。デイトレードはデイ(Day)という言葉の通り、1日でトレードを終了させる手法ですが、スキャルピングはさらに短く秒単位、分単位で何度も売買を繰り返し、利益を積み重ねる手法です。

時間や期間を決めて短期投資するのがスイングトレード

この3つの投資スタイルは時間軸こそ異なりますが、あらかじめ決めておいた時間でトレードを終了させることを前提としている点は共通しています。スキャルピングでは長くても分単位、デイトレードは1日、そしてスイングトレードは長くても数週間程度です。それぞれに、以下のような狙いがあります。

▽主な短期投資スタイルとその狙い
 
投資スタイル 狙い
スイングトレード 相場に発生するトレンドの波に乗り、原則としてその波が終了するまでの利益を狙う
デイトレード 1日のうちに発生する値動きを狙う。利益が上がらなかった場合も1日のうちに手仕舞いをするため、リスクを限定できる
スキャルピング エントリーしてからわずかな値動きを狙うため、少しでも利益が出たら利益確定をするのが基本。トレンドが発生していなくても利益を狙える

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スイングトレードのメリットとデメリット

ここからはスイングトレードがどのような投資スタイルであるのかを解説します。特にスイングトレードで大きな利益を狙う際には、メリットとデメリットを十分に理解する必要があります。

スイングトレードのメリット1:仕事が忙しい人でもできる

デイトレードやそれよりも短い時間軸の投資では、株価が動いている日中の時間帯は相場に張り付いている必要があります。しかし、スイングトレードであればそこまで頻繁に売買注文を出すことはないので、日中は本業が忙しい人でも取り組みやすく、大きな不利になりません。

スイングトレードのメリット2:資金効率が高く大きな利益を狙える

デイトレードやスキャルピングは小刻みに売買を繰り返すため、手数料がかさみます。スイングトレードはそこまで売買頻度が高くないため、手数料を低く抑えられます。

スイングトレードはトレンドの波に乗って大きな利益を狙うスタイルのため、同一のトレンド内で何度も売買を繰り返す手法よりも資金効率が高く、売買のタイミングが適切であれば利益も大きくなりやすいのが特徴です。

スイングトレードのメリット3:短期的な値動きに振り回されない

スイングトレードでは、トレンドに乗ったらそのトレンドが終了しそうな時期を予測し、利益を確定させるための指値注文を入れておくのが一般的です。その間は特に相場をチェックする必要はないため、短期的な値動きに一喜一憂せずに済みます。投資にはメンタルとの戦いという側面もあるため、相場に張り付かなくていい期間があることは、長く投資を続けるうえでの大きなメリットといえるでしょう。

スイングトレードのメリット4:「思惑買い」が機能しやすい

株の世界には事件や社会問題、世界情勢、新技術などに関連した「テーマ株」や、株式市場で定期的に発生するイベント(決算や中央銀行の政策決定など)に関連した「イベント株」といった銘柄があり、こうした銘柄を買うことを「思惑買い」といいます。短期売買としては時間軸の長いスイングトレードは、トレンドに乗った思惑買いとマッチした手法といえるでしょう。

続いて、スイングトレードのデメリットも見てみます。

スイングトレードのデメリット1:手数料コスト

デイトレードやスキャルピングよりもコスト面で有利といえます。しかしそれでも短期売買の一種ではあるため、中長期的に株を保有する投資スタイルと比べると手数料は多くなりがちです。

株式投資家のなかには成長性のある銘柄を、売ることを前提にせず長期保有する人もいます。それに対してスイングトレードは最長でも数週間という短期間のうちにトレードを終えて、損益を確定させることが前提です。エントリー時とトレード終了時の2回にわたって手数料を支払うことになるため、繰り返し投資を行うにつれて、手数料負担も積み重なっていきます。

スイングトレードのデメリット2:日をまたぐリスク、週をまたぐリスク

デイトレードは損益にかかわらず、通常はその日のうちにトレードを終了させることが鉄則です。それは、日をまたぐリスクを取りたくないと、多くの投資家が考えるからです。

たとえば東証の取引は15時に終了しますが、欧州や米国の市場は日本時間の夕方から順次取引が始まります。国内市場が閉じた後でも世界は動いているので、株価に大きな影響を与えるようなニュースが飛び出す可能性は十分あります。日をまたいで株を保有したままにすると、ニュースの内容によっては翌日の寄付きで暴落してしまうかもしれません。

これと同様に週をまたぐリスクもあります。土曜日と日曜日の2日間で、大きな出来事があれば、週明けの市場が暴落するリスクもあります。スイングトレードは基本的に日をまたぐ取引のため、国内市場が動いていない時間帯のリスクを避けることは、原理的にできないのです。

スイングトレードのデメリット3:「塩漬け」リスク

スイングトレードでは、超短期売買のようにチャートの動きに敏感になる必要はありませんが、それゆえに株価変動やチャートの動きに鈍感になり、株価が逆行し始めても、つい値戻りを待とうとする心理が働きがちです。場合によっては、含み損を抱えたまま長期間保有する「塩漬け」の状態にもつながります。

塩漬けそのものは必ずしも悪いわけではありませんが、塩漬けになっている株に投じた資金を自由に動かすことができなくなるため、別のチャンスを逃す原因ともなりえます。

スイングトレードに向いている人は?

スイングトレードのメリットとデメリットを理解すれば、どんな人がスイングトレードに向いているのかも見えてきます。
  • 日中は仕事で忙しい
  • 短期スパンでの利益を狙いたい(長期的バリュー投資とは対極の投資スタンス)
  • 長期保有によるリスクを取りたくない
  • 利益確定と損切りについて最初に決めたルールを徹底して守ることができる
特に「決めたルールを守る」ことは、スイングトレードでは最重要の鉄則といえるでしょう。ルール通りに損切りを実行することで塩漬けを回避し、新たな投資機会を作れるからです。ルール遵守が難しそうであれば、長期的バリュー投資など別の投資方法を検討すべきかも知れません。

スイングトレードで利益を出すための4つのポイント

スイングトレードの基本戦術は、「安く買って高く売る」と「高く売って安く買い戻す」の2つです。この2つを想定通りに行えないことには、利益を確定させることができません。そのために特に重要な4つのポイントをご紹介します。

利益を出すためのポイント1:チャート分析

株価の予測に欠かせないのが、値動きをグラフで示したチャートの分析です。景気動向や金融・財政政策などから株価を予測することを「ファンダメンタル分析」と呼ぶのに対して、チャート分析はあくまでもグラフの形状から経験則をもとに株価の値動きを予測するもので、「テクニカル分析」と呼ばれています。「移動平均線」「ボリンジャーバンド」「一目均衡表」など多くのチャートが開発されており、証券会社の口座画面や取引ツールで見ることができます。

チャートから読み取れる情報はとても多く、スイングトレードに欠かせないトレンドの有無やその強弱なども読み取ることができます。

そして、さらに重要なことは「他の投資家も同じチャートを見ている」という事実です。多くの投資家や自動売買システムは、チャート上に表れたシグナルに基づいてトレードを行っています。チャート分析をマスターすれば多くの市場参加者と同じ行動を取ることができるようになり、トレード成功率の向上が期待できます。

利益を出すためのポイント2:移動平均乖離率

数あるチャート分析の中でもとりわけ利用者が多いのが「移動平均線」です。一定期間の値動きを平均化しチャート上に表示するもので、5MA(5日移動平均)が過去5日間の平均、25MAが25日間の平均といった具合に時間軸によって使い分けます。

一般に、現在の株価が移動平均線から大きく離れていると、移動平均に収斂(しゅうれん)していく傾向があります。移動平均からどれだけ離れているかは「移動平均乖離率」で見ることができ、乖離率の推移もグラフ化されています。

平均線から大きく上に乖離している場合は「買われすぎ」で下落が予想され、逆に大きく下に乖離している場合は「売られすぎ」でじきに上昇するものと予想されますが、その予測に移動平均乖離率が有力な指標となります。

利益を出すためのポイント3:テーマ株・イベント株などの特性

先ほどご紹介した「テーマ株」の場合、たとえば「アップル社が新型のiPhoneを発表」といった企業ごとのニュースだけでなく、「巣ごもり需要の増大」といった社会情勢の変化も、思惑買いの材料となります。

また「イベント株」では、株主優待の権利落ちによって売りが優勢になるタイミングや、虫よけ商品の需要が高くなる夏季の殺虫剤メーカーなど、さまざまなイベントと銘柄が結びついています。

これらの思惑買いはテクニカル分析とは異なる手法ですが、チャート分析とともにマスターしておくとスイングトレードにおける銘柄選びや投資タイミングの判断に役立ちます。

利益を出すためのポイント4:出来高(売買高)

出来高は売りと買いそれぞれの注文が成立した量を示す指標で、出来高が高いことはその銘柄への注目度が高くなっていることを示しています。トレンドが発生している場合や、急騰、急落といった注目度の高い局面では、それに比例するように出来高も多くなります。出来高が急増している場合は要チェックといえるでしょう。

スイングトレードに適した証券会社は?

証券会社はそれぞれにサービスが異なります。スイングトレードに適した証券会社を選ぶことも重要です。

スイングトレードに適した証券会社の特徴1:手数料コストが安い

短期売買に分類されるスイングトレードでは、売買の回数も多くなり、そのつど手数料がかかります。1回あたりの手数料が安いことももちろんですが、1日あたりの約定代金で手数料が決まる仕組みになっているプランを選べば、コストを低減しやすくなります。1日に何度もトレードをするデイトレードとは異なり、1日あたりの約定代金合計はそれほど高額にならないからです。

スイングトレードに適した証券会社の特徴2:取引ツールの機能と使い勝手

スイングトレードでは機動的な相場分析と売買行動が求められるので、取引ツールがそれに応えられるだけの機能と使い勝手を備えていることが重要です。チャート分析の種類が豊富であることや細かい時間軸に切り替えられる機能、チャート上に線を引くなどの描画機能などがチェックポイントといえるでしょう。

また、市場が動いている時間帯に成行注文ができない方にとっては、指値注文や逆指値などの注文方法が充実していること~~は~~が望ましいでしょう。特に逆指値注文は、スイングトレードには必須といえる損切り注文に使用します。これらを考えると、売買注文の多彩さもスイングトレードには欠かせません。

スイングトレードに適した証券会社の特徴3:スクリーニングツールの充実

スクリーニングとは事前に条件を設定し、膨大にある銘柄から条件に合致する銘柄を検索する機能のことです。移動平均乖離率や出来高などをスクリーニングツールで設定しておけば、ツールが合致する銘柄が検索結果に表示されます。取引ツールと同様に、スイングトレードでは大きな助けとなる機能です。

このようなスイングトレードに適した条件を満たしているのは、主にネット証券です。SBI証券や楽天証券、マネックス証券、auカブコム証券などが該当しますが、これらの証券会社のなかでも手数料体系や取引ツールは異なるため、自分に合った口座を選ぶことが大切です。

自身で決めたルールや努力に加え、投資スタイルにあった証券会社選びが勝敗の鍵を握る

あらかじめ決めたルールに従ってトレードができる人であれば、スイングトレードは有効な投資手法といえるでしょう。スクリーニング機能を使って銘柄を選び、チャート分析を行いつつ売買を行えば、リスクを低減しながら効率よく収益を上げられる可能性は高まります。ほかの投資手法にもまして、日々の努力と研究が反映されやすい投資スタイルだといえるかも知れません。

それと同じくらい大切なのが、自身のスイングトレードスタイルを実現できる証券会社選びです。せっかく投資スタイルを身につけても、それを実現できる環境がなければ思うような成果は残せません。自身と相性の良い証券会社を選ぶことは、スイングトレードの成否の鍵を握る1つといえそうです。
 
文・
エンジニアやWeb制作などIT系の職種を経験した後にFXと出会う。初心者として少額取引を実践しながらファンダメンタルやテクニカル分析を学び、自らの投資スタイルを確立。FXだけでなく日米のETFや現物株、商品などの投資に進出し、長期的な視野に立った資産運用のノウハウを伝える記事制作に取り組む。初心者向けの資産運用アドバイスにも注力、安心の老後を迎えるために必要なマネーリテラシー向上の必要性を発信中
 

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